今回は一級鉄十字章をご紹介します。
まず最初に一級鉄十字章について軽くご説明します。(と言っても、あまり詳しくはないのですが・・・)
ドイツ(プロイセン)で十字章が制定されたのは対ナポレオン解放戦争の頃だそうでして、その後、何度かの制定しなおしが行われています。
さて、この一級鉄十字章ですが、勲章というよりは戦功章と言える物(金鵄勲章みたいな物ですかね?)で、授章資格は二級鉄十字章を授章していて、尚且つ戦場における勇敢な行為を複数回行った者という何だか曖昧な基準になっていたようです。
ただし、功績如何によっては二級鉄十字章を授章していなくても一級鉄十字章(および二級鉄十字章)を授与されたそうです。
今回ご紹介する物は1914年(一次戦)と1939年(二次戦)に制定された物になります。
こちらが1914年制定の一級鉄十字章です。
中央の「W」はフリードリヒ・ヴィルヘルム3世の頭文字の「W」です。
この徽章は3つのパーツで構成されており、コア(黒い部分)は主に鉄で出来ており、それを銀の縁で挟んだ作りになっています。
昔はよくコアが鉄で出来ているので実物は磁石に付く、と言われていましたが、実物でもコアが鉄製でない物が存在するそうですので、あまり判断材料にはならないと今日では言われています。
裏面の写真です。
装飾も何も無く、シンプルが作りになっています。
小さくて見えないですが、留めピンに刻印が打たれています。
こちらが1939年制定の一級鉄十字章です。
作りは一次戦の一級鉄十字章と同じです。
コアに錆が浮いている事から、コアが鉄製なのが分かります。
裏面の写真です。
こちらも留めピンに刻印「L/13」と打たれています。
刻印の意味は残念ながら分かりません。
さて、こちらは一級鉄十字章の第二次大戦後の物です。
と言いましても、この記章は一級鉄十字章の戦後制定品ではなくて、第二次大戦中に一級鉄十字章を授与した人が二次戦の物を着用出来なくなったので代わりに着用する為に作成された物です。(第二次大戦の物はハーケンクロイツが入っているので着用不可能)
デザインは1次・2次大戦時の物と同じようですが、コア・縁の材質は異なるようで、コアは鉄製ではないようです。
あと、特徴的なのは制定年号は1939年のままなのですが、中央のハーケンクロイツがオークリーフに置き換えられています。
裏面の写真です。
こちらも留め金具の後ろに刻印「A」と打たれています。
アスマン社という会社で作られた記章のようです。
このアスマン社は記章メーカーで、第2次大戦中も記章を作っていたそうです。