小説「オミとカイ」35.カイはかぐや姫? 2024-10-10 22:07:00 | 小説 そこでカイがひっくり返りそうになったので、俺とダイキで支えた。 大丈夫、とカイは言ったが、 とりあえず俺の部屋のベッドに寝かせることにした。ダイキと華ちゃんが、ベッドの脇に 俺用の布団を引いてくれた。 ごめんね、と留守番 3人組に言いながらも、俺も 布団にひっくり返ってしまった。 男4人もいればもうカイも家出なんてできないだろう。 しかし、部屋に2人きりになると、俺の頭は少しごちゃごちゃになった。 さっきのホテルのあの女性の声が、何かの間違いでカメラに入っていないか確認したかった…可能性はほぼゼロなのに。 そして すっかり忘れていたが、 あの、俺の心霊写真はどうなってしまったのか… この2つの件を確認しようと思って俺は慌てて バッグからスマホを取り出した… …しかし俺はそこで寝落ちしてしまったらしい。 気がついたのはダイキが夕飯だと教えに来てくれたからだった。 カイも俺も疲れすぎていて、 プリンとヨーグルトしか食べられなかった。 でも俺の希望通り、この家に慣れている みんなが泊まってくれてそれとなくカイを見張ってくれているので、俺はかなり安心だった。 かぐや姫のようだと、一人でちょっと笑ってしまったが。