偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏152三枚石(栃木)

2008年07月08日 | 登山

三枚石(さんまいいわ) 水神(すいじん)

152  【データ】三枚石 1377メートル▼25000地図 古峰ヶ原▼最寄駅 東武日光線・新鹿沼駅▼登山口 栃木県鹿沼市草久の古峰神社▼石仏 三枚石南西の沢の源頭

1521  【案内】三枚石の近くに「金剛水」の案内がある。10年ほど前に歩いたときは気付かなかった新しいもので、案内から100メートル足らずで沢の源頭にでる。そこのある大きな岩のあいだから湧き出したのが金剛水だ。岩には「水神」の石碑が建ち、屋根がかけられている。ど1522 ちらも古いものではなく、古峰神社の信仰厚い信者が寄進したものである。水神は水の神。文字塔が多いが、民間祭祀の石仏ではインドの川の神である弁才天、中国の龍、日本の蛇あるいは人頭蛇身の宇賀神(うがじん)であらわされることもある。三枚石=写真下=は日光を開いた勝道が修行をした場所。日光修験の修行地からは外れているが、金剛堂が建てられ、金剛童子が祀られているというから、行者には重要な場所であったに違いない。山岳修行に欠かせないのが水。金剛水は三枚石で修行をした勝道にとっても重要な水場になっていたのであろう。

1523  【独り言】水道の蛇口という言葉がいつから使われているのかは分りません。しかしこの蛇口ほど、日本の水の信仰を上手にとりいれた言葉はありません。これが同じ水の神である龍を意識した龍口だったら、大水が出そうで恐ろしい感じがするし、水の調整などできそうにありません。やはり水道には形といい大きさといい、蛇の口がピッタ1525 リです。もっとも神社の手水鉢などには龍の口から水が出ている光景をよく目にします。蛇は民間の祭祀の水神、龍は寺社の祭祀の水神と使い分けされていたような感じです。特に龍は雨の神という役目があったようです。ところで三昧石には新しい水の神が他にもありました。一つは青銅の龍(大白龍神)=写真上=、一つは青銅の女神(辨1524_2 天龍神)=写真中=、 そして石造弁才天=写真下=です。いずれも水の神々です。他にもいくつかの神仏が祀られているところをみると、この三枚石は庶民信仰の新たな拠点、それも水神信仰の聖地となっているような印象をうけました。

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