21世紀新訳・仏教経典(抄)

西川隆範編訳・桝田英伸監修

この世の由来-世記経   ~地獄 その13 〈八大地獄・7 大焼炙地獄〉

2012-05-06 19:56:52 | 経典
【大焼炙地獄(だいしょうしゃじごく)】(大焦熱地獄・だいしょうねつじごく)

仏陀は比丘たちに語り続ける。

「第七の大地獄「大焼炙地獄」の周囲もまた、十六の小地獄が取り囲んでいる。
「大焼炙地獄」も十六の小地獄も、どれもが500ヨージャナ(約3500km)四方の広さである。

第七の大地獄はどうして「大焼炙地獄」というのか。


この地獄にたどり着いた罪人は
すぐに大勢の獄卒たちに捕らえられ、大勢の罪人たちと共に大きな鉄の城の中に閉じ込められる。
城は内も外も恐ろしく真っ赤に燃えている。
炎に炙られる上から猛烈な業火が襲いかかるので、罪人たちの皮はただれ、肉ははぜて飛び散る。

苦しみ痛みと辛酸の毒は万倍にもなるが、罪の罪の償いが終わらないので死ぬことも出来ない。
罪人たちは大勢でその身をあますところなく“大いに焼かれ、大いに炙られる”ので、「大焼炙地獄」と呼ばれる。


また次に、この地獄にたどり着いた罪人は
すぐに大勢の獄卒たちに捕らえられ、大勢の罪人たちと共に大きな鉄の部屋の中に押し込められる。
部屋は内も外も恐ろしく真っ赤に燃えている。
炎に炙られる上から猛烈な業火が襲いかかるので、罪人たちの皮はただれ、肉ははぜて飛び散る。

苦しみ痛みと辛酸の毒は万倍にもなるが、罪の罪の償いが終わらないので死ぬことも出来ない。
罪人たちは大勢でその身をあますところなく“大いに焼かれ、大いに炙られる”ので、「大焼炙地獄」と呼ばれる。


また次に、この地獄にたどり着いた罪人は
すぐに大勢の獄卒たちに捕らえられ、大勢の罪人たちと共に大きな鉄の部屋の中に押し込められる。
部屋は内も外も恐ろしく真っ赤に燃えている。
炎に炙られる上から猛烈な業火が襲いかかるので、罪人たちの皮はただれ、肉ははぜて飛び散る。

苦しみ痛みと辛酸の毒は万倍にもなるが、罪の罪の償いが終わらないので死ぬことも出来ない。
罪人たちは大勢でその身をあますところなく“大いに焼かれ、大いに炙られる”ので、「大焼炙地獄」と呼ばれる。


また次に、この地獄にたどり着いた罪人は
すぐに大勢の獄卒たちに捕らえられ、大勢の罪人たちと共に大きな鉄の塔の上に押し上げられる。
塔は内も外も恐ろしく真っ赤に燃えている。
炎に炙られる上から猛烈な業火が襲いかかるので、罪人たちの皮はただれ、肉ははぜて飛び散る。

苦しみ痛みと辛酸の毒は万倍にもなるが、罪の罪の償いが終わらないので死ぬことも出来ない。
罪人たちは大勢でその身をあますところなく“大いに焼かれ、大いに炙られる”ので、「大焼炙地獄」と呼ばれる。


また次に、この地獄にたどり着いた罪人は
すぐに大勢の獄卒たちに捕らえられ、大勢の罪人たちと共に大きな鉄の容れ物の中に投げ入れられる。
容れ物は内も外も恐ろしく真っ赤に燃えている。
炎に炙られる上から猛烈な業火が襲いかかるので、罪人たちの皮はただれ、肉ははぜて飛び散る。

苦しみ痛みと辛酸の毒は万倍にもなるが、罪の罪の償いが終わらないので死ぬことも出来ない。
罪人たちは大勢でその身をあますところなく“大いに焼かれ、大いに炙られる”ので、「大焼炙地獄」と呼ばれる。


また次に、この「大焼炙地獄」の大地には、恐ろしく大きな“火の穴”が開いている。
その中では火焔が恐ろしく激しく燃え盛っている。
穴の両側には大きな火山があるのだ。
そして獄卒たちはよってたかって罪人を捕まえ、鉄のさすまたで罪人を縦に串刺しにし、業火の中で炙るのだ。
猛烈な炎になぶられて、罪人の皮ははじけ、肉は沸騰する。

苦しみ痛みと辛酸の毒は万倍にもなるが、罪の罪の償いが終わらないので死ぬことも出来ない。
罪人たちは大勢でその身をあますところなく“大いに焼かれ、大いに炙られる”ので、「大焼炙地獄」と呼ばれる。


罪人は、永らく苦しみを受けた後に、「大焼炙地獄」を出る。
しかし、この地獄に恐れをなして救いを求めて走り出しても、
その宿業に引かれて「黒沙地獄」以下の十六の小地獄にたどり着いてしまう。
その小地獄で罪の償いを終えてから、ようやく死ぬことが出来るのだ」


コメントを投稿