休日ながらお茶の先生に誘われて保育問題研究会の研修会、「ダンプえんちょうの遊び講座」に参加。
ダンプえんちょうは、宮城県石巻市の「わらしこ」保育園の園長。無認可の小さい保育園だが、名作、古田足日作 田端精一絵『ダンプえんちょうやっつけた』のモデルである。わが愛読書のひとつで、保育者時代には何度も読み聞かせにも使わせてもらった。この日の研修の遊び講座も「ダンプえんちょう」の保育の延長戦であった、と思う。
「わらしこ保育園」のこどもたちは逃げ足上手。保育園の周囲4km以内が「園庭」である、とダンプえんちょう。ご近所にせいっぱい迷惑をかけよう・・・というコンセプトで、裏路地に入りこんだり、近所の塀に落書きなどのイタズラを見つかって子どもたちは雲の子散らすように逃げ散ったけれど、園長は首根っこ捕まえられておばちゃんに叱られたり・・・・ということも日々あるという。
その逃げ足の速さが子どもたちの命を救った。震災後の大津波からこどもたちと共に逃げ町郊外の小山に避難し、避難所での孤児になった中学生との一夜、その後家の鍵の場所を知っているよ・・・という園児が開けた家で三日三晩過ごし、三々五々戻ってくる親たちとの再会を果たす・・・という震災直後の話は胸を打つ。
そして津波で流された流木、竹で作った独楽、竹トンボの遊び。鎮魂の思いを込めて、一万個作る、という気迫。「鎮魂、万個」って明るく言えるのがさすがダンプ。最後の卒園式の(3人だけの卒園児だが)爽やかな巣立ちの風景もビデオでおすそ分けを頂き、その後の身体を使った遊びの講座もまた楽しい。
机上の頭の痛くなる研修も大事だが、生きる力、というものの本質、肩の力を抜いての生きることの喜びを噛みしめた、ダンプえんちょうの研修だった。
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