私は昔から朝ごはんにパンを食べます。
前の日のご飯が残ったときや、朝のお弁当が余ったときなど以外はたいていパン食です。
幼い日、毎朝父親がサイフォンにコーヒーをセットします。私はその小さな工場みたいな働きをする面白い道具をぼんやり眺めるのが好きでした。そのうちにトースターからポンっと飛び出すトーストのいい香りが……。
小学生の頃に好きだったのは、休日の朝に母が作ってくれたコーンパンです。四つ切の食パンの真ん中を四角く浅くカットして箱を作ります。そこにバターで炒めたコーンに塩コショウしたものを入れて軽くトーストします。香ばしいトーストと甘いコーンのコンビネーションが……。
中学生になるとティーン向け小説の影響を受けてイングリッシュマフィンにはまりました。あんぱんの上に乗ったケシの実を全体にまぶしたようなザラっとした質感の丸いパンです。厚みを半分になるように割ってバターを乗せてオーブントースターで焼くと、モチモチした生地にバターが溶けて……。
社会人になってヤマザキパンのダブルソフトに出会います。四つ切のように厚いのに、フカフカで柔らかい食パンです。始めの頃は普通にトーストしてバターを塗って食べるだけでしたが、ある日、使う食器を減らそうと半熟目玉焼きを乗せてみました。トロっと出てくる黄身と混ざり合う醤油がバターを塗ったパンに滲んで……。
相方と暮らすようになってからすすめられているトーストの食べ方に「昆布の佃煮を乗せる」というものがあります。トーストした食パンにバターを塗ったらその上に昆布の佃煮を乗せる。まだ試していないのですが……どうなんでしょう???