倫敦 とっかあた

ロンドン在住チェンバロ、ピアノ弾き のブログ。同居人は、不良猫と宇宙人かもしれないチェリストの旦那。

新年早々嬉しいレビュー

2024年01月06日 | 音楽
クリスマス前
束の間の日本を満喫して
ロンドンに帰ってきた途端
コロナで伏せておりました。
何とか無事回復して❤️‍🩹
Happy Nee Year! 
ところが、能登半島の地震など
新年早々心痛むニュース。
被害に遭われた地域と人々に
一刻も早く必要な支援が行き届きますように!
遠い空の下から祈っております。🙏

病み上がりで
何となくアダージョに
練習や教えを始めていた矢先、
思いがけなく嬉しいレビューを
アメリカ🇺🇸ファンファーレに
書いて頂きました。
ありがとうございます。
改めて録音エンジニアの
ジョン・クロフト氏や
プロデュースして下さった
恩師ニック・パール氏を始め
素晴らしいチームに恵まれた事にも
感謝で一杯です。
💓
著作権の関係で
抜粋のみですが、ここで日本語訳と共に
紹介したいと思います。
2024年も襟を正して
謙虚に、真摯に
精進していきたいと思います。

“-What I especially love about her playing is not just the spontaneity but the sense of wonder and exploration she brings in such movements as the opening Prelude to the D-Minor Suite:”


特筆したいのは、ニ短調のプレリュードの様な楽章などに溢れる自発性のみならず、何かを驚きと共に探究している様な感覚である。


“Ogawa’s is special in so many ways: in her lovely sense of pacing; in the extreme, yet tasteful ornamentation that adds to the work’s momentum; in the gorgeous colors she elicits from her chosen instrument (here, one by Klaus Ahrend, 1973, after Johann Daniel Dulken); the beautiful clarity of articulation and balancing of voices; and not least of all, in the gorgeous way she characterizes each and every variation, with an understanding of not just what came before, but what is to come.

The recording was captured in a crystal-clear acoustic, one that allows every nuance to be heard, though one that never sacrifices the total sonic atmosphere.”


(ト長調シャコンヌ)小川の演奏は多くの点で卓越している。全体を構築していくペース、作品の抑揚に貢献する極めて豊富で趣味の良い装飾、彼女が楽器から引き出す多彩な音色(楽器の説明・略)、鮮明なアーティキュレーション、声部のバランス、など挙げればきりがない。更に、彼女はそれぞれの変奏の性格を前後との関係を捉えた上で絶妙に描き出してゆく。

アルバムはクリスタルクリアな音質で繊細なニュアンスを拾いつつ決して全体の雰囲気を損ねることなく録音されている。


“—do yourself a favor and take a listen to this release. You may hear qualities that you’ve never been aware of before. And you may be surprised at just how dynamic the instrument can be in the right hands.” © 2024 Fanfare

是非このアルバムをお聴きになるよう勧めたい。(ヘンデルのみ鍵盤作品を聴いていて)今までは気づかなかった様々なことを(彼女の演奏を聴き)発見するであろう。チェンバロが奏者の技量でこんなにダイナミックで表現豊かに奏される楽器なのかと驚嘆するはずである。




クリスマスに寄せて

2023年12月25日 | 音楽
メリークリスマス🎄
皆様いつも応援ありがとうございます!
❤️
2023年も波瀾万丈。
色々な事がありました。
今こうして静かに
そんな一年を振り返ることの出来る
自分の状況に
感謝で一杯です。


(クリスマス・イヴにココを通過は初めて!)

世界を見渡すと
あまりに多くの
本当に多くの人々が
想像を絶する悲しみと痛みに
苦しんでいる状況があります。




クリスマスの心は
許すこと。
先ずはそれぞれが
自分とは違う信条や意見に
耳を傾けて
相手を許容することから
平和への歩みは
始まると
私は思います。
🕊️
個人的にも
様々な挑戦や試練(?)に
直面した一年でした。
そして
嬉しいことも沢山。



お陰様で
ヘンデルのCDアルバムは
もうあまり在庫が無いそうです。
私の手元にも
少ししか残っていません。
多くの方々に拝聴頂き
感謝で一杯です。


束の間でしたが
しっかり日本で充電したので






(蒲郡の唐田チェンバロ工房を訪れました)



また新たな気持ちで

音楽家の端くれとして
1人の人として
謙虚に
誠実に
進みたいと思います♪

それでは皆様
メリークリスマス🎄&
良いお正月🎍をお迎え下さい!
💓










ヘンデルアルバム・古楽専門関係のレビュー紹介

2023年10月05日 | 音楽
🍂ロンドンは日に日に肌寒くなってきております。芸術と読書の秋🍂食欲の秋😆
メランコリーにも時折襲われる季節ですが、古楽専門のサイトやイギリスの権威ある学術誌The Consort より大変嬉しい批評をヘンデルアルバムに頂きましたので、紹介します。
感謝で一杯です♪
秋の憂愁に浸りたい時など、アレマンドやサラバンドなどはいかがでしょうか?
ラジオ・フランスでは、血の気の多いwニ短調プレストやト短調のパッサカリアを流して頂けました♪ピリッパリっと気合いの入る楽章です(笑)
音楽が様々な時に皆様の心に寄り添ってくれますように!💓


フランチェスコ・コルティの録音が近年出た後なので、小川のこのアルバムは必然的に聴き手に比較を余儀なくさせる。嬉しいことに小川の演奏も相対して非常に良い。華やかさで引けを取ることのない一方で、技巧や装飾音の披露は程よくとどめ、音の流れや声部の描き出しに、よりこだわった演奏をしている。小川はゆっくりの楽章では抒情的に歌い、(テンポの速い)クーラントやジークなどの楽章では均整を保ちつつ活発に弾き進める。時折、アレマンドやサラバンドでのイネガルが滞って聴こえることもある。このアルバムにはト長調のシャコンヌも収録されており、レジストレーションの選択や強い推進力が曲全体を生き生きと描き出している。クライマックスを着実に聴かせる構成力は特筆したい。例えば、「調子の良い鍛冶屋」主題と変奏において、彼女は聴き手を容赦なく確実にスリリングなエンディングへと導く。このエンディングはエキストラの繰り返しを付けて全ストップを使用して弾かれている。第7番ト短調組曲の解釈も特に素晴らしい。()

総括的に言うと、このアルバムは大変な業績できっと多くの聴き手を満足させてくれる筈であり、お勧めしたい。(ノエル・オレガン)







小川の選んだ曲順は聴き手にとって完全な説得力を持つ。

小川は、組曲1番の冒頭プレリュードから既に穏やかな即興的自由さをもって奏し、ダルケンの楽器の持続性ある音質も手伝って聴き手を惹きつける。各々の楽章を精密に描きつつ素晴らしいジークで締めくくる。次の嬰ヘ短調第6番組曲でも、素敵な装飾音を施したプレリュードから始まり小川は鮮明に曲想を表現している。続く「調子の良い鍛冶屋」変奏曲で良く知られる組曲5番でも、(小川は聴き手を)満足させてくれる。主題は響きの良いバフ・ストップを使用して奏され、それぞれの変奏は絶妙な装飾音を織り交ぜつつ、はっきりとした性格で描かれている。最終変奏も素晴らしい。後に続くのはホ短調の組曲4番である。小川の弾くサラバンドは特に美しく、繊細でセンス良い装飾音が絶妙だ。ゆっくりしたテンポで美しく歌うことも、速いテンポで技巧を披露することも出来る奏者の力量が示されている!CD1はト長調のシャコンヌで締め括られる。20の変奏は想像力溢れるレジストレーションと曲想の表現、流れるようなパッセージワークで奏され完全に聴き手を虜にする。

CD2は、2番のヘ長調組曲で始まり、ゆっくりな楽章と快活な楽章の対比は非常に聴き応えある演奏となっている。そして続くのはニ短調3番組曲である。この冒頭のプレリュードで小川は、我々をまるでヘンデルの即興演奏を聴いているような気にさせてくれる!次の主題と変奏でも、それぞれの曲の性格を鮮明に描く小川の技量が見事に示されている。()そしてフィナーレのプレストはスリリングな締めくくりとなっている。この後ヘ短調8番組曲、ト短調組曲7番と続く。ト短調の序曲は堂々と奏され、パッサカリアは小川の音楽的表現力と華麗な技巧の集大成と言える。素晴らしい楽器と録音の音質も含めて、このアルバムは大変お勧めである。(ダグラス・ホリック) The Consort 




トロメオの指揮 

2023年09月20日 | 音楽
幻の裏話を
お読みになった皆様、
そして労りの言葉
慰めの言葉を頂き
ありがとうございました。
怒り心頭に達する💢
数日間でしたが
お陰様で
Let it go!
を心の中で唱え
前に進めそうです。

努力した糧は
結局目に見えなくても
報酬額に反映されてなくても
自分の貴重な財産。

そうやっていつも
音楽家は
苦渋を飲んで
歌に生き
愛に生き
😂
さて、トロメオですが、
良い曲一杯入ってます。
このオペラの中で
最も有名な曲は
Stille amare。
直前のレチタティーヴォ・アカンパニャート
なかなか
振り難い部分ですが
しっかりまとめられ
安堵でした。
元々
トロメオ役は
当時のスター
セネジーノが歌ったので
アリアも盛り沢山です。

2人のソプラノ役のアリアは
ヘンデルが
華型ソプラノ2人を念頭に
書きました。
かの有名な
ライバルクイーン👑👑
Francesca Cuzzoni がセレウチェ役
Faustina Bordoni がエリザ役です。
タイムマシンがあったら
この2人
聴いてみたい!

なかなか技巧的で
かつ美しいアリアの
歌い比べを披露する運びと
なっています。

今回指揮をして
悟った事があります。

1番難しいのは
人間関係ということです。
歌手や奏者を
常に指揮者側が選べる訳ではないので
いかに
指示を明確に出しつつ
皆を上手くまとめていけるかどうか。
私の場合
音楽のディテイルへの
思い入れが強く
いわゆる
Sounds great!
と言って細かいところは
流すという感じで
持っていけないのです。
Never mind,,
Well done が好きな
イギリス流の
Easy going は無理。

相手が頑張っても出来ないのは
許せても
いい加減な態度や
言い訳をされると
ついイラ💢っとしたり。

100%向こうに非が
あるように思える時も
イギリス🇬🇧の場合
声を荒立ててはアウト。

これは直情直行型の私には
とっても
神経のすり減る状況でした。
オケの皆さんも
色々こう弾けああ弾けと
要求されて
疲れたと思います。
😅
指揮自体は
楽しく、出来るぞという
感触は掴みましたが、
やはり
自分はソロの方が
向いているのかも〜

と思ったりも
したのでした。














グラモフォン・嬉しビックリなレビュー

2023年09月09日 | 音楽
グラモフォンに
ヘンデルアルバムのレビューを
書いて頂きました。
ちょっと嬉し泣きしたいくらい
素晴らしいレビューで
ビックリしています。
書いて下さったJed Distlerさん
どうもありがとうございます。
随分と著名な批評家さんらしく、
見に余る光栄です。
英語と日本語でここにも
紹介したいと思います。
訳していてちょっと
小っ恥ずかしくなりました。
喜びはしっかり
噛み締めつつ
謙虚さを忘れず
今後も精進したいと思います。