ようこそ劇場へ! Welcome to the Theatre!

熟年オジサンの映画・観劇・読書の感想です。タイトルは『イヴの総て』のミュージカル化『アプローズ』の中の挿入歌です。

2005年・演劇ベストテン

2005-12-31 | 演劇
今年は例年になく芝居見物の機会が多かったのは幸運だった。 その反面、映画の本数が減ってしまったのは致し方の無いことではあるが。 1.自転車キンクリートのテレンス・ラティガン3作品連続公演   『ウィンズロウ・ボーイ』    『ブラウニング・バージョン』    『セパレート・テーブルズ』 イギリスの演劇の伝統を遅ればせながら知らしめてくれたラティガンの3作。どれをとっても真摯で、引き込まれてしまう . . . 本文を読む

2005年・日本映画ベストテン

2005-12-31 | 映画
脚本が優れている映画重視で選びました。 とは言うものの、この10本+数本しか日本映画は観ていないのですが(笑)。 外国映画と違って、見逃して残念という映画はそれほどありません。 1~3位は断トツです。4~10位は順不同でもいいくらいです。 一日も早く『美式天然』が公開されることを祈っています。 1.運命じゃない人 2.ALWAYS三丁目の夕日 3.トニー滝谷 4.メゾン・ド・ヒミコ 5.リンダ  . . . 本文を読む

ベルヴィル・ランデブー

2005-12-31 | 映画
フランス製アニメ『ベルヴィル・ランデブー』の何と粋でカッコイイことか! 同じく老婆が活躍する『ハウルの動く城』がヨーロッパを舞台にしていても、やはり日本人の多少湿っぽい感性から生まれたもであるのと比較して、あっけらかんとしてシュールでブッ飛んでいるのは一目瞭然である。 愛犬ブルーノがみる夢、カエルと手榴弾、窓際を通過する電車など見どころ満載であるが、やはり「三つ子歌手」+ワン=四婆(ヨンババ)カル . . . 本文を読む

セパレート・テーブルズ

2005-12-31 | 演劇
『ウィンズロウ・ボーイ』『ブラウニング・バージョン』と観ごたえのあるある作品が続いた、自転車キンクリートSTOREによるテレンス・ラティガン3作連続公演もついに最後の上演である。 舞台は海辺の小さなホテル。客席の前面にまで張り出した舞台は、7つのテーブルが置かれた階段状のダイニングルームと、最前面の下手に暖炉、上手にライティングデスク、中央にソファが置かれたサロンという、間口、高さともに大きく組 . . . 本文を読む

SAYURI

2005-12-31 | 映画
アーサー・ゴールデンのアメリカ製・花柳小説の翻訳上下巻を手にした時は、面白くて一気に読んだものだ。京都の祗園と先斗町の区別もつかないし、お茶屋遊びもしたことがないのは、僕だけではなく恐らくほとんどの日本人がそうだと思う。 となれば、どうせ嘘っぽさはフィクションには付き物だし、少々のトンチンカンはやり過ごせる。花柳界自体が僕らにとってはミステリアスな世界だから、今回の映画化もそこいら辺に漂う嘘っぽさ . . . 本文を読む

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

2005-12-31 | 映画
早いもので『ハリー・ポッター』シリーズも既に4作目。 同じファンタジー系でも『ロード・オブ・ザ・リング』と大きく異なるのは、LOTRが壮大な長編ロード・ムービーだったのに対して、ハリポタは一応続き物ではあるものの、「一話完結」読み切りスタイルで作られている点である。 今回ハリポタのメイン・ディッシュに供されるのは「三大魔法学校対抗試合」、つまり魔法合戦である。その内容はとても判り易く、陸・海・空 . . . 本文を読む

容疑者Xの献身

2005-12-31 | 読書
このところ飽きが来ていたが、本作は東野圭吾ひさびさの渾身ミステリーである。 警視庁捜査一課の草薙刑事の親友で、天才物理学者・湯川助教授が本作でも探偵役を務めるが、アリバイ崩しの相手は何と、これまた大学の同窓で面識もあった天才数学者・石神。 石神はアパートの隣人・靖子とその娘が犯した殺人を隠すために、その卓越した数学的頭脳を使って完全犯罪を目論む。 石神の靖子にたいする愛情の深さは驚くばかりで、命ま . . . 本文を読む

運命じゃない人

2005-12-31 | 映画
婚約解消で落ち込んだ女性(霧島れいか)と、最近彼女に逃げられた気弱で平凡な男性(中村靖日)が、ふとしたキッカケでレストランで知り合う発端から、予測不能なミステリアスでちょっとサスペンスフルな一夜のラブ・ストーリーが展開する。 この二人に純情男性の幼なじみの私立探偵(山中聡)、ヤクザの親分(山下規介)、親分の愛人で金を持ち逃げした女=実は純情男性の元彼女で結婚詐欺師(板谷由夏)を加えた五人が主要登場 . . . 本文を読む

『JAZZYな妖精たち』『REVUE of DREAMS』

2005-12-31 | 宝塚歌劇
宝塚歌劇月組の新トップ・コンビ、瀬奈じゅん+彩乃かなみの東京お披露目公演である。 今年の夏、梅田芸術劇場でのミュージカル『アーネスト・イン・ラブ』で、既に二人のコンビは観ているが、歌・ダンス・演技と三拍子揃った安定した新コンビの誕生である。 『JAZZYな妖精たち』(作・演出=谷 正純) アイルランドからアメリカへ移民した孤児院育ちの5人の子供たち。ニューヨークを舞台に、15年後にそれぞれ、下院 . . . 本文を読む

乱歩地獄

2005-12-31 | 映画
ミステリーファンならずとも、子供時代に少年探偵団や怪人二十面相に夢中になった方は多いと思う。私は晩熟で、江戸川乱歩の小説に密かな楽しみを覚えたのは成人してからで、主に『孤島の鬼』などの長編小説がお気に入りであった。 しかし、映画化されたちゃんとしたものを観た記憶がない。 本作は一種の実験映画と言えるくらい、多様な趣向を盛り込んだ、4人の監督の手になる オムニバス映画である。 『火星の運河』(監督 . . . 本文を読む