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BICICLETTA NOKOの活動報告

TDH・メカニックレポート 第一ステージ

2008年09月11日 11時17分44秒 | Weblog
9月11日(木) 天気:晴れ 第一ステージ
いよいよ今日から「ツールド北海道」がスタートする。第一ステージは、
帯広市から上士幌町、足寄町、阿寒湖畔を通り標茶町多和平展望台に
ゴールする215kmという長丁場のレース。今年は残りステージで厳しい
登りが無いことを考えると初日にして重要な一日となる。
早朝6:00起床。選手達よりも早く食事を済ませて自転車の準備をする。
今日のスタート地点はホテルから近いので、選手達は踏んでいく事に。
昨晩遅くにマッサーの藤田さんも合流し、これでチームが全員揃った。




スタート地点に到着すると、早速、マッサーの藤田さんはマッサージを
開始。選手達の脚にスタートオイルを塗り、筋肉をさする。
今日は215kmの長丁場だが、補給地点が136,2kmの設定になっている。
ツールド北海道のルールでは原則サポートカーからの補給は出来ない
事になっている。他チームも困っているだろうなあ…と思っていたら、
MATRIXチーム監督・安原さんが代表となり、コミセール(審判)と交渉
して下さり、非公式ながら安全な箇所でのサポートカーからの補給が
認められた。こうしたリーダーシップは流石、安原さんだ。
マルコポーロの選手達にも、その事を伝える。選手も一安心。



私は車輪を持ち、スタート地点に移動しようしていた時、突然足元が
グラついた。地震だった。結構大きな横揺れがしばらく続いたが、
何事も無かったかのように選手達はスタート地点に向かう。



スタート地点で、マルコポーロチームの選手達が全員揃っている事を
確認。竹之内選手は、スタート直前にレーサーパンツが破れた!と
言って来る。一応、写真を撮り(↑)確認するが目立たないので大丈夫
と言って、スタートさせた。(笑)

レースがスタート。
選手達を見送り、急いでサポートカーに乗り込む。最初の数キロは街中
をパレード走行する。沢山の人が沿道で応援している。
ツールド北海道という自転車レースが、北海道の人達の中に受け入れ
られている事を実感する。これが「文化」というものなのだろう。


「ツールド北海道」は5日間6ステージを走るステージレースだ。
毎日のゴールタイムを合計して一番少ない時間でゴールした選手が
優勝となる。これがステージレースにおいて最も価値のある個人総合
優勝。毎日その日時点での総合1位の選手が「マラカイトジャージ」を着用
し、レースを走るが、最終ステージが終わった時点で、リーダージャージ
に袖を通す選手が優勝となる。
個人総合の他にも、KOM(キング・オブ・マウンテン)という登りのピーク
付近に設定されている地点を上位で通過すると、ポイントが与えられて
最終的にその合計ポイントが多い選手が、山岳賞を獲得する。
その他、HS(ホットスポット)という平坦路に設定されている地点を上位
で通過するとポイントが与えられ、その合計ポイントを競うスプリント賞。
各チーム上位3名までの選手の合計タイムで争う、団体総合優勝。など
の賞が用意されている。
当然、優勝を狙えるチームは個人総合優勝を狙って走るのだが、レース
展開やチーム事情によっては、最初から山岳賞やスプリント賞狙いの
チームもある。また一日だけのステージ優勝を狙うチームもある。
ロードレース、特にステージレースは、こうした各チームの思惑や作戦
が複雑に絡み合って進んでいく。結果、その作戦や思惑が上手くハマッた
選手(チーム)が勝つ事になる。

今回のマルコポーロチームは前日のミーティングで堂城監督が「一応、
ジャイを軸に選手各自で作戦を考えて走ってくれ。」と言っているので
チームとしての明確な目標は設定されていない。
とにかく今日のレース展開次第で、今後の走り方も変わって来るだろう。



レースの方は、スタート直後から細かいアタックが繰り返される激しい
展開になるが、どれも決まらずに大集団のまま走行。
約20km地点で、飯島選手(アンカー)、内間選手(鹿屋体育大学)が
集団から抜け出す事に成功。
二人の逃げが決まったことで集団は小休止。二人は一気に差を広げる
がまだまだ先は長いし、ゴールまでにはKOMが設定されている登りが
二ヶ所もあるので集団も様子見だ。



その後しばらくは平和な状態。北海道の雄大で牧歌的な風景の中を
進んでいく。本当に日本ではないような素晴らしい景色だ。
一つ目の登りを終えた約50km地点の下りの直角コーナーで数名が
落車とのアナウンス。各チームのサポートカーには受信専用の無線機
が取付されており、コミセールよりレース状況がアナウンスされる。
(*ラジオツールと言います。)
アナウンスを聞き、現場へ急ぐが幸いマルコポーロ選手はいない。
ラジオツールから先ほど落車に巻き込まれた選手のゼッケンナンバー
がコールされるが、その中に「152」リスが入っていた。大丈夫かと心配
するが集団に復帰したとの事だったので一安心。



ほどなくして小野寺選手が補給を受け取りにサポートカーまで下がって
来たので、ボトルを渡す。ついでにリスの状態を聞くが問題ないとの事。
小野寺選手はポケットと背中にボトルを詰め込んで、集団に復帰して
行った。
その後、逃げ続けている先頭2名を追走する2名が大集団からアタック。
ここでもマルコポーロチームは動かない。補給所を通過。マッサーの
藤田さんも無事補給を渡せたようだ。補給所を過ぎた140km地点の登りで
集団は一気にペースアップ。次々に集団から遅れだす選手が続出。
サポートカーで追い越しながら上がるが、何と小野寺選手が遅れている。
小野寺選手はMTBでは有名な選手。非常に登りが強いと聞いていたの
だが、集団から大きく遅れてしまう。「大丈夫か?」と声を掛けるが、
先で竹之内選手も遅れているので、そっちをサポートしてくれ。と言う
ので、更にサポートカーで追い駆ける。やはり竹之内選手も遅れている。
しかし竹之内選手の位置からは、まだ集団の最後尾が見えている。
何とか追付かせようとサポートするが、竹之内選手も限界。
集団との差が大きくなったので、前の選手達のサポートを優先する為、
捨てていく。何とか頑張って完走して欲しい。



この登りで集団は逃げを吸収し、レースは振り出しに。その後、オランダ
チームの選手が単独で逃げるが、ゴール前焼く40kmの二つ目のKOMで
吸収。ゴールまでは下り基調だ。ここで5名の逃げが出来る。
ラジオツールからのアナウンスでは、この5名の中にリスが入っている。
結局、この5名は最後まで逃げ切り、最後、美しい丘陵地の登りでの
ゴールスプリント勝負に。優勝はオランダの選手、宮澤選手(梅丹)が
2位。リスは最後少し遅れたものの5位でゴールした。
後続の集団は約1分20秒差でゴール。ジャイとフユも無事ゴールした。
遅れてしまった小野寺選手と竹之内選手は、残念ながらタイムアウト。
初日にして外国人のみの3名となってしまったのは想定外だった。
リスに落車は大丈夫だったか?聞くと、止まった所に後から追突された
との事。後輪はスポークが曲がり、激しく振れている。本人は交換
したばかりのフレームに傷が入ったと凹んでいた。



今日は距離が長かったので、ゴール時間が午後3:00頃。
今日の宿泊先は釧路市なので結構距離がある。外人選手3名と一緒
にサポートカーで移動。ホテル到着は午後5:00。
そこから作業を開始しようと思うが、水道が一ヶ所しかないので混雑
は必至だ。大会関係者に他の水場は無いのか?と聞くと、少し離れた
所のボーリング場の水道を借りれます。というので、急いで移動する。
こっちにはまだ誰も来ていないので、早速、洗車開始。



素早く洗車を済ませるが、北海道は日没が早く、すぐに辺りは薄暗く
なってしまった。自転車を乾かす間に、サポートカーであるレガシイ
も洗車する。こうした大会側が用意したサポートカーでもチームにとって
は宣伝になるのでキレイにしておく事が大事だ。
すっかり日も暮れてしまったので、ボーリング場の方にお願いして入口
の明かりの下を使わせてもらう事に。釧路の人は親切だ。



リスのホイールの振れ取りをし、ジャイの磨り減ったブレーキシュー
を交換、などなど諸々作業を行い。作業終了、午後9:00。
ホテルの食事は午後8:00までだったので間に合わず…。仕方なく
コンビニ弁当で夕食。
結局、ボーリング場の方には誰も来なかったので寂しかった…。