
本屋で見つけて、少し中身を見て、衝動買いしてしまった1冊。
CDジャーナルのムックで「ニッポンの歌」という、割と厚めの本である。
よく「日本の名曲」などのテーマで、日本の名曲のランキング系のテレビ番組が作られるが、そこでセレクトされる曲や歌手は、大体いつも同じ曲だったりもしたし、歌手もそうだった。
そういう点に違和感を感じて、作られた本がこれ・・との説明に、私はおおいに共感を感じた。
実際私も、テレビなどで放送される「日本の名曲ベスト100」みたいな番組に、違和感と、馴染めなさを持ち、自分の感覚と距離を感じ続けていたので、こういう本は「待ってました」という感じだ。
これは、基本的に音楽関係だけでなく音楽関係以外の様々な分野の人にも「あなたの選ぶ日本の名曲」というテーマでリストアップしてもらい、さらにそのリストに選者のエッセイなどが添えられている。
なにしろ、各界の人が選ぶ曲が、バラエティに富んでいるし、そこには定番の「日本の名曲」番組には選ばれそうもない曲も多数選ばれている。
そこが楽しいし、共感も覚えた。
なんてったって、冒頭部分に掲載されている、「ニッポンの名曲」のベスト10のラインナップが痛快。
普通なら「上を向いて歩こう」あたりが1位になるのが定番なのだが、この本では1位は別の曲。
1位はなんと、「帰ってきたヨッパライ」である。
「上を向いて歩こう」を2位に押さえ、「ヨッパライ」は1位になっている。でも、「ヨッパライ」の登場時の衝撃や、その後の日本の音楽界に与えた影響を考えると、極めて妥当な気もする。
「ヨッパライ」のような曲が「日本の名曲」の1位に選ばれたのが、私にとっては快感であり、痛快であった。
で、ランキングを見ていくと、泉谷の「春夏秋冬」や友部正人の「一本道」なども出てくる。よくあるテレビ番組の「日本の名曲ベスト100」とは一味違う。
中には相当ひねった選曲をする人もいた。
で、こういう本を読んでいくと、ついつい自分も自分なりの「ニッポンの名曲」を選びたくなった。
そこで・・選んでみたのだが、これが実に楽しい。だが楽しいと同時に難しくもあり、辛くもある。
というのは、選ぶ・・ということは、外すという作業も同時進行になるからだ。
外すのが忍びない曲も多すぎるぐらい・・あった・・。
とりあえず思いつく曲は膨大なので、自分なりの「制約」を設けないとリストアップできそうにないので、とりあえず「昭和の名曲」ということにしてみた。
じゃないと・・平成にも名曲はたくさんあるし、例えば「夜空ノムコウ」「空も飛べるはず」「満月の夕」「月のワルツ」なども選びたくなる。
だがそうなるときりがない。そこであえて「昭和」という制約を自分に与えて選んでみた。
私が思いつく限りで挙げる「ニッポンの歌」は・・・以下の感じかと。中には今後別の曲と入れ替わる曲もあるとは思うが(笑)。・・きっと、思いつき忘れている曲もあるはずだから。
基本的に順不同。
1、ゆうやけこやけ(童謡)・・・・私にとって、究極の「ニッポンの名曲」。海外に誇りたいぐらい。
2、さらば涙と言おう(森田健作)・・・・・高校生青春ドラマの名曲。私にとって不滅の曲。
3、いきがい(由紀さおり)・・・・・・安らぎの曲調。でも、歌詞の主人公は、切ない・・。
4、どこまでもいこう(CMソング)・・・・・・CMソングのスタンダードナンバー。
5、男はつらいよ(渥美清)・・・・イントロのメロとセリフを聴いただけで、もう映画の中に。
6、2000t の雨(山下達郎)・・・・・都心で雨に降られ,タワーを見ると思いだす。
7、さよならをもう一度(尾崎紀世彦)・・・・・個人的に「また逢う日まで」より、こっち。
8、俺たちの旅(中村雅俊)・・・・・・同名のドラマに影響を受けた若者は多かったのです。
9、帰ってこいよ(松村和子)・・・・うなる三味線、伸びるメロディ、浮かぶ風景。
10、モスラのテーマ(ザ・ピーナッツ)・・・・・「恋のバカンス」も捨てがたい・・。
11、帰れない2人(井上陽水)・・・・・星勝さんのリードギターも不可欠。
12、青い鳥(ザ・タイガース)・・・・・・永遠の名曲。GS枠代表・・ってことで。
13、ララバイ・オブ・ユー(ジョー山中)・・・・・豊富なメロディラインを持つ、珠玉の名曲。
14、イメージの詩(吉田拓郎)・・・・・・大学入試の問題にも採用されたほどの曲。
15、ドゥチュイムニィ(佐渡山豊)・・・・・これで沖縄楽曲を知った。沖縄系では「花」「十九の春」も捨てがたい。
16、私が死んだら(広田三枝子)・・・・初めて聴いた時の歌詞が衝撃で、トラウマになった。
17、サスケの子守唄(アニメ)・・・・アニメソング代表。「みなしごのバラード」も捨てがたい。
18、8分音符の歌(鈴木茂)・・・・・・この曲には、インスパイアされたなあ・・。
19、夕暮れ(佐藤公彦)・・・・・・こういう曲がフォーク畑とよばれるジャンルから出てきたことがスゴイ。
20、ふるさと(唱歌)・・・・・・問答無用の、必殺「ニッポンの名曲」。説明の必要なし。
21、逢いたくて逢いたくて(園まり)・・・・・なんて色っぽく、チャーミングな曲なんだろう。
22、海の底から(みんなのうた)・・・・・・「みんなのうた」代表ってことで。
23、望郷の旅(森本太郎)・・・・・・時代劇の主題歌の名曲。「必殺シリーズ」のルーツとも言えそう。
24、虹色の湖(中村晃子)・・・・・・ピンキラの曲も入れたかった・・。
25、涙のテディボーイ(キャロル)・・・・・「やりきれない気持ち」も捨てがたい。
26、サルビアの花(もとまろ)・・・・・不思議な雰囲気を持つ曲。この「もとまろ」バージョンのコーラスが好き。
27、夕日赤く(加山雄三)・・・・・・加山雄三、恐るべし。6thのコードワークが良い感じ。
28、風来坊傘(品川隆二)・・・・・時代劇代表・・ということで。
29、卒業写真(ハイファイセット)・・・・・誰が歌っても、名曲。
30、月の砂漠(唱歌)・・・・・かつてロックバンド時代にカバーしたことあり。
ニッポンの名曲といっても、名曲は溢れるぐらいあるし、選ぶ人によってラインナップも変わる。
10人いれば10通りの、100人いれば100通りのラインナップもあるはず。
音楽をやる・やらないに関わらず、誰にでも思いいれのある曲はあるはず。思い入れのある曲が1曲もないという人は、まず、いないはず。
もしも、そういう曲が1曲もないとしたら・・・それは寂しいことかも・・。
で、どんな曲を選ぶかで、その人の思わぬ趣向が見れるかもしれないし、選ばれた曲にはその人なりの体験や感性も反映されるのだろう。場合によっては、その人のドラマも含まれているかもしれない。
できれば、この日記を読んで下さった方の「あなたの選ぶ、ニッポンの名曲」を教えてもらいたい気もする。
私はとりあえず30曲ほどあげたが、5曲でもいいし、10曲でもいいし、それこそ1曲でもいい。
まあ、1曲となると、かえって難しいかもしれないね(笑)。
まあ、上限は30曲までということで、選ぶ曲の数は自由で。
さて、貴方の選ぶ「ニッポンの名曲」は?