
オーブの幼稚園に通っていた頃、お友達には兄弟姉妹がいて羨ましかった。
お家で一緒に遊んだとか、兄姉にやさしく慰めてもらったとか、弟妹がお兄ちゃん大好き(お姉ちゃん大好き)とか言うので可愛いとか聞くと、自分には体験できないことだから尚更憧れた。願い事やプレゼントのリクエストを問われれば、弟妹が欲しいと言っていた。
それも学校へ上がった頃には次第に口にしなくなった。学校・学童・習い事など友達と過ごす時間が多くなり楽しかったからだ。また成長するにつれ、第二世代のコーディネーターからの出生率の低下も聞きおよんでいた。もちろん内心では兄弟姉妹がいたらなぁ、と思うことは度々あったのだ。
「びっくりさせちゃったかな?」
ミリィが不安げに尋ねる。
「うん。ちょっと驚いた。でも嬉しい。」
だって、ずっと欲しかったものだから。
「弟? 妹?」
「お前、どっちがいい?」
「どっちでもいいよ。ってか、今更替えられないだろ!」
「ブラコン、シスコンになるなよ~」
ディアッカとしょうもないボケツッコミを繰り広げ笑いあった。
ミリィもディアッカも一人っ子で兄弟姉妹がいない。昔、コロニー開発途上の時代には移住条件が厳しく一家族の子供は一人までだったそうだ。ミリィの同級生達も一人っ子だ。ディアッカにしてもコーディネーターの出生率低下のためか、その同僚達は一人っ子が多い。きっと二人にも兄弟姉妹への密かな憧れがあったのかもしれない。今はただ無事に生まれてくることを祈るだけだ。
「最高のお年玉だよ。ありがとう、ミリィ、ディアッカ。」
※ コロニー移住条件は当サークルのオリジナル設定であり、公式設定ではありません。
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