時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

感受性は飛んで行く

2008年12月06日 | 音楽活動
最近、歌のネタにしたい題材が中々ない。

思えば、高校生の頃なんて、一日に何曲も作ったりしていた。
多い時は一日に5~6曲作ることもあった(日曜日など)。一番、多作であった時代だろう。
小学校の頃に自分で漫画を描いて、それに主題歌を作って遊んでた頃の自作曲から数えると、今では自作曲の数だけはゆうに1000曲は越えるだろう。確実に。

でも、今は一日に5~6曲作るなんて、絶対ムリ。今思うと、高校の頃の自分は,一日によくそんなに作れたもんだ・・と半ば呆れてしまう。
なんで、今はあまり作れなくなってしまったんだろう・・と、時々考える。

仕事などのせいで余裕(時間)がない・・ってのもあるだろうし、感受性が薄れてきている・・というのもあるだろう。
作る曲に対する自分の中の基準が高校の頃よりは高くなってるので、安易には作れなくなった・・というのもあるだろう。
もっとも、自分の中の基準が高くなってるとはいっても、せっかく作ってもお蔵入りしてる曲は相当あるんだけどね~。


また、ネタをピックアップできなくなっている可能性も高い。
高校の頃ならピックアップできた題材でも、今ではピックアップする気になれない・・ということ。
あるいは、高校の頃なら見つけられた題材に、今は気づかなくなった・・というのもありそうだ。

例えば、高校の頃は、トイレに入れば、もうそれだけで歌になった。
バス停で、通学のためのバスがやってくれば、それを歌にもした。
眠ければ、それを歌にした。雲が流れれば、それが歌になった。
憧れのミュージシャンへの思いは、歌になりやすかった。
恋愛でもしようものなら、歌の大量生産ができた。
学校への不満、親への不満、友への色んな思いなんかもすぐに歌にできた。
町のちょっとした風景にも反応し、それは無意識のうちに歌になった。
旅になんて出なくても、空想の旅で歌が何曲も作れた。
その他、その他。

今ではどうだろう。
「すでに、その題材は、昔歌にしている」という感覚もあるから、題材に出会っても(気づいても)、今更それをピックアップしたりはしない・・・そんなケースが多い。
昔作った歌は、今作る歌よりも稚拙。だから同じ題材でも、今の感覚で作り直せばいいのだ。
でも、中々それをやらない。

なぜか。

確かに昔作った歌は、今作る歌よりも幼稚だし稚拙ではあるのだが、歌詞になった「感じ方」が今の感じ方よりも瑞々しくてパワーがあったりするのだ。だから・・だなあ。
今その題材をピックアップして歌詞にすると、余計な比喩を使ってみたり、意味深にしようという色気も働いたり、わざと分かりにくい言葉使いをしたくなるかもしれない。

でも、そうやって曲が完成しても、それは聴き手にとっては「単に気取ってる」だけにしか感じられない可能性もある。
また、インパクトも落ちている可能性は高い。飾りは多くても、中心をつらぬく柱が弱くなりそうだ。
だから、当時取り上げた題材を再び取り上げて歌にすることはめったにない。
全くないわけではないけどネ・・。

新鮮な体験をし、新鮮な光景を観て、新鮮な感じ方をすれば、それは歌の題材になりやすい。
でも、見慣れた光景や体験をあらためてピックアップすると、そこによほど新しい感じ方がない限りは、それは歌としては完成しにくい。
仮に作ろうとして手がけても、途中で歌詞などが続かなくなって挫折する。

何事も新鮮に感じられた頃・・ということは、それをそれ以前にはあまり体感&体験してなかったからこそだろう。
だが、生きていると色んな体験をすることになるし、色んなことも(余計なことも含めて)分かったような気になってくる。
歌作りに限らず、何かを作ろうとしたり表現しようとする場合、それは邪魔になったりする・・。

つくづく、瑞々しい感受性と、人生体験の多さを両立させていくことの難しさを感じたりすることがある。


そういえば、先日「天才」というものに関するネタを書いたのだが、天才と呼ばれる人たちは、その辺の兼ね合いは、どうなんだろう。
こればかりは、一度自分も天才になってみないと分からないのかもしれない(笑)。

ちなみに、天才の中には、その辺の兼ね合いの中で、廃人みたいになっていくケースも・・・ある。
天才が天才としてのひらめきを維持するために・・天才であり続けようとするために、薬などに頼ったりして。
天才の中には、それまでの経歴をリセットしてしまうような衝動的な行動をとって、短い間の活動期間で終ってゆく例もある。

そんな危険性も考えると・・・自分はやはり凡人でよかったのかな~?(笑)


なお、写真は、高校時代の作詞ノートのうちの一冊です。

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