小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

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小説「オミとカイ」20.俺の男という言葉。

2024-07-25 21:46:00 | 小説
 女の子相手ならどうとでもできるけど、男のターゲットになんかなったことがなかったから、どうしていいかわからなかった。

 …前に ダイキに行ったことは嘘。

 俺は男と寝たことはないし 誘わせたこともない。

 なので、これはどうすれば…初めての恐怖だった…

「ごめんなさい。こいつ俺の男なんで 」

 腕を掴まれて振り向くと、カイだった。

 ポロシャツ姿の青年はカイの迫力に気圧されたらしく、すぐに俺の腕を放すと、ごめんなさい、とだけ言って、さっさと逃げていってしまった。

「オミ、ここの撮影はやめよう。 次の公園にはこういうとこじゃないんでしょ? 」

「うん、そのはず。」

 そして心配してやってきたフクちゃんとダイキと合流して、また次の心霊スポットに向かったのだった…


「そっか… あの時カイはそんなこと考えてたんだ 」

「あぁ、ここまで話しちゃったな… 忘れて」

「いやいやそんな 」

「オミだって嫌でしょ。俺のこと友達と思っていたのに俺は…」

 そんな時 数人の足音が近づいてきた。

 振り返るとカイの両親と弟の友也君だった。




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