ボスの山日記

奥高野で山のニュースや、ボスの考えをお届けします。

林業再生協議会出席

2012年09月20日 | 森林の話
 国内の林業を取り巻く状況は、長期低迷が続いています。
野迫川村では、林業労働者の高齢化が進むなど大変厳しい中、国土の保全、水源涵養、
地球本檀家の防止など、重大な役割を担っていかなければなりません。

そんな目的で発足した「野迫川村林業協議会」は今回で3回目を迎えます。
平成20年1月にスタートして、22年3月に「森林に100人、村に1,000人」の答申書を
まとめた「野迫川村林業研究プロジェクトチーム」のメンバーが4~5名残っています。

今回の出席者は
1.野迫川村森林組合   専務理事     中本 章氏

2.(有)津田林業     代表取締役    津田 晃氏

3.玉川設備工業(株)  グループ会長   玉川 義光氏

4.金久商事(株)     代表取締役    栗山 透氏
5.奈良森林管理事務所流域管理調整官  篠原 庄次氏

6.奈良森林管理事務所
 十津川・野迫川森林事務所 森林官   石丸 浩志氏

7.奈良県南部農林振興事務所        杉本 和也氏(ご代理)
 林業普及第一課長              棚橋 昭人氏
  
8.野迫川村議会議長              別所 誠司氏 

9.野迫川村村長                 角谷 喜一郎氏

10.野迫川村副村長               中本 浩三氏  

11.野迫川村産業課長             吉井 善嗣氏

12.野迫川村産業課(集落支援員)      上本 好通氏

13.野迫川村産業課               中本 智幸氏    


今回の案件は
①要綱の改正(役員の任期)
②村林材の利用促進(公共建築工事に村林材の利用)
③村林材の強度試験結果(奈良県地域認証材の基準を十分に満たしている)
④木材生産活動について
⑤「森林力」について
(野迫川村が全国に有数の森林力である理由は、人口一人当たりの人工林面積が日本一である事です)

杉の大木を切る

2011年05月11日 | 森林の話
 県道に面した山に樹齢80年は超えた杉の大木が、強風で倒れたら通行車両に迷惑がかかるのだ。
いつか切り倒さねばと考えていたのだが、今を逃せば1年以上先になってしまう。
木を切る日を選ぶには、それなりの覚悟が必要だ。

以前に山仕事を頼んでいた山の仙人、すでに85歳になっているのだが、
山の事では今でも色んなアドバイスを受けている。山仕事70年の職人だ。
彼の話では「今日切れば、皮を剝いておけば気づかいねいよ」プロの話だ。

信じる事にした。自分で倒すから、切り方と切る方向を間違ってたらとお願いし
木の皮むきはやってもらう事にした。とても85歳とは思え働きぶりだ。
コンビのオペレーターは・・・お前だ、駒スタッフを指名するか。
チェンソーの音で声が聞こえないので、体の動きだけで重機をコントロール。
滑車を使って木を倒すと決めた方向に、他の木を傷めないように倒すのだ。

さて、この杉の大木、どの様に料理して、どの様に利用するか考えた。
今、市場に出しても労務費と運搬費も出ないのが現実だ。
それでは山主に原木代も還元出来ない。

それならば、秋まで待って乾燥させ、その時期で一番必要とする材料に製材するのだ。
それを被災地に送ってあげる事にするか。

他にもっと良い利用方法を知っているなら教えて下さい。
300~450φ×7.5mが100本ほどあるのです。

栃(トチ)の巨木

2009年06月22日 | 森林の話
 



 
 雲海牧場より更に奥に、山の保全の為の作業道が10km程伸びている。
ゴットロ線と呼んでいるのだが、その途中にそれは大きなトチの巨木がある。
秋になるとドラム缶に一杯か2杯のトチの実が実るのだが、持ち帰れない。
その理由は、実が実る頃にイノシシ・クマが群れで実を食べに来るからだ。

初夏になると白い大きな円錐形になって咲く姿が美しく印象的なのだ。
葉は手のひら形の複葉で、小葉の緑はギザギザ、葉表には赤褐色の毛が生え
実が熟すと裂けて、中から丸いクリの様な種子が現れ、渋を抜きトチ餅になる。
日本の樹木の中では最も大きく、この村でも1番大きな木であると思っている。

今朝、早起きした実習生を連れてトチの巨木に会いにきたのだ。
マユミ、トチの木にお願いするのだ。
「秋に来ますから、トチ餅を作る為に実を分けて下さい」って。
「イノシシ・クマ、その他の動物が食べる分はちゃんと残すから」って。
「トチの巨木さんが困った事、不便な事があったら聞いてあげるから」って。

これからも、何百年も生き続けて欲しい。山を見守り、村を見守り。
秋には実らせた種子で多くの動物達を守り続けて欲しいと願いながら
春夏秋冬には訪れる事を約束して、トチの巨木を後にした。

しなの木

2009年05月13日 | 森林の話
 川辺のキャンプエリア、下りきった場所に名前の分からない大きな木があるが
葉っぱはギザギザで、夏に白い花が咲き、蜜が出て、そして実が生るのだ。
何の木か分からず、林研プロジェクト委員の吉野氏に(森林博士と呼んでいる)
見ていただいたのだ。
吉野氏は、じっと考えていたが・・・目を丸くして

「エエッこれはこれは。この村で初めて見る大木のしなの木じゃないか
別名、インド菩提樹とも言うのだが・・どうしてここにこの木が生えている?」

それから二人で話が弾むの何の。で、ビールで盛り上がるのなんので

吉野氏は、仏教の禅宗を広めた僧侶の栄西さんが、中国の天山山へ行き、
そこから持ち帰った木が色んなお寺に植えられ、それを誰かが植えたのか。

ボスは、しなの木の実を鳥が食べて、その鳥のフンを落として中の種が
この川辺に落ちて、芽が出て100年~200年かけて大木になったのではと。

どちらも真剣に語り合った結果・・真実はどっちでもいいや。

木の下に石組のテーブルを置き、その下でお釈迦様が実際に悟りを開いた様に
悟りの場所とする事で意見が一致したのだ。ハッピーエンドだ