偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏229御殿山(千葉)

2009年12月11日 | 登山

御殿山(ごてんやま) 不動明王(ふどうみょうおう)

229 【データ】御殿山 364メートル▼25000地図 安房古川、金束▼最寄駅 JR外房線・南三原駅▼登山口 千葉県南房総市御子神▼石仏 大日山分岐の上、山頂直下

 【案内】御殿山の登山口はいくつかあり、北側の南房総市山田から2291 登るのが便利。今回は南側の御子神から登り大日山までのコースにあるいくつかの石仏を訪ねた。その一つ、御殿山山頂の手前に立つ不動明王坐像は線刻。表情の部分が風化してはっきりしないものの、土に埋もれている下半身は、強弱をつけた曲線で掘り出した美しい姿がはっきり残っている。明治十七年の造立である。線彫の石仏は美しい2292 2293 ものが多い。石工にとって、手本さえしっかりしていれば文字を彫るより簡単に仏を写しだすことができたのであろう。同じ場所に立つ下半身しかない石仏の尊名は判別しようもないが、台座に「不動明王」の文字が読み取れる。「明治十七年 村中」とあるから、ふもとの塩井戸か宮下元御子神集落で立てたに違いない。不動明王は修験道関係の石仏と思いがちだが、この御殿山一帯の石造物の奉納者をみると、一般の人が大いにかかわっている。その台座にあった「當国□宮下村 願主藤原正智」も一般人と推測したが、どのような人物だったのか? こちらは「寛政八丙辰」の造立である。

22942295 【独り言】遠くから見る御殿山の山頂は小さな乳首のようにかわいい姿です。それは山頂にある5本のタブの老木といくつかの若木によって形づくられています。椨(たぶ)は照葉樹の代表格で房総の山はよく見かけ、杉など植林された場所を除けば、房総全体がタブの木で覆われているようなものです。とくに神社の境内ではとてつもなく大きなタブの木に出合うことがあります。大きなタブの木が残されている場所は神の領域といえるでしょう。ですから御殿山の山頂も神の領域で、タブの根本に二つの石祠と手水鉢がありま2296 した。このタブの木の山に椿が植えられたのは昭和48年、丸山町の指導で新しい名所「椿の里」が目的。と千葉山岳連盟『房総の山』(昭和48年、多田屋)に紹介されていました。その椿の見ごろは2月ごろらしいのですが、12月初めにすでにほころび始めていました。しかし尾根道にできた椿のトンネルから、木の枝ばかりで花はさっぱり見えませんでした。

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