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熟年オジサンの映画・観劇・読書の感想です。タイトルは『イヴの総て』のミュージカル化『アプローズ』の中の挿入歌です。

宝塚星組・東京公演

2007-06-17 | 宝塚歌劇
宝塚舞踊詩『さくら』~妖しいまでに美しいおまえ~(作・演出=谷 正純)
真っ暗な舞台に「チョン!」と木が入って「パッ!」と明るくなる、和物ショー独特の「チョンパ」の幕開けは、その華やかな衣装と総踊りで、いつ観てもワクワクさせられる。
それに加えて今回は、衣装(着物)に一竹辻が花が使用されているので、絢爛豪華さに妖しい夢幻のムードが加味されて、新トップ安蘭けいの魅力を十分に生かしている。
さらにモチーフが桜だから、ラストの数場面の桜の繚乱(装置=新宮有紀)の美しさにはウットリとしてしまう。
和物にも洋楽が宝塚の伝統だが、なかでもボレロのリズムと竹灯籠のセットをバックに舞う(振付=山村若)、平家の落人(安蘭けい)と白拍子(松本悠里が美しい!)の場面がひときわ幻想的だ。
また、狂言の「花折」をオペレッタにした一場も、檀那(立樹遥)と山法師(涼紫央)のコミカルな応酬で楽しい。
近年は観られる機会がすっかり少なくなってきた和物ショーだが、せめて年に1作程度は作って欲しいものだ。

ミュージカル『シークレット・ハンター』~この世で、俺に盗めぬものはない~(作・演出=児玉明子)
1940年代のカリブの島々が舞台。腕利きの泥棒(安蘭けい)が情報屋(柚希礼音)から請け負った仕事は、某小国のプリンセス(遠野あすか)を誘拐すること。明るいラテンのリズムで味付けされた、謎解きを絡めたロマンティック・コメディである。
一見『ローマの休日』を思わせる展開だが、いろいろと仕掛けが施されていて、単純な恋物語でないのがミソである。
王位継承、殺し屋、襲撃、身分違いの恋などハラハラさせるが、オチは観てのお楽しみ。
ストーリーはともかく、一番面白かったのがフィナーレのショー場面で登場するラインダンスである。暗闇に蛍光で浮かび上がるのは熱帯魚たち。巨大な提灯アンコウが現われたり、いつもと違う趣向(振付=羽山紀代美)で楽しくて可愛いロケットだ。

実力には定評のある安蘭と遠野は、トップ遅すぎの感もあるが、良い意味で安心して見られるというメリットと、少々初々しさに欠けるというデメリットの両面があるのは、まあ仕方がないことでろうか。
(2007-6-16、東京宝塚劇場にて、butler)



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2 コメント

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Unknown (クワスト)
2007-06-18 08:05:06
お待ちしていました~!とうこちゃんのお披露目のレポありがとうございました。

トップの高齢化・長期化が続く昨今、もうトップお披露目で初々しさを求めるのは無理なのではないでしょうか?それもこれもやっとトップになったんだから、一作でも多く出演してほしいというファンの願望もあるので、長期化に文句は言えないんですけどね。次はきりやんのトップを待っています(笑)。
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祝・とうこさんトップお披露目! (butler)
2007-06-18 11:43:18
>クワストさん、

ハラハラしないで(笑)、こんなに安心して観られるトップ
これでこそプロですよね。
その上、綺麗ですから言うことありません。

CSで垣間見た『大坂侍』のきりやんの巧いこと!
花組トップになって、彩音ちゃんを鍛えてあげてください。(笑)
だめですかねエ~?(笑)
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