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熟年オジサンの映画・観劇・読書の感想です。タイトルは『イヴの総て』のミュージカル化『アプローズ』の中の挿入歌です。

オーシャンズ13

2007-08-23 | 映画
「11」が余りにお粗末だったので「12」はパスしてしまったが、またしても「13」は薄味なオールスター大作となってしまった。

キャストだけは相変わらず豪華絢爛で、今回カモにされるアル・パチーノ、「11」のカモだったアンディ・ガルシア、それにリーダーのオーシャン役・ジョージ・クルーニーとその仲間たち、ブラッド・ピット、マット・デイモン、ドン・チールドなど、活躍する人もいれば、どうでもいいような人もいる。
今回は、仲間の一人の資産家ルーベン(エリオット・グールド)を騙して病人にしてしまったラスヴェガスの悪徳カジノ・ホテル王・バンク(アル・パチーノ)への復讐が目的でオーシャンたちは結集する。
その復讐は、カジノを舞台にした金銭面と、格付け審査員を利用した信用操作の、有形無形の両面作戦が採られる。
言ってみれば、あり得ないご都合主義がテンコ盛り状態だが、格付け審査員のエピソードだけは、ほとんどギャグとして笑わせられた。

しかし肝心かなめのカジノを舞台の大勝負は、メキシコの工場でのイカサマ・サイコロ製造、掘削機での人工地震発生、パソコンでのデータ改ざん、有能女性秘書への媚薬作戦など、如何にも子供騙しでチャチな道具立ての仕込みの数々でつまらない。
しかも、入念な準備期間はすっ飛ばされて、突然2か月後の決行日になってしまっては、ハラハラもドキドキもあったものではない。

コンゲーム映画の名作には必須であった、『テキサスの5人の仲間』のカードゲームのスリルや、『スティング』での見事な集団作業のサスペンスも、本作には見当らない。
悪人にひと泡吹かせてスカっとしたという開放感も安堵感も無く、単なる豪華スターの顔見せショーで終わってしまったかんじである。
踏んだり蹴ったりだった本物の格付け審査員への罪滅ぼしは好いのだが、これも出来すぎご都合主義の一つである。
フランク・シナトラとその仲間たちも、草葉の陰できっと苦笑していることだろう。


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2 コメント

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関西の演劇を、、 (ヌートリアE)
2007-08-26 11:14:25
おはようございます。
関西は今年はかなり暑く、当初の酷暑予報はやはり当たってたんですね。本当に暑くなるまで結構涼しかったもので、応えます。
でも、東京も今年は関西並み、いや、日によってはむしろ暑いほどですね。完全にヒートアイランド現象でしょうか、、。
8月に小劇団公演を2件ほど見てきました。言葉表現も完全標準語で、みんな立派だなと思いましたが、東京の演劇に比べるとやはりまだまだ軽い感じがしますね。昨夜見た演劇は劇団レトルト内閣の「楽園狂想曲」だったんですが、重要な配役のひとりに、セリフの発声がまるで素人のような感じの人もおり、驚きました。この劇団はもう13回目の公演らしいのですが、、。
まあ、低料金の演劇ばかりあさっているので、こういうところかもしれないですが、東京では同じ条件でもずしんとくる演劇が多かっただけにやはりまだまだ関西は甘いといわなければならないのでしょうか、、。
ということで、暑い中老体に鞭打って頑張っております。お暑い中、お体には十分お気をつけくださいませ。ではまた。
ヌートリアE
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いつまで続くかこの猛暑 (butler)
2007-08-27 11:02:30
>ヌートリアさん、

いやぁ~本当に今年の夏には参りました。
大阪の小劇団の公演はどんな場所で上演されているんですか?
僕が20代の頃は、島之内教会の地下とか限られていましたが
今は結構上演スペースはあるんでしょうね。

11月には、大阪から来る「維新派」の久しぶりの東京公演、
と言ってもさいたま芸術劇場ですが、あって楽しみです。
大阪公演は7月に終わって、京都公演が来年2月にあります。
機会があれば、話のタネに是非ご覧になってください。

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