3人は俺に挨拶をしてくれると、次々とベッドの上で点滴を受けているカイと話し始めた。
友也君は、俺に相談したいことがあるので待っていて欲しいと言う。
俺はダイキのいる談話室で友也くんを待つことになった。
談話室に行ってみると 、ダイキは疲れているのか暗い表情で、
「オミさん、 俺 、今夜はこの近くのネカフェに泊まろうかと思ってるんですけど 」
「それいいね。 俺もそうする。でも…まさかカイに何かついてるのが見えたとか? 」
「いや 、相変わらず俺はそういうの見えないですけど、何て言うかカイさんのできるだけそばにいたいような気がして 。もしも社長命令で帰れとおっしゃるなら帰りますけど…」
「いやいやそんなこと言わないでよ」
安心して疲れがどっと出た俺たちは 甘い缶コーヒーを飲みながら、ぼーっとしていた。
すると友也君が顔を出し、
「オミさん、すみません…」
聞けばカイの退院後について困ってしまったのだという。
本人は自分の部屋に帰る というのだが、
「体は治ってもまたどこかに行かれたらと思うと もう親も僕も気が気ではなくて…」
しかし 3人ともエリート。仕事で忙しいので 、平日の昼だけ俺の部屋でカイを休ませてもらえないかというのである。
夜遅くに帰ってくるであろう3人のことを考えると、大変すぎるとダイキも感じてるのが伝わってきて 俺は答えた。
「それだったらカイ君が落ち着くまで、俺の部屋兼会社に泊まるっていうのはどう?」
友也君は遠慮したが 、俺が押し切ってしまった。
その後、カイともご両親とも話をしてカイはウチで静養することに決まったが…
当の本人は家族が帰ってしまうと、
「いいよオミ。脳にも異常はなかったし 明日には退院できると思うから 自分の部屋に帰るよ」
「ダメだよ 。みんな心配してるんだから。誤診ってこともあるし それで 孤独死したらどうするんだよ」
「いや、そうじゃなくて、お前の部屋なら、俺お前のこと襲っちゃいそうで…」
「いいよ。就業時間外なら 」
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