皆さんは名古屋・栄にある「ルイ・ヴィトン名古屋栄店」には行ったことありますか?
画像参照:https://www.aokijun.com/works/louis-vuitton-nagoya/
高級ブティックが立ち並ぶこの街の中でも、ひときわ目を引く存在がこの建物です。
今回は私のお気に入りの商業建築のひとつ、「ルイ・ヴィトン名古屋栄店」の建築デザインと照明デザインについて紹介していきます。
◎名古屋の中心に光るランドマーク
ルイ・ヴィトン名古屋栄店は、1999年にオープンした旗艦店です。
建築デザインを手がけたのは、日本を代表する建築家の青木淳氏。
彼は「表参道のルイ・ヴィトン」など数々のブランド店舗を手がけてきたことで知られており、ブランドイメージと都市の風景を融合させるデザインに定評があります。
画像参照:https://www.aokijun.com/works/louis-vuitton-omotesando/
名古屋の中心地・栄というにぎやかな立地にありながら、この建物は一歩足を止めたくなるような“静けさ”と“光の美しさ”を放っているのが特徴です。
◎「和紙のような外観」と内部の光のグラデーション
まず目を引くのは、まるで和紙を重ねたかのような繊細な外観。
画像参照:https://www.lighting.co.jp/ja/projects/louis-vuitton-nagoya-sakae/
ファサードは白を基調とした半透明のパネルで覆われており、昼は自然光を受けて柔らかく光り、夜になると内側からの照明によって幻想的な雰囲気に変わります。
この光の演出は、単なる照明ではなく「建築の一部」として設計されているのがポイント。
建物全体が“光る彫刻”のようであり、まるでルイ・ヴィトンの「上質で洗練された世界観」が街の中に浮かび上がっているような印象を受けます。
◎照明デザインがもたらす体験
照明デザインを手がけたのは、世界的に著名な照明デザイナー・面出薫氏率いるLPA(ライティング・プランナーズ・アソシエーツ)。
この建物において、照明は単に空間を“照らす”ためではなく、ブランドの世界観を“感じさせる”ための重要な要素となっています。
内部の照明もまた計算されつくしており、商品を際立たせるライティングに加えて、空間全体の明暗バランスがとても心地よく、「ここで過ごす時間そのものが特別」であるかのような感覚に包まれます。
画像参照:https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/point-of-sale/japan/louis-vuitton-nagoya-sakae
◎ルイ・ヴィトン名古屋栄店が与えた影響
①ブランドイメージの深化
この建物は、ルイ・ヴィトンというブランドのラグジュアリー性をより深く体現しています。
特に照明による“光の演出”は、単なる外観美だけでなく、来店者に「上質な体験」を提供するという意味で、ブランド価値の深化に貢献しています。
②地域景観との調和と新しい存在感
和紙のような外観は、名古屋という都市の中で異彩を放ちながらも、決して浮くことなく周囲と調和しています。
日が沈むとまるで灯籠のように街角を優しく照らし、新たなランドマークとして人々の記憶に残る存在となっています。
③商業建築の在り方を再定義
「売るための箱」ではなく、「体験を提供する空間」へ。
建築と照明が融合することで、商業施設の価値を一段階上げるような、今後の商業建築の方向性を示すモデルケースともいえるでしょう。
◎最後に
ルイ・ヴィトン名古屋栄店は、建築と照明が一体となり、都市の中に“体験”をつくり出す特別な空間です。
見た目の美しさはもちろんのこと、時間帯や光の変化によって印象を変えながらも一貫してブランドの世界観を表現し続けるその姿は、まさに“建築と光の芸術”。
名古屋・栄に立ち寄った際には、ぜひ夕暮れどきに足を運んでみてはいかがでしょうか?
そこには、きっと他では味わえない“静かな感動”が待っていると思います。
参考文献
・https://www.lighting.co.jp/ja/projects/louis-vuitton-nagoya-sakae/
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます