一陽来復~近藤聡彦のファゴットブログ~

ニューヨーク帰りのファゴット奏者が綴る下関音楽日記

プーランク六重奏曲の楽譜の間違い

2022年11月11日 | コンサート
明後日演奏するプーランクの六重奏曲。
ファゴットパートの第1楽章に結構大きなミスが
この手のフランス物やイタリア物の楽譜はミスが付き物。
この部分は演奏してみて気づかれてる方も多いでしょうが、
出版社が長年訂正してないようなので備忘録として書いときます。

ファゴットのパート譜1ページ目の下から二段目。
第1楽章練習番号⑧番の前の、この円の部分。
ヘ音記号なので記譜通りだと「ファ♯、ミ♯、レ、ド♮、シ♭、ラ」。

学生の頃は自分もこのまま演奏していて、
やってみると派手に濁らないけど何か違和感を感じていました。
それにこの前に出てくるドは、ずっと♮なのに何故ここに♮?

後々スコアをチェックしてみるとなんと
先ずここはヘ音記号じゃなくてテナー記号。
更に4つ目の音は書き間違い、5つ目の音は臨時記号が間違い。
たった2小節の間に間違え過ぎでしょ

正解は「ド♯、シ♯、ラ、ファ♯、ファ♮、ミ」。
間違えを正してみれば、一緒に動くオーボエと全部同じ音
オーボエと音型が違うのは、たぶん音域的にいきなりのハイC♯を避けたんでしょうね。
以下スコア11ページ下段より抜粋。一段飛ばした上がオーボエ。
上のファゴットのパート譜と比べてみて下さい。

同じく12ページ上段。

このパート譜には他にも音部記号の間違いや、
大事なスラーが落ちていたりするんだけど、
それらはやってみるとまだ気づきやすい。

でもここは楽譜がこの短い間にいくつも間違えてる上に、
音がすごく濁りはしないので意外と気づきにくくて、でも全然違うよねえ
間違えたまま録音してCDになっちゃってるのもいくつか知ってるので(笑)、
演奏する時は気をつけて下さいね

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