奈落のボレロ

Also sprach cyubaki3

カラヤンとフルトヴェングラー

2010-02-28 11:48:01 | 

カラヤンとフルトヴェングラー/中川右介(幻冬舎新書)

「カラヤンとフルトヴェングラー」といっても、20世紀を代表する両巨匠の名盤ガイドとか音楽性云々の話ではない。これは第二次世界大戦を挟んで繰り広げられた、クラシック音楽界の帝王の座をかけた両者の生々しい権力闘争のドキュメンタリーである。そしてその争いは音楽界だけに止まらず、なんとナチス政権内部の派閥抗争とも連動していたのであった(ゲッベルス&フルトヴェングラーvsゲーリング&カラヤン)。第三の男としてあのチェリビダッケの話も出てくるが、この人はどちらかというと二人の抗争に巻き込まれた犠牲者である。

意外だったのは、フルトヴェングラーがKYで優柔不断というケロロ軍曹のような性格だったというところ。それとは対照的に、カラヤンが戦後のEMIでの幾多のレコーディングセッションをコンサートのリハーサルに利用した(もちろん経費はレコード会社負担!)というあたりはいかにもな話。昔から合理主義で抜け目の無いビジネスマンだったのだ。

生を踏んで恐れず

2010-02-27 09:38:03 | 

生を踏んで恐れず 高橋是清の生涯/津本陽(幻冬舎)

渡米した時に騙されて奴隷にされかけたり、ペルーの銀山で鉱脈詐欺にあったり、若き日の高橋是清の日常はかなり波乱万丈である。この人に限らず明治から昭和初期にかけての政治家には腹が据わったワイルドな人が多い。そうでなければ予算をめぐって当時の強大な軍部と渡り合うことなどできなかったのだろう。

モヤさまゴールデン進出

2010-02-26 09:10:21 | 日記
テレ東上層部(社長)の意向で決定だそうだが、やめた方がいいと思う。深夜番組が早い時間になって成功した例はあまりない。毒が抜けてしまうのだ。「特命係長 只野仁」などは高橋克典本人が「この時間帯だからこそ出せる味がある」とゴールデン進出を拒否したという。1クールで元の枠にリターンの予感。

http://www.tv-tokyo.co.jp/samaazu2/

豊饒の海

2010-02-26 01:59:50 | 日記
三島由紀夫の「豊饒の海」はワーグナーで言えば「ニーベルングの指輪」だな。どちらも四部作だし。などと突然ひらめいたので忘れないうちに書いておこう。このブログは備忘録も兼ねているのだ。

冬季オリンピック2

2010-02-25 08:11:05 | 日記
バンクーバーオリンピックの過剰とも思える報道を見て思った。例えばアメリカやイギリス、フランスなど他の先進諸国では日本ほどオリンピックが大きく報道されるのだろうか?外国に住んだことがないので断言はできないが、多分そうではないような気がする。

日本社会がこれほどまでにオリンピックを重要視するのは、やはり東京オリンピックの開催によって真の意味で国際社会への復帰を認められたという認識があるからではないだろうか?そう考えると1960年ローマ、1964年東京、一大会あけて1972年ミュンヘンという並びには意味があるような気がしてくる。モスクワオリンピックのボイコットなどという問題に限らずやはりオリンピックの背後には何か政治的な意図が見え隠れする。

冬季オリンピック

2010-02-24 09:10:42 | 日記
冬季オリンピック(Olympic Winter Games)といっても現在南半球は夏なのである。そもそも雪の降らない地域ではできないスポーツでオリンピックというのも妙な話だ(正直これがスポーツか?と疑問に思えるような競技も多い)。これは近代文明が北半球の比較的緯度の高い地域を中心に発達してきたことと密接な関係がある。一種の南北問題だ。

これまで冬季オリンピックが南半球で開催されたことは無いのだから、いっそ北半球オリンピックとでも名称を変えてはどうだろうか?そして同時期にビーチバレーやビーチサッカーのような暑い所でしかできない競技を集めて南半球オリンピックを開催すればよい。これはけっこう名案だと思うのだが。

秀さん

2010-02-23 12:32:56 | 日記


先日、テレビ東京の「田舎に泊まろう!」に三田村邦彦が出ているのを偶然(普段は見ない番組なので)見た。短髪で口髭をはやした姿はちょっと作家の島田雅彦に似ている。その温和な雰囲気からは、クールな仕事人の面影は感じられない。藤田まことが亡くなってしまったので、もう二度と三田村邦彦が仕事人の秀を演じることはないのだろうが。しかし今思うと昔の「必殺仕事人」の頃の秀のヘアスタイルは、江戸時代にしてはちょっと斬新というか、モダン過ぎだ。あれでは目立ち過ぎて”仕事”に差しさわりが出るのではないか。仕事人シリーズに時代考証などというのは野暮な話なのかもしれないが。

岡田監督の運命やいかに3

2010-02-22 10:19:13 | 日記
とうとう川淵三郎元チェアマンまでが岡田監督に苦言。昔トルシエも似たような事を言われたような気がする。しかし2chではないが、愛想のいい岡田監督など”こんな岡田監督は嫌だ!”の典型だと思うが。それに愛想がよくなったらなったで、今度はマスコミやサポーターに”負けたのにヘラヘラしている、真剣さがたりない!”などと言われるのは目に見えている。それにしても、本来代表監督をかばう立場であるはずの川淵名誉会長にまでこういう発言が出てくるということは、今後のテストマッチの結果によっては本大会を前に更迭ということも十分あり得る状況だ。いったい岡田監督はどうなってしまうのか!?

スポーツ観光論議が脱線…サッカー日本代表、岡田監督の仏頂面に苦言
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100216/mca1002161947032-n1.htm

負のスパイラル

2010-02-21 10:00:13 | 日記
最近よくテレビや新聞の記事などで「不況による就職難のため新卒の学生の就職内定率が低下」などという記事を見かけるが、”不況による就職難”というのは因果関係が逆転している。つまり”不況のため就職難”になるのではなく、”就職難だから不況”になるのだ。そしてそれが負の循環を繰り返すうちに、あたかも原因と結果が反転しているように見えてくる。なので”景気が回復すれば就職難が解消される”というのも当然逆で、”就職難が解消されれば景気が回復する”が正解なのだ。これは戦前の大恐慌や日本の戦後の経済復興、あるいは約20年前のバブル崩壊など過去の歴史を見れば一目瞭然である。

addicted

2010-02-20 10:21:25 | 日記
中村正三郎は相変わらず勝間和代に粘着しているようだ。以前茂木健一郎が竹内薫のラジオ番組に出た時に「ネットなどで他人を繰り返し執拗に批判する人は、結局その相手にaddictされているのだ」というようなことを言っていたが、全くその通りだと思う。そもそもあの手の自己啓発本にはまるような所謂カモリーマンは中村正三郎のホットコーナーなど読まないだろうから、いくらであそこで繰り返しアナウンスしたところで殆ど効果はないのだ(逆もまたしかりで、賢明なホットコーナーの読者はあの手の本にカモられることはない)。頭のいい中村さんがその事に気がつかない筈は無いので、それでも書いてしまうところを見ると、あれはやはりaddictされているのだろう。