昔の駄菓子屋では、色々なものが売られていた。食べ物だけでなく、玩具もあった。
玩具の中で一番人気があったのは銀玉鉄砲だった気がするが、パチンコも人気あった。
この場合、パチンコとはいっても、今で言う「パチンコ屋」のパチンコとはちと違う。
フタまたの器具(?)にゴムがついていて、そのゴムの弾力を利用して、ものを飛ばす玩具だ。
動力(?)がゴムとはいっても、ある程度の威力があった。なので、今考えると、けっこう危険な玩具ではあった。
今の子供がうかつに使って、それで誰かにケガを負わせてしまうと、けっこう問題視されそうではある。誰かにケガをさせる可能性がある玩具だ。
当時私は何度かこのパチンコで遊んだけど、その時パチンコで何を飛ばしてたかというと・・・小さな石だった!
今考えると、恐ろしい。小さくても、石がもし人に当たったら・・・と思うと・・。
たとえ当てるつもりがなかったとしても、何かのはずみで当たってしまったら、当たり所が悪いと大変な事態になってもおかしくない。特に、誰かの顔にでも当たったら。
でも、当時子供だった私は、ちょっとした武器を手に入れた気分で、持つとなにやら少し強くなったような気分になった。
まあ、実際多少なりとも「武器」としての側面はあるから、その気分は多少なりとも間違いではなかったのだろう。
駄菓子屋では、パチンコみたいな「武器系の玩具」としては、他にもあった。
例えばブーメラン。もっとも、駄菓子屋で売ってたブーメランは、プラスチック製だったかビニール製だったか忘れたが、あった。ビニールといっても、ソフトビニール人形みたいなものだったと思う。
それでも、誰かに当たればケガをする可能性があるので、それも危険といえば危険だった。
同じような素材で、手裏剣なんかもあったように思う。透明のビニール袋に入れられて、天井からつりさげられて売られていたような気がする。
どれも子供用のチープな玩具ではあったが、どれも顔に当たれば怪我の元ではあった。
だが、その中でも、パチンコは、なまじ勢いがあるだけに、一番危なかったかもしれない。
最近は駄菓子屋自体がほとんどないせいもあってか、パチンコなどで遊ぶ子供は見かけない。
もっとも・・今のご時世なら、そういう遊びは親が許さないのでは。
というか、実際親がパチンコを危険視して、駄菓子屋からパチンコが消えた・・・という話もある。
気持ちは分かるが、私の記憶では、パチンコが駄菓子屋で売られていた時代、パチンコで誰かを怪我させたという「事件」は・・・少なくても私は耳にしたことがなかった。
私自身はもちろん、友人たちにも、そういう話はきかなかった。
きっと、ちゃんとそのへんは、当時の子供はわきまえていたのではないだろうか。
私自身も、子供心に、それが誰かに当たったら大変なことになるのは幼心に分かっていたと思うから、決して人に向かって使ったりはしなかった。
だいいち、そんな事件を起こしたら、パチンコそのものが禁止になってしまう。そのへんのことを、無意識のうちに子供たちは分かっていたのだと思う。
もし今、駄菓子屋などが昔のようにたくさんあって、気軽にパチンコを買って遊べる環境だったとしたら、どうだろう。
子供たちは、パチンコで、誰かの顔を狙ったりするだろうか。そのへんは分からない。
ただ、昔に比べ、子供は「加減する」という意識が薄らいでいる気はする。
だから、それが実際の怪我や、ひどい時は「死」につながったりもしている。いじめなどで。
加減する、自制する・・・ということが、薄らいできてるのだとしたら、パチンコが禁止されるのは仕方ないのかもしれない。
結局は、「自制する」「加減する」という意識がないと、いくつかの遊びが禁止されたりして、それは自らの楽しみを奪ったり、首をしめる結果になるのだろう。エスカレートは禁物なのだ。
ちなみに・・・ファミコンの時代に、「ウルティマ」というRPGがあったのだが、そのゲームでのプレイヤーキャラの最初の武器がパチンコだった。
パチンコは武器としては飛び道具(?)だし、敵がこちらに近づいてくる間に遠距離から攻撃できるのはいいのだが、モンスター相手では威力が弱くて頼りなかった記憶がある。
ただ、その場合、ゲーム中では、敵を倒すことを目的で使ってるわけだから、そうなるのも仕方なかった。だが、敵でもない一般人相手にいたずらみたいに使ってしまったら、そりゃ問題にはなるよね・・。
ふと思ったのだが、パチンコの競技ってないのだろうか。
調べてみたら、競技用のパチンコって、ちゃんとあるんだね。「スリングショット」という名称で。
競技や狩猟に使うものらしいので、威力はかなり強力らしい。そうか、狩猟にも使える威力なのか。だとしたら、これは危険だし、物騒でもある。
こういう本格的なもので、誰かにケガでもさせてしまったら・・・そりゃ罪になるのも当たり前だね。
まあ、そういう本格的なものはともかく、駄菓子屋のパチンコは、手軽で楽しかったのは確かだった。すぐに壊れてしまうチープさはあったけれど、今思えば、それも御愛嬌ではあった。なにせ、駄菓子屋で買えるものの値段は、普通のお店で売られている商品の値段の相場よりグッと安かったから。
だからこそ、子供たちの味方ではあったのだ。
ちなみに、その玩具パチンコは今でも買えるようだ。駄菓子屋で売られていたようなパチンコが。ただ、同じような玩具でも、普通の店や通販などで買うのと、駄菓子屋で買うのでは、なんとなく「気分」が違うように思える。
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