私の住む南東北地方の町では「うどん」の文化レベルが大変低いです。
「うどん」とは風邪や体調不良の時に食べるものという程度の認識らしく、ご家庭で作る時は麺を別茹でせず、味付けも濃縮麺つゆだったりします。
瀬戸内生まれの私は「蕎麦」より「うどん」が好きなので、メニューにあるとつい頼んでしまうのですが、この町で讃岐風の美味しい「うどん」に出逢ったことはありません。腰の無い茹で麺とやたら醤油味のスープにがっかりしてばかりです。私は腰のあるツルツルとした「うどん」をダシ重視の透き通ったスープか、生醤油で食べたいのです。
東京では2~3年前に讃岐うどんブームが来て店舗もたくさんあるようですが、まだまだこちらへは及んでいません。はやくブーム到来しないかな……。
もう一つのがっかりメニューに「天丼」があります。私は野菜やアナゴの「天丼」が好きなのですが、この町で食べる「天丼」は丼つゆがねっとりしてて砂糖甘い。まるで回転寿司屋に常備してある甘い煮切りタレのようです。私が生まれながらに食べていた「天丼」の丼つゆは、天ぷらのつけ汁と同じで、さらりとした蕎麦つゆ風のもので、けっして砂糖甘いものでは無いのです。しかし、こちらは「うどん」と違って少し海側の町に行けば正しい「天丼」を食べられるのでまだ良いのですが。
私の故郷を旅した相方によると、そこでは「ラーメンが変」だそうで、最近ではラーメンブームに乗って全国どこにでもありそうな「有名店の真似っ子ラーメン店」もありますが、相方が変だと思ったものは「中華そば」「しなそば」という名前で昔から出されているものです。ストレートの細麺に少し和風な醤油スープ。私にとっては慣れた味ですが、相方にとっては変なのだそうです。
生まれ育った町で一生を終えるのもいいですが、全く違う文化の地方に身を置くのも刺激的でとても面白いです。今度はまだ足を踏み入れたことのない中部地方に住むかな……。