紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

ドアノーを見に行く

2009-02-20 17:47:03 | アート
 ふきのとうを採取した水曜日の午後、思い立って1時に家をでて、2時前には京都駅。3時の電車で帰った。京都の「駅美術館」で開催されている「パリ・ドアノー」の写真展のクローズが今週の日曜までだったので、ご招待券を持っていた私は、なんとしてもいかねばならなかったのである。

 アトランダムなシャンソンが流れる会場は、ほどよく賑わっていて、ぎっしりと写真パネルの展示があり、もう気分はパリ町中の人である。ロマンチックな写真も撮るが、下ネタ好きな子どもがそのまま大人になったようなお茶目な写真もある。でもセンスもユーモアもあるので嫌みが無い。

 「不遜なハトたち」という数枚の連作写真の前で、思わず笑ってしまい、慎みのないところを図らずも披露してしまった。PTA的には「やあねえ」と顔をしかめるべきなのだが、あんなにPTA活動をしたにも関わらず、世に言うPTA的な人にはなれなかった訳である。もっとも私は自分の子どもがお世話になってるからという恩返し的見解や、子どもたちのためにという奉仕の精神で活動していたわけではなかったので、いたしかたないのかもしれない。

 「不遜なハトたち」という連作は、元帥や将軍などの軍人の像の頭部を汚染しつつのっかるハトたちを写したもの。像の中の一人は全裸だったので、ありえない場所にとまっているとんでもなく不届きなハトさえも。

 他にも子どもたちやお年寄りやカップル、解体される直前の活気に満ちた市場が生き生きと写されている。アパルトマンの住人たちをそれぞれ部屋ごと撮って、それをアパルトマンの写真にはめ込むコラージュという、凝った手法もある。パリの象徴、エッフェル塔の写真もエスプリがあって楽しい。コンコルド広場を行き交う人々、麗しの流しのアコーディオン弾きの女性、橋を渡る人々。あまりいい思い出はない場所なのだが、なんだかパリが好きになりそう。

 でもやっぱり一番面白いのは、ギャラリーのウインドウに飾ったお尻むき出しの絵画を見る行きずりの人々のさまざまな表情! にやにやするおじさん、顔をしかめるおばさん、わざと違う絵をみるご夫人とそのとなりで嬉しそうにお尻を凝視する夫君。なぜか驚く女性もいたな。

 というようなかなり乱暴な感想だけれど、いっとき、本当にパリの下町にいる気分を味わえた。お茶目で可笑しくて、古き良き時代のパリの郷愁もあって、ロマンチックな気分も味わえて、強引に行った甲斐がありました。
ドアノーのパリへの愛がいっぱいなドアノーの目。22日までです。

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