baobab seed

Go Bears!!

freedom

2007-08-29 20:58:51 | Weblog
特定の信仰を持っているわけではないけれど、教会が好きです。石造りのひんやりとした建物の中にいるとなんだか心が落ち着く。荘厳なパイプオルガンの演奏も良いけれど、教会の鐘の単純で乾いた音色のほうが気持ち良い。ミサが行われていないときのがらんとした教会の中で、ひとり熱心に祈りをささげていたり、物思いにふけった様子の人を見ると、この建物には何百年もの間いろんな人たちが吐き出した想いが詰まっているんだなと感じる。

* * *

進路も決着がついて、大学生活も残り半年となった今ごろになって、いろいろなことをひとり、リフレクションする。留学先や就職先を選ぶときなど、自分にとって大切な決断をするときは、納得行くまで考えて、責任を持つようにしてきた。「何か打ち込めることをひとつ見つけて、思い切ったことがしたい」と3年前に大学入学したときに漠然と抱いていた思いは、ある程度達成することが出来た気もする反面、「これで良いんだろうか」という気もする。

結局自分は臆病者で、「自分が安心していられる枠内」から踏み出ることを避けてきたのかもしれない。本気なら、自分の人生をかけてでも思い切った1歩を踏むことが必要だけれど、果たして僕にはそうする勇気があるんだろうか。それとも、そんな1歩は傍から見たらただの向こう見ずで無責任な行動に見えるのだろうか。少し極端だけれど。

脱・優等生 脱・教科書的-こんなポストモダンなマインドはこれから今まで以上に必要とされてくるはず。社会の中のまぁまぁなところで自分を満足させるか、思い切って枠の中から外に出てみるか。

「自由」はただでは手に入らない。自戒を込めて、そう思った。

Geneva

2007-08-28 23:23:33 | Weblog
25日土曜日。朝7時10分パリ発のTGVに乗って列車に揺られること3時間40分。8年ぶりに戻ってきたジュネーブの街並みは、ブランドショップが増えて少し街の雰囲気が華やかになったこと以外は、ほとんど自分の記憶のまま変わっていませんでした。レマン湖の噴水も、教会も、街中に響き渡る正午の鐘の音も、そのまま。



(写真1:いたるところにある時計メーカーと金融機関の広告が象徴的な街)

そして、5年生から7年生までの3年間を過ごした学校。8年前は芝生だった場所に新校舎が出来ていたりと少しバージョンアップした感はあるけれど、基本的に昔のままだったのがうれしかった。この学校で過ごした時間があるからこそ、今の自分があるといえるくらい、様々なバックグラウンドを持つ先生や友だちとの出会いがあったこの学校が本当に好きだった。



(写真2:Primary School のキャンパス)

とはいえ、英語がほとんど分からないままぽーんと親に送り出されて始まった学校生活は最初のうちは大変で、特に最初の秋学期の初日は子どもながらに不安で仕方なかった気がする。先生も、気を使ってくれて初めのうちは宿題を自分だけ簡単なものにして負担を軽くしようとしてくれたんだけど、それが嫌で意地はって、母親に手伝ってもらいながら結局全部やったんだっけか。そうこうするうちに文法とかめちゃくちゃでも英語がどんどん好きになっていって「tomohiroの言ってることが意味不明~」とかクラスメイトに文句言われてもお構いなしにクラスで好き勝手出来るようになっていったのかな。



(写真3:Middle School/High School のキャンパス)

今でも当時書いた自分の文章を読み返してみると、平気で"He have"とか書いているけど、文法の正しさよりも、内容や表現力を評価して伸ばしてくれた先生たちのおかげで英語を使うのが楽しくて仕方ないって思えるようになったんだと思う。勉強以外でもいろいろな宗教や文化的背景を持つ友だちから得られたことは本当に多かった。あいにく当日はまだ夏休みでキャンパスは静かだったけれど、またここに来ることが出来てうれしかった。



(写真4:グリュイエールの田舎町)

他にも、当時住んでいた家の近くを通ったり、少し遠出して山の景色がきれいなところまで行ってみたり、ジュネーブにある国連のヨーロッパ本部を見学したりと、いつになく思い出に浸った3日間になりました。なんだか、場所や建物は変わらなくても、もうそこに自分の生活空間はないんだと思うと、変な感じがしたけれど、不思議と寂しさは湧かなかった。なんだかまたここには戻ってくる気がするからでしょうか。



(写真5:国連ヨーロッパ本部。実はNY以外にも国連の本部はあるんです。)

雨模様

2007-08-23 10:47:05 | Weblog
昨日から続く雨で街中はいつもよりひっそりしています。2日前に1度だけ半袖でも大丈夫なほどに晴れたとき以外は、気難しめな天気が続いています。もう秋なのか、な。でもこの街にはカリフォルニアの突き抜けるような青空よりも、ちょっと薄暗い曇り空の方が似合う気がする。

ここでは特に決まったスケジュールがあるわけではないので、毎日好きな時間にふらっと街に出ては散策しています。ちょっと通りかかった教会に立ち寄ってみたら、その起源が6世紀まで遡れるものだったりで、街全体が博物館のようで楽しい。歴史に折り重なるようにしてこの土地に人びとが暮らしてきたんだと思うと、なんだか感慨深いものがあります。

あーでも卒論やらねば。。心配していた父親のバグダッド出張も、無事終わって今朝家に帰ってきたので、これで安心して卒論にも取り組めるかなー。

涼しい→寒い

2007-08-20 23:56:55 | Weblog
日に日に寒くなっていくパリ。初めは涼しくて快適だったけれど、今日は寒くて上着を羽織っていても風邪を引いてしまいそうな陽気でした。街を歩いている人たちもみんなコートを着ていて、まだ8月なのにすっかり秋めいてきています。猛暑の日本に冷夏のフランス。異常気象が肌で感じられて、思わず空を見上げてしまう。それでも街中至る所にあるカフェでは歩道に面したテラス席でねばっている人たちが多く、寒さなんてお構いなしに昼間からワインを楽しんでいるようでした。

やはり場所が変われば、それぞれに違った風景があるなと最近感じる。アメリカだったらこの天気なら街はコーヒーを片手に歩く人たちで溢れていそうだけど、大西洋を隔てると、コーヒーはあくまでも椅子に座って飲むものらしい。日本やアメリカでは日曜日でも普通に開いているデパートも商店も、昨日はどこもすっかり閉まっていました。

街の人たちの服装も、セーターやコートなどをきちっと着ている人たちばかりで、アメリカでは良くも悪くもみんなが着ている愛すべきパーカー姿の人はほとんど見当たらない。今日唯一見かけたパーカーを着た少年は、アメリカ人観光客でした。そんな中、昨日近所の朝市までふらっとCalのパーカーを着て歩いていたら、横断歩道ですれ違いざまに"Go Bears!"って声をかけられて、思わず笑ってしまいました。世界に広がるアラムナイの輪?

ちなみにその声をかけてくれたアメリカ人のおじさんがパーカーを着ていたかどうかが…思い出せない。でもきっと着ていたと信じてます。

il pleut

2007-08-19 10:22:53 | Weblog
昨日は昼過ぎからぶらぶら街を歩いてみた。セーヌ川、凱旋門、ルーブル美術館にシャンゼリゼ通り。どれも家から歩いていける距離にあって、パリ市内は意外とコンパクトだと思った。観光シーズンの今は、街中を歩いていても観光客ばかりで、英語、ドイツ語、日本語、イタリア語といろいろな言葉が聞こえてきます。地元の人たちはそんな観光客を尻目に夏は市内から離れて、たっぷり1か月くらいのバカンスを楽しむのだとか。なんと優雅な生活。僕には来年から夏休みなんてあるのでしょうか。。

今朝起きたら雨がしとしと降っていて、時間の流れが普段よりゆっくりしています。本当は散歩にでも出かけるべきなんだろうけど、朝起きたら何よりもまずPCを開いて、ひと通りメールチェックなどを済ませるのは何処にいても同じだと気づいた。観光スポットがいたるところに散りばめられているパリですが、まぁ慌てずゆっくり開拓していこうと思います。

paris

2007-08-18 17:54:19 | Weblog
酷暑の東京から冷夏のパリへ。朝は半袖シャツ1枚では肌寒い空模様。

12時間でユーラシア大陸上空をかっ飛ばして飛行機がシャルル・ド・ゴール空港に降り立ってから、なんとも言えない懐かしい匂いにつつまれています。空港を漂う古臭い建物の匂い、ちょっとキツめのトイレの芳香剤の香り、街行く人々からの淡い香水の香り、そして家の冷蔵庫を開けたときにぷーんと漂うチーズの匂い。

築100年以上も経つ建築物が立ち並ぶパリの街並みの印象は、想像していた以上にこじんまりとしていて、控えめな感じ。街を迷路のように繋いでいる小道には、いくつもの小さな店が構えています。

ちょっと古くて、気難しい。この落ち着いている街の雰囲気に、小さいころの記憶がどんどん呼び覚まされていくようです。パリに来るのはほとんど初めてなのに、ヨーロッパにはなにか共通する空気みたいなものがあるのだろうか。なんだか本当に懐かしい。久しぶりの家族4人での生活もうれしいし、短い間だけど、今回の滞在を楽しみたいな。

待ちに待っていた、8年ぶりの、ただいま!

ゼミ合宿

2007-08-16 22:42:33 | 学校
卒論ゼミの合宿で箱根に行ってきました。芦ノ湖のあたりは夕方涼しくて、うだるような最近の東京の暑さからしばし解放されて快適でした。日本の山は緑が多くて、なんだか安らぎます。

全員で10人集まった今回の合宿では久しぶりにアカデミックな議論をして、頭を使ったし、院生や他の4年生の研究内容も知ることが出来て楽しかった。やっぱり他の人からの建設的な批判は大切だと実感。ひとりでリサーチを進めているとどうしても視野が狭くなってしまうし。2日間だったけれど、みんなと勉強以外の話もたくさん出来て、温泉も入れたし、充実した合宿でした。これで満足せずに、残りの夏休みも頑張ろうっと。

少し慌しいですが、明日からちょっくらパリに行ってきます。あれだけやるって決めていたフランス語はとっくの昔に脳みそから抜けていますが、楽しみ。

gyusuji dinner

2007-08-12 23:14:14 | Weblog
牛筋がおいしくて最近はまっています。あの、じっくり煮込んで、トロトロになった肉の美味しさ。醤油の味が牛筋肉に良くしみていて、ビールに合います!夏の暑い夕べに、兄弟でビールを飲みながらのgyusuji dinnerなんて、若干おじさんくさい気がしないでもないですが。

この1週間は友だちと会ったり、大学に行って留学中取得した単位の編入手続きを済ませたり、内定先の会社の同期の人たちとの懇親会などがありました。法人金融部門の来月からの移転先である新丸ビルのオフィスの見学などもあって楽しかった半面、来年から自分がそこで働くことになるんだと思うと冷や汗が出てきた。エレベーターの中にまで、ブルームバーグがモニターで配信されていたのにはびっくり。まさに24時間マーケットの動向をチェックする日々になるんだろうか。未だに日経新聞を読んだことがないなんて、恐くて冗談でも打ち明けられません。

まだ工事中だったオフィスも、完成すればワンフロア仕切りが全くないオープンなものになって、デスクもひとりあたりの面積が広くて、働く環境としては申し分ないと思う。そんな自分の未来の仕事場を前にわくわくしながらも、正直「大変なところにきちゃった」感が濃厚でした。とは言え、初めて会った同期の人たちはみんな良い人だったし、少人数な分、うまくやっていけたら良いな。

来週はいよいよ卒論合宿。研究の進捗状況が思わしくないので、これから挽回しないと。やはり僕は追い込まれないと集中出来ない性質みたいです。

そして、金曜日から大学が始まる直前の9月4日まで両親のところに遊びに行ってくることにしました。8年ぶりのヨーロッパにドキドキしています。

ナツバテ

2007-08-05 22:39:47 | Weblog
アツイ。改めて言うことではないけれど、日本の夏は本当に暑いね。この湿気と気温に気力までも奪われるようで、来週に迫ってきている卒論の研究経過報告の準備もなかなか進みません。暑いからといって、空調の利いた室内に1日中いるのも不健康だし、かといって外に出かける気もあまり起きないし、この暑さをどう対処したら良いのやら。

最近は家で過ごす時間が長い分、息抜きにDVDや自分の本棚に眠っていた本をランダムに乱読したりしているんだけれど、偶然にも「研究者」をテーマとしたものがふたつあって、自分も卒論研究中ということもあり少し考えさせられた。

ひとつは歴史学者の入江昭氏が自身の半生を綴った『歴史を学ぶということ』。戦前に生まれた彼は東京の高校を卒業した後、終戦後間もない1953年に単身でアメリカに渡りハヴァフォード大学で学び、その後もハーバードで歴史学のPh.D.を取得した米国外交史・国際関係史の研究者。本からは、今のように留学が一般的でない時代にアメリカという新しい土地で送った彼の大学生活の大変さや充実した点が良く伝わってきた。正直、学部の1年間という限られた時間の中でもそれなりにハードだったと思われる僕の留学生活とは比較にならないくらい厳しい環境の中努力してきたんだろうなと感じた。入江さんに限らず、昔の人は(といったら失礼だけど)やっぱりすごい勉強したし、ある意味使命感を持って若い頃から生きてきたんだと思う。

ふたつ目はアカデミックではないけれどグウィネス・パルトロウ主演の「Proof of My Life」。結構良い映画だったけれど、クレージーでギークな天才数学者という主人公の設定と、その主人公に恋するシカゴ大Maths Ph.D.の学生(Jake Gyllenhaal)とふたりの間で進展するラブ・ストーリーという内容が、「A Beautiful Mind」と「Shakespeare in Love」を足して2で割ったような感じでした。内容よりも、その分野で高い実績を残す人たちっていうのは、(もちろんみんなとは言わないけれど)ちょっと正気じゃいられなくなってしまうくらい数学だったり音楽だったりに取り組むんだと思った。バークレーでも、先の見えない研究生活に嫌気が差したと言ってちょっと落ち込み気味だった友達もいたし、研究者として生きていくのは半端な覚悟ではやっていけなそうだ。

とまぁ、そんな人たちに比べたら、夏の暑さくらいでslacking offしている自分が情けないです。能力も才能も平々凡々な自分はその分努力しないと自分のやりたいと思っていることなんて出来っこないんだーと活入れてこれから頑張ります。

うちの晩ご飯

2007-08-03 20:25:33 | Weblog
両親が旅立っていって早2週間。「掃除、洗濯は大丈夫だけれど、炊事は…」と言う具合に、それまで僕の1番の懸念事項であったご飯事情ですが、やってみれば意外と出来るもので、最近はアイアン・シェフぶりを発揮しております。

今日は、冷しゃぶの酢味噌がけとラタトゥーユ。昨日は牛すじの醤油煮込みにマグロとアボカドのサラダ。結構おいしく作れた 笑!!



レシピは母親が出発前に何かと「取りあえず食べるものに困ったらこうちゃんレシピを見て!!」と薦めてくれたこうちゃんの簡単料理レシピからです。「こうちゃんって誰だよ??」という感じでしたが、確かに便利なブログでした。

とは言え、朝起きて掃除機をかけて、ゴミ捨てして、洗濯機まわして、買い物いって、ご飯作って…としているとあっという間に1日が過ぎていきます。このままでは今月中旬にある卒論のゼミ合宿の準備が間に合わない予感。時間をもっとうまく作っていかなくては。

生活ってこういう風にしていくんだと買い物帰りにスーパーの袋提げて歩きながら良く思うこの頃。主婦(夫)ってすげーと思います。