偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏100富士山(山梨・静岡)

2007年08月21日 | 登山

富士山(ふじさん) 猿(さる)

100  【データ】富士山 3776メートル▼25000地図 富士吉田、須走、富士山▼最寄駅 富士急行線・富士吉田駅▼登山口 山梨県富士吉田市上吉田の馬返▼石仏 馬返先の禊所

1001  【案内】猿が登場する石仏の代表は庚申塔で、台座に見ザル・聞かザル・言わザルの三猿が刻まれるものが多い。また比叡山の山王権現(日吉神社)の遣いとして猿の石像を祀る神社もある。富士信仰にも猿が登場し、各地に勧請された浅間神社や富士山を模した富士塚に猿が祀られることがある。しかし、猿がどのようにして富士信仰と結びついたかはよく分らない。いろいろな説があるなかで、比叡山・山王権現信仰の影響というのが有力視されている。ほかには富士山が出現したのが申(さる)の日だった。富士信仰を確立した角行という江戸時代初期の行者が、富士山の御本尊・大日如来のお告げを請けたのが申の日、など諸説入り混じり、申の日を特別な日にしている傾向がみられる。富士吉田口・禊場の猿は新しいもの。鳥居の左右に祀られているが、狛犬に見られる阿吽のかたちはみられず、2匹とも同じ涼しげな表情で登山者を迎えている。

1002  【独り言】これまで夏と冬に何度も富士山に登りました。いずれも五合目からの登山で、岩と砂からなる不毛の山というのが富士山の印象でした。しかし、今回富士吉田口の麓から登って、富士山という山を勘違いしているのに気付きました。五合目までバスで行っては富士山の良さが分らないことに気付きました。太古の樹林と1003 地面を覆う豊富な植物のなかの道は、太陽に照らされることもなく夏でも爽やかでした。それに、荒れるにまかせた山小屋からは、かつての信仰登山者の声が聞こえてきそうであり、苔むした石仏の類は、その年号を確認しなくても充分に歴史の重みが感じられる光景でした。

1004  帰りに禊場で地元・富士吉田市のボランティアのご婦人たちから、冷たいお茶の接待を受けました。そこで耳にしたのは、この道が富士登山マラソンで使われる道であること、もっと登山者に利用してもらいたいことなどでした。そして手に入れたのが「ミニ金剛杖」。「馬返」の焼印が入った飾り物で、売上の一部は富士山再生キャンペーンに使われるとのことでした。

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