倫敦 とっかあた

ロンドン在住チェンバロ、ピアノ弾き のブログ。同居人は、不良猫と宇宙人かもしれないチェリストの旦那。

ヘンデルアルバム・古楽専門関係のレビュー紹介

2023年10月05日 | 音楽
🍂ロンドンは日に日に肌寒くなってきております。芸術と読書の秋🍂食欲の秋😆
メランコリーにも時折襲われる季節ですが、古楽専門のサイトやイギリスの権威ある学術誌The Consort より大変嬉しい批評をヘンデルアルバムに頂きましたので、紹介します。
感謝で一杯です♪
秋の憂愁に浸りたい時など、アレマンドやサラバンドなどはいかがでしょうか?
ラジオ・フランスでは、血の気の多いwニ短調プレストやト短調のパッサカリアを流して頂けました♪ピリッパリっと気合いの入る楽章です(笑)
音楽が様々な時に皆様の心に寄り添ってくれますように!💓


フランチェスコ・コルティの録音が近年出た後なので、小川のこのアルバムは必然的に聴き手に比較を余儀なくさせる。嬉しいことに小川の演奏も相対して非常に良い。華やかさで引けを取ることのない一方で、技巧や装飾音の披露は程よくとどめ、音の流れや声部の描き出しに、よりこだわった演奏をしている。小川はゆっくりの楽章では抒情的に歌い、(テンポの速い)クーラントやジークなどの楽章では均整を保ちつつ活発に弾き進める。時折、アレマンドやサラバンドでのイネガルが滞って聴こえることもある。このアルバムにはト長調のシャコンヌも収録されており、レジストレーションの選択や強い推進力が曲全体を生き生きと描き出している。クライマックスを着実に聴かせる構成力は特筆したい。例えば、「調子の良い鍛冶屋」主題と変奏において、彼女は聴き手を容赦なく確実にスリリングなエンディングへと導く。このエンディングはエキストラの繰り返しを付けて全ストップを使用して弾かれている。第7番ト短調組曲の解釈も特に素晴らしい。()

総括的に言うと、このアルバムは大変な業績できっと多くの聴き手を満足させてくれる筈であり、お勧めしたい。(ノエル・オレガン)







小川の選んだ曲順は聴き手にとって完全な説得力を持つ。

小川は、組曲1番の冒頭プレリュードから既に穏やかな即興的自由さをもって奏し、ダルケンの楽器の持続性ある音質も手伝って聴き手を惹きつける。各々の楽章を精密に描きつつ素晴らしいジークで締めくくる。次の嬰ヘ短調第6番組曲でも、素敵な装飾音を施したプレリュードから始まり小川は鮮明に曲想を表現している。続く「調子の良い鍛冶屋」変奏曲で良く知られる組曲5番でも、(小川は聴き手を)満足させてくれる。主題は響きの良いバフ・ストップを使用して奏され、それぞれの変奏は絶妙な装飾音を織り交ぜつつ、はっきりとした性格で描かれている。最終変奏も素晴らしい。後に続くのはホ短調の組曲4番である。小川の弾くサラバンドは特に美しく、繊細でセンス良い装飾音が絶妙だ。ゆっくりしたテンポで美しく歌うことも、速いテンポで技巧を披露することも出来る奏者の力量が示されている!CD1はト長調のシャコンヌで締め括られる。20の変奏は想像力溢れるレジストレーションと曲想の表現、流れるようなパッセージワークで奏され完全に聴き手を虜にする。

CD2は、2番のヘ長調組曲で始まり、ゆっくりな楽章と快活な楽章の対比は非常に聴き応えある演奏となっている。そして続くのはニ短調3番組曲である。この冒頭のプレリュードで小川は、我々をまるでヘンデルの即興演奏を聴いているような気にさせてくれる!次の主題と変奏でも、それぞれの曲の性格を鮮明に描く小川の技量が見事に示されている。()そしてフィナーレのプレストはスリリングな締めくくりとなっている。この後ヘ短調8番組曲、ト短調組曲7番と続く。ト短調の序曲は堂々と奏され、パッサカリアは小川の音楽的表現力と華麗な技巧の集大成と言える。素晴らしい楽器と録音の音質も含めて、このアルバムは大変お勧めである。(ダグラス・ホリック) The Consort 



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トロメオの指揮 

2023年09月20日 | 音楽
幻の裏話を
お読みになった皆様、
そして労りの言葉
慰めの言葉を頂き
ありがとうございました。
怒り心頭に達する💢
数日間でしたが
お陰様で
Let it go!
を心の中で唱え
前に進めそうです。

努力した糧は
結局目に見えなくても
報酬額に反映されてなくても
自分の貴重な財産。

そうやっていつも
音楽家は
苦渋を飲んで
歌に生き
愛に生き
😂
さて、トロメオですが、
良い曲一杯入ってます。
このオペラの中で
最も有名な曲は
Stille amare。
直前のレチタティーヴォ・アカンパニャート
なかなか
振り難い部分ですが
しっかりまとめられ
安堵でした。
元々
トロメオ役は
当時のスター
セネジーノが歌ったので
アリアも盛り沢山です。

2人のソプラノ役のアリアは
ヘンデルが
華型ソプラノ2人を念頭に
書きました。
かの有名な
ライバルクイーン👑👑
Francesca Cuzzoni がセレウチェ役
Faustina Bordoni がエリザ役です。
タイムマシンがあったら
この2人
聴いてみたい!

なかなか技巧的で
かつ美しいアリアの
歌い比べを披露する運びと
なっています。

今回指揮をして
悟った事があります。

1番難しいのは
人間関係ということです。
歌手や奏者を
常に指揮者側が選べる訳ではないので
いかに
指示を明確に出しつつ
皆を上手くまとめていけるかどうか。
私の場合
音楽のディテイルへの
思い入れが強く
いわゆる
Sounds great!
と言って細かいところは
流すという感じで
持っていけないのです。
Never mind,,
Well done が好きな
イギリス流の
Easy going は無理。

相手が頑張っても出来ないのは
許せても
いい加減な態度や
言い訳をされると
ついイラ💢っとしたり。

100%向こうに非が
あるように思える時も
イギリス🇬🇧の場合
声を荒立ててはアウト。

これは直情直行型の私には
とっても
神経のすり減る状況でした。
オケの皆さんも
色々こう弾けああ弾けと
要求されて
疲れたと思います。
😅
指揮自体は
楽しく、出来るぞという
感触は掴みましたが、
やはり
自分はソロの方が
向いているのかも〜

と思ったりも
したのでした。













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グラモフォン・嬉しビックリなレビュー

2023年09月09日 | 音楽
グラモフォンに
ヘンデルアルバムのレビューを
書いて頂きました。
ちょっと嬉し泣きしたいくらい
素晴らしいレビューで
ビックリしています。
書いて下さったJed Distlerさん
どうもありがとうございます。
随分と著名な批評家さんらしく、
見に余る光栄です。
英語と日本語でここにも
紹介したいと思います。
訳していてちょっと
小っ恥ずかしくなりました。
喜びはしっかり
噛み締めつつ
謙虚さを忘れず
今後も精進したいと思います。










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スコットランド珍道中

2023年08月28日 | 日記
歌手の友人の誘いで
スコットランド🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿へ
休暇に行って来ました。

まずはGatwick → Inverness ✈️
2時間半遅れの離陸🛫で
旅の出発から
出鼻をくじかれた感ありも
無事到着。

翌日はなんと晴天🌞!
いざネス湖へ!
友人がネス湖一周の遊覧船を
予約してくれていたのは
良いんですが、
そこまで歩くこと約2時間💦
ガイドには1時間40分とあったそうです。
背も高くて足の長い友人のペースに
ついて行くのに必死😂
色々計画立てて
チャキチャキ活動する派の友人。
旅は行き当たりばったり派の私には
上級編の休暇のスタート▶️です。


















ネス湖はなんと黒い!
ピートという土壌が原因で
水が濃い茶色になるからなのですが、
風が強くて
波が立つと
何かいそうな雰囲気満点です!
そして水深が230メートルも
あるそうです。
ネッシーがいると
信じたくなるのも納得!
やはり百聞は一見に如かずですね!
🦕
ネッシー
会えませんでしたが、
いて欲しい!
😆



翌日は
午前中に
Fairly Glen 🧚の滝へ。
深い緑に癒されました。
滝って
どこか神秘的で
心が洗われるような
パワーを貰うような
気持ちになります。








しかしこの後、、、

Inverness → Portree 
この片道コーチバス🚌3時間が
予期せぬ拷問でした。

とにかく揺れる!
凸凹クネクネ道で、
運転手も絶賛荒っぽい運転🙈
電車以外は
もれなく乗り物酔いする私には
地獄の3時間。
勿論酔い止めを飲み
2人がけを
独り占めして
横になって
ひたすら耐えましたが、
げっそりです。

パブで休憩。
ちょっと落ち着いたので
フィッシュ&チップスを。
美味しく頂きましたが、
まだやはりげっそり感あり。
食欲がなく
デカ過ぎて半分でギブアップでした。
残念




この後は
レンタカーを借りて
友人は(仏人なので)
右側ハンドル慣れない、
と言いつつ
頑張って運転。
いざB&Bへ。
着いてビックリの絶景‼️













次の日の朝食は
なんと
虹🌈まで現れ
窓から
大自然を眺めながら
頂きました。
💓
朝食の後は
絶景で有名らしい
Neist Pointへ。
友人から
「軽くちょっと歩くだけ」
と聞いていたのですが、
ちょっと=1時間
歩くだけ=雨と風に打たれながら登り降り
でした。
2人共ずぶ濡れ。
😂














この後入ったカフェの
スープが
美味しかったこと!




友人は更にもう1箇所
ハイキング🥾に行く計画を
立てていましたが、
流石に雨と風で
疲れたらしく中止。
B&Bで
ゆっくりすることに
なりました。

最終日、
午前中にハイキング🥾→
3時間のコーチバス🚌→寝台列車
というプランを提案してきた友人。
🙀
しかし起きてみると
やはり雨降り。
☔️
ずぶ濡れになった後の
コーチ3時間は
勘弁願いたいという私の懇願に
友人も納得。
午前中のハイキングは断念。
B&Bで
午前中はゆっくり。







そして例のコーチバス🚌3時間アゲイン😂
しかも
運転手が
更にグレードアップな
乱暴運転。
いつバスごと
林の中に突っ込んでも
不思議でない感じでした。
ウーっとなりつつ
ひたすら耐えるのみ。

2度とコーチには乗りたくありません。

さて
旅行のフィナーレは
カレドニアン・スリーパー
という名の
寝台列車。
Inverness → London Euston 
豪華客室、ワクワク💓でしたが
入ってみると
意外とちっちゃい。
🤣
しかも
シャワー🚿が
壊れていたのか
お湯が出ず冷水😂

ディナーは
値段の割には美味しく、
スタッフの皆さんは
とってもナイスでした。
しかし
この電車も
結構揺れました🫨
自分は電車🚆は大丈夫!と
言い聞かせて
催眠トラックを聴きながら
睡眠💤










朝食は
一杯チョイスがあったんですが
せっかくなので
スコティッシュ風を選択。
すっごい肉類攻めでした。
😂

なかなかハードで
疲れましたが
楽しい旅となりました♪
翌日は
自宅でゆったり
フルーツとトースト。
美味しい珈琲な朝食を!




休暇終了。
ロンドンの
ストレスフルな日々が
また始まります。





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お洒落

2023年08月19日 | 日記

ちょっと思う所があって

アウトフィットについて

書きたいと思う。

私は舞台が、聴覚と視覚の融合でお客様に受容されると認識している。なので自分の演奏するプログラムと調和する色や素材で、着ていてcomfortable かを考えて着る物を選ぶ。

お客さん全員が自分の選択や演奏を肯定的に、受け取ってくれるとは思っていないけれど、自分自身が音楽と調和できる格好で演奏したいと心がけている。










普段からその日の気分で着る服の色や素材、形を選んで自分の気持ちをアップさせたり、お洒落を楽しむので、自然とステージに対してもそうなる。


少し脱線するけれど

イギリスに住み始めて暫くして悟ったのは、欧州では基本的にお洒落は自分軸だという事。

流行りを気にしたり取り入れたりしても常に自分が着ていてハッピーかどうかが基準。

勿論演奏会にもドレスコードはある。けれどソロのリサイタルでもお姫様ドレスを着なければいけないプレッシャーはゼロ。着たい服を着たら良いという感じだ。イギリス、欧州で出会ったスタイル抜群でお洒落な女性達は、自分のボディを肯定して、若さや美しさを楽しむスタンスでセクシーな格好をしていて、異性に媚びたり誘っている訳ではない。

ところが、日本の女性向けファッション雑誌などを見ると、お洒落がかなりの頻度で「彼氏に喜ばれる、旦那に綺麗と言われる」など、他人や異性の好みを基準にしている傾向がある。

ひょっとしたらそういう風潮が、セクシーな服を着ているのは、誘っているとか、触っても良いという意味不明な大勘違いの土台なのかもしれない。勿論そういう勘違いさんは極少数派だと信じたい。

そう、韓国人DJの胸をファンが触った事件は、私にとっては信じられない変態行為以外の何ものでもない。露出度が高い服を着ていたからと被害者を非難するような声があることにも心底驚愕している。極端な話、上半身裸で出てきても触って良いわけがない。露出度の高い格好をお洒落と思うか、悪趣味と思うか、美しいと思うかは、別問題。合意もなく胸を触る、もしくは触ろうとする行為はcivilised society では被害者がどんな格好をしていようが、レッキとした犯罪なのだ。チカンという日本語は世界で悪名高いんだけど、その恥の上塗りをする出来事だと言える。

まあ確かにどこの国でも、誇れる部分とダメな部分とがあって、完璧な国などない。

とはいえ日本における人権、特に女性やLGBTへの人権意識の低さは残念ながら今や国際社会ではよく知られている。夫婦別姓がダメなのにも象徴されている。(これまた意味不明で、いつの時代の話かと思ってしまう。)

随分と脱線したけれど

女性も男性もLGBT🏳️‍🌈の皆さんも含めて、自分が心地良いお洒落を安心して楽しめる社会、性犯罪がしっかりと罰せられる社会に日本が進化しますように!

🙏

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