私が歩いて行ける範囲の中に、かつて浮世絵で描かれた場所が数カ所ある。
今住んでる場所に引っ越してきた時は、それには気付いていなかった。
だが、その後、浮世絵の本や、古地図の本などを読んだり見たりして、いくつかの場所が私にとって身近な場所であることに気が付き、驚いた覚えがある。
さらに、その場所の当時の地名の由来などを調べると、そこに眠っている悲しい過去がわかってきたりすることもある。
浮世絵で描かれた風景と、今の風景は、まったく違う。
だが、かすかに、地形そのものは面影があったりする。
今はかすかに残された「地形」に、当時の面影を偲ぶしかないのだが、同じ景色でも、その場所がかつて浮世絵で描かれ、当時がどういう風景だったかを頭に入れながら現在のその景色を見ると、なにやら違って見えてくるから面白い。
例えばかつて池などがあったであろう場所は今ではすっかり埋め立てられて、建物が立っていたりするが、その場所の建物をどかして、地面を掘れば、かつての風景の名残が埋まっていたりしないかな・・などと妄想したりする。
もちろん、今現在その地に立っている建物をどかすことなどできないのだが(笑)。
浮世絵で描かれた場所だけでなく、さらに興味を広げて、その場所近くの昔の風景や、その場所に今もあるお寺の由来などまで調べていくと、さらに興味深くなる。
由来の中では江戸時代の大事件に繋がった事件の首謀者や、その事件の悲しいいきさつなどを知ることもあり、今も残るそのお寺に対して特別な思いを持つことになる。
で、ふとその場所で空を見上げてみたりすると、空は昔のそういう悲しい出来事を全て見てたのだろうな・・などという思いにもなり、時にはそれが歌の題材になりそうな気にさせられたりもする。
まだ、そういう歌は作ってないけど、いつか作ることがあるかもしれない。
こればかりは、無理に作ろうという思いはない。あくまでも自然にわき上がってきたものを大事にして作りたいものではある。
テレビ番組で、昔の浮世絵で描かれた場所が今現在どうなっているかを検証する番組が、たまにある。
私はそういう番組はけっこう好きなので、そういう番組を見つけると、見入ってしまうことは多い。
普段見過ごしているような「何気ない風景」が昔は浮世絵で描かれた場所であったりすると、一見何の変哲もない普通の風景が、ちょっと感慨深い思いで見えてきたりする。
現場にいると、他の場所とは違った、ある種「特別感」を持って眺めてしまうだろう。
ただ、昔の風景と今の風景があまりにも違っていたりするし、面影を探すのが難しいこともあり、あとはそれを見る人の想像力を膨らませるしかない。
ただ、その場所が昔はどういう場所だったのかを知った上で見るのと、何も知らないで見るのではけっこう違う。
というか、その場所がどういう場所であったのかを知らないでいると、何かのきっかけでその場所の前を通ったとしても、気にもとめずに通り過ぎるであろう。
その場所が昔どういう場所であったかを知る・・・ということは、現場にいると、ちょっとした「心のタイムスリップ」「心のタイムトリップ」感覚を感じることができることがある。
古い歌のタイトルで例えれば、時空版の「心の旅」。
ちなみに、画像はこの日記で触れた場所ではありません。あくまでもイメージです。
だんぞうさんの場合、歴史的に大変貴重な地域に暮らしておられるのですね。
浮世絵となった現地と現在地を絶え間なく見てきたのは、「天」「大空」です。
もし楽曲になる構想が出来てきたら、仮題でも構いませんので、「空は見ていた」等とされては如何でしょうか?
尚、私が暮らしている町は、100年以上昔は、雑木林であった確率が極めて高く、ちょっと残念です(笑)
ただ、近くを流れている小川だけが全てを見てきました。
それをある程度推測できるのが古写真であったり、古地図であったり、地形だったりします。
写真がなかった時代の風景は、残された資料と我々の想像力で想像するしかないですね。
でも。ロマンみたいなものも感じます。
私の住んでる場所の周辺には、どうやら武家屋敷があったみたいです。
天や空が当時の様子を教えてくれるといいのに(笑)。
そういう曲ができてたらアルバムに収録してたかもしれません。