トゼンの世相斬

政治経済で日々思いついたことを書き綴ります

財政赤字 ②

2020-12-18 18:26:00 | 日記

2013年に金融緩和が始まったがインフレ目標は2%だ。このくらいなら経済的にプラスと考えた目標であるが、今となっては非常に危険なレベル。理由は1100兆円以上に積み上がった国債である。

 

20年度予算の国債利払い費は約8兆円(年利1%以下)だが、金利が下降傾向であるため国債残高が増えても過去20年ほど殆ど変わっていない。


しかし、金利が上がり始めると逆回転して負担が増え始める。もしインフレが2%となると当然それに合わせて金利も上がり2%程度になり、国の利払い金利は1%強増えることになる。


通常新規国債発行は30兆円(20年度は異常)であるが、借換えのための発行が約100兆円あり、新規発行合計130兆円の1%強が毎年追加利払いとして発生する。その額1.3兆円で、2年目は2.6兆、3年目は3.9兆円と積みあがっていく。

 

金利負担の急増が目に見えてわかり、かつ、インフレが2%で落ち着く保証がない状況(つまりまだ金利は上がるかもしれない)で、呑気に新規国債発行を政府が続けるだろうか?


普通はこれ以上借金を増やさないように所謂プライマリーバランスを無理やりでも実現させるのが政府の義務であり、そういう政府を国民は選挙で選ばなければいけない。さもないと状況は益々悪化する。

 

20年度当初予算の一般会計歳出は102兆円、国債以外の収入70兆円なので、▲32兆円の赤字となる。これをすべて増税でカバーするなら消費税を16%上げる必要がある。


歳出削減でカバーしようとすると社会保障や国防費などの政策経費を60%削減しなければならない。既述の利払い増加を含めると更に対応が必要だ。


現実的には増税と歳出削減でバランスをとるのだろうが、いずれにせよ凄まじい影響が国民生活に出るだろう。


これが異常な財政赤字を放置し続けた国の末路である。


(To be continued)





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