普通の日々

風の向こうで さまざまな想いが霧のようにひそんでる(by/Hiroji Miyamoto)

喪服

2017-07-03 11:20:23 | キモノ
今年の初めに父が急逝しました。
本当に突然のことで、家族の誰も心の準備もないままのあっという間の出来事でした。
そして、当然のことながら物理的準備もまったくできていませんでした。

親の葬儀ですから、やはり正装=和装喪服と思ったのですが
私はお嫁入りのときに喪服を作りませんでした。
若い頃は、「今時お葬式に着物なんて着ないわ~」と全く着る気も作る気もありませんでした。
大人になって、着物を着るようになって、近親者の葬儀にはぜひ和装で。と思うようになったとき
幸いにも嫁ぎ先の姑は着物をたくさん持ってる人で、しかもすでに着物リタイアして
箪笥の着物は好きに着ていいわよ~~。と言ってくれていました。

当然喪服はこの箪笥の中に。ある。ハズ。
他の着物はね、いろいろ引っ張り出して着てみたりしたわけです。一通り。
ただ、喪服は「あるね」って確認ぐらいで広げてみることもしていませんでした。
だって、羽織ってみたところでウキウキするもんでもないしね(笑)

つまり、私がお嫁に来てから20数年来、喪服は開かずの引き出しにしまわれたままだったのです。
もうおわかりですね?(笑)
初めて出して広げてみたら・・・。白いポツポツが!!!
これが、カビってやつなんでしょうか;;
まさかこれは着られないわ。ということで、父の葬儀では葬儀屋さんの貸衣装を借りました。
でもそれはそれで良かったと思っています。
私は離れて暮らしているので、自前だと大荷物を運ばなくてはならなかったし、とにかくバタバタしてたので
プロに手早くキレイに着付けてもらえて良かったです。
自分で着てたらたぶんボロボロに着崩れてたと思います(笑)

というようなことがあり、もうちゃんと喪服の準備をしておかないといけないのだわ!
と決意したのでした。

なんだけどー・・・。日々の生活に追われ、開かずの引き出しはそのまま放置・・・。
そして先日。通っていた(今はお休み中)茶道教室の先生の御主人が逝去されました。
ご主人は地元の名士であり画家で、一緒にお茶のお稽古をした兄弟子でもあります。
もちろんお葬儀には参列させていただくつもりでしたが、
「社中の方はなるべく和装で参列を」とのお達しが・・・。

なぜ、父の葬儀のあときちんと喪服を手入れして準備しておかなかったのか。
いやしかし。日程は通夜が6月30日。告別式は7月1日。
これは!夏物で行ける!
絽の喪服は別の引き出しに入ってたから無事のハズ!

早速出して広げてみる。無事です。使用感無し。良かったー!

・・・・が。帯がありません。絽の黒喪帯が。そして小物一切。見当たりません。。
どこか別の場所にしまってあるのか、夏の喪服は着る機会なくそもそも無かったのか。
義母に聞いても記憶に無い、と。

仕方ない。喪帯なら呉服屋で仕立て上がりがあるでしょうから、買いましょう。
あ、でもその前に着物系充実のリサイクルショップをちょっと見てみよう。

で、リサイクルショップ。ありましたよ~~。

絽の黒喪帯。正絹未使用品。
夏用の帯揚げ帯締めセット未使用品。草履とバッグのセット未使用品。
草履とバッグはいらなかったのだけど、全部で三千円にしてくれるというので(笑)
助かりました~。無事に和装でお通夜に参列できました。

が。ワタクシ大失態。
あまり深く考えてなかったのですが、私が着た喪服・・・五つ紋。
姉弟子さんに「五つは重いよー。」と言われて初めて気が付きました。
五つ紋は喪主またはそれに準ずる親族が着用・・・だそうで。
一般参列ではせいぜい三紋まで。普通は一つ紋か色喪だそうで・・・。
無知って罪だわ;;

翌日の告別式には薄い紫の絽の色無地を用意しておきました。
ですが。朝の土砂降りに気持ちが萎えて、洋服で参列してしまいました。
当然、他の社中のみなさんは雨にも負けず和装でいらしてましたーー。

順番でいけば、少なくとも私はあと3回近親者を和装で送ることになると思うので
きちんと用意しておこうと本気で思いました。
カビの出た着物って再生できるのかしら?新しく作ったほうがいいのかな?

でも今回、たくさん着物で参列している方を見て、色喪服だとそんなに悪目立ちしないし
なんかいいな~と思いました。
本当に親しかった人やお世話になった方のお葬儀には、和装で参列できたらいいですよね。




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