山を越える

兄はどうやら山を越えられるよう

やれやれ

さぁ、今度は母の番

山を越える

ざわざわ

３月も間近な
金曜の夜

駅前とおりが
にぎやかになりだした

おまけに
なんのイベントだか
駅向こうの公園では
打ち上げ花火

まわりは多少浮かれ気分で
ざわざわ

私は
実感はないものの
確実に
動き出して
変わっていくことに
胸のうちが
ざわざわ

春の陽

まだ、２月だけれど
春のような陽射し

柔らかな光の中で
生きるものすべての命のあたたかみがかんじられる

が、
春は逝ってしまった大切な友人の誕生日がやってくる
もういないのだけれど
ふと、彼女を思うたび
ふうわりとまわりの空気が優しくゆれる

もういないのだけれど
思えば
春の陽の中に
彼女はいてくれる

理由

奨学金の事務局から
現状と進路の調査書が送られてきた

次男は当然のように
進学に丸

私の今回の選択の大きな一因はこれだった

現実がせまってきて
やや、いやかなりげんなりしつつあるけれど

私には大義名分があったのだ

ないのに
買われた経験と技量を
絞り出し

しんどがらずに
さらりと向き合おう