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 時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

「復活の日」という番組を見て

2019年03月30日 | レビュー(テレビ、ゲーム、本、映画、その他)

 

 

2019年3月28日、NHKで「復活の日」という番組が放送された。

出川哲郎さんが、すでに故人になっているお母さんと再会して話す・・・そんな企画の番組だった。

もちろんお母さんは故人であるからして、今この世には実在しない。

なので、どんな形で再会をするのだろう・・そう思って、試しに見始めたら、つい見入ってしまった。

 

以前何かの番組で、すでに故人である立川談志さんと勝新太郎さんをアンドロイドロボットみたいな形で再現し、今生きてる人と会話させる番組があったのだが、そういう形で「再会」させるのかな?と思っていた私だったが、「復活の日」はCGでの再現であった。

暗いスタジオの中に入って椅子に座った出川さんの前には、大きなモニター画面があった。

そしてそのモニター画面の中にも椅子があり、モニター画面の奥の暗みから現れた亡きお母さんのCGは、穏やかな表情を浮かべてその椅子に座り、目の前の出川さんと対面。

 

CGで再現された「お母さん」は、リアルタイムで出川さんと普通に会話ができた。

お母さんの声は、清水ミチコさんが担当し、なおかつその声はデジタル加工(?)されており、清水さんが語っているという感じはしなかった。

きっと、親族の情報を得て、デジタル加工で声質をお母さんに似せていたのであろう。

なにより感心したのは、そのお母さんが、出川さんのこれまでの人生での日常の細かいことまでよく語っており、それこそ出川さんのことを子供の時から知っている家族じゃないと知り得ないような思い出に関することを出川さんと会話していたこと。

 

清水さんが出川家の過去の細かいことまで知ってるはずはないので、スタッフが出川さんの兄弟に取材して、こと細かに調べあげ、それを清水さんに情報として伝えたのだろう。

じゃないと、あんな会話ができるはずがない。

 

 

出川さんはお笑い芸人。なので、悲しみや切なさなどからくる涙は、本当は似合わないはず。

本人もお笑い芸人としての自身のキャラをそれなりに貫こうとしてたのだが、後半はさすがに涙目。うるうるが止まらないでいた。

特に、昔お母さんが出川少年に作ってあげていたであろう「味噌おにぎり」が出た時には、込み上げる感情と涙で絶句。

「こんなの出されちゃ・・」・・そんな心境だったのだろう。

 

実は私の幼い頃も、母がよく味噌おにぎりを作ってくれていた。

単に白いご飯を握り、それに味噌をぬっただけの超シンプルなおにぎりであったにも関わらず、私は大好きだった。

中に何か具が入ってるわけでもないのに。

たくあんの一切れでも付いていようものなら、ごちそうに思えた。

 

私の母が昔私に握ってくれた味噌おにぎりと、この番組で出川さんが出された味噌おにぎりは、そっくりだった。

同じ、、、と言ってもいい。

味噌の塗られ具合や、ご飯表面上の味噌の塗られかたのムラのある感じなど、同一。

そう、全然たいしたおにぎりじやないのだ。でも、、、これがうまかったんだよなあ。

私も母の味噌おにぎりは少年時代以来食べてない。

出川さんは、出された味噌おにぎりに懐かしさと切なさで号泣だったが、このシーンは私自身が食べてた味噌おにぎりと記憶がかぶり、私も切なかった。

 

最後には、生前お母さんに伝えたくて伝えられなかった「ありがとう」の言葉をお母さんに伝え、その後お母さんはモニターの奥に立ち去っていき・・・そして消えた。

モニターの中のお母さんが椅子から立ち上がり、モニター画面の奥に後ろ姿で立ち去っていき、そして消えていく様を、出川さんは万感の思いで見送っていた。

その姿が、視聴者である私には特に印象深かった。

 

この番組を知った時、当初の私は「お涙ちょうだい」っぽい企画のような気がして、見るのは避けようかと思っていた。

また、見始めた序盤、この先は出演者や視聴者を泣かせにかかっていきそうだな、、とも思って、チャンネルを変えるかもしれない、、、とも思った。

 

だが・・亡きお母さんをどのように再現するのか、そして出川さんと亡きお母さんをどのように対面させるのかには興味もあったので、見始めたのだったが・・・出川さんと亡きお母さんの会話が、あまりにも「かみあって」いるので、途中から目が離せなくなってしまった。

 

 

この番組を見て、もし自分も死んだ親父にこうした形で対面したら、どんなことを思うだろう、どんなことを話すだろう、どんなことを伝えたいだろう・・・そんなことを考えてしまった。

 

確かに「お涙ちょうだい」みたいな要素もなくはなかったが、あまりにも出川さんとお母さんの会話がリアルだったため、切なかった。

 

肉親を亡くしてしまっている人にとっては、反則のような切ない番組だった。

心の痛点・情点をピンポイントに突いてくるような内容で。

 

死んだ肉親とのトーク番組・・・・そういう番組であった。

 

バーチャルで死者を生き返らせる・・・今後そういう番組が増えていくのだろうか。

バーチャルは、命をも超える・・という時代に?

バーチャル、恐るべし。

 

 

あなたに、もし亡くした親がいたとして、こういう形で再会して話すことができたら・・・

どんなことを思うだろうか。

どんなことを話すだろうか。

どんなことを伝えたいだろうか。

 

そして・・

 

最後に、もう二度と会えないと思っていた親と再会し、話し終わってその親が画面の奥に向かって歩いていき、だんだん消えていく姿を見つめる時に、どんな表情をするだろうか。

 

ちょっとでいいから、そんな光景を想像してみてほしい。

 

 なお、写真は番組とは関係ありません。あくまでもイメージです。

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (鮎川愛)
2019-03-31 13:43:01
この番組で、出川哲朗さんは、さらに好感度を上げましたね。

慈愛と思い出溢れる母親の前には、「いつも笑顔で、他人をも笑顔にする」お笑い芸人という立場など、風前の灯火ですよ。


一方、出川哲朗さんのお母さんの声を演じられた清水ミチコさんも役目を果たした後、いろいろ感極まって号泣だったのではないでしょうか?


この『夢の時間』企画は、芸能人だけでは、もったいないですね。

一般人でも、体験志願者を募り、数人が今は亡き愛する方々との再会を実現すべきです。

現在、本当につまらないテレビ番組があまりに多いので、一般人も交えた、そういうテレビ番組作製に期待しています。
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Unknown (だんぞう)
2019-03-31 19:34:54
そうですね、この番組での出川さんを見て、出川さんへの好感度を上げた人は多かったかもしれません。

お母さんの声を担当したミチコさんは、番組を終えてどんなことを思ったのか、、、ちょっと聞いてみたい気がします。

この企画が今後も続くのかどうかはわかりませんが、一般人だとお涙ちょうだい的になりすぎないか、ちょっと心配かも。


なので、番組関係なく、こんな企画を体感できる機会があれば、私も体感してみたいです。
となると、イタコ頼みになってしまうかもですね。
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