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@アルジェリア

個人の視点で綴るアルジェリアのあれこれ。
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ユーモア溢れる人々とコンプレックス。ジョークはワインとポテトの“マスカラ”から

2009-07-22 01:15:50 | アルジェリア人
ジョークが大好きな、ユーモア溢れるアルジェリア人。
生真面目な日本人は、それがジョークだとわからず、時に
カチン!
と、くるようです。
その光景を何度も目にしたことがある。

アルジェリアのジョークは日本のお笑いとは次元が違う。
それが高いか低いかはうまくいえない。
ジョークのネタは、日常生活や政治、経済と多岐にわたり、
噂によれば
それは本当に起こった出来事だと、いう人もいる。
それくらい、信憑性のある、笑える出来事で、
頭の良し悪しに関わらず、老若男女わけへだてないものがおおい。

たまにちょっとエッチっぽいのもあり、男性同士で盛り上がっていることもあるけれど。。。

しかし、私はいつも大爆笑させてもらっている。

アルジェリアの女性は、こういうジョークをあまり披露しない傾向にある気がする。周囲からたくさんジョークを聞いても、シャイだからか、あるいは笑いをさそうように説明できないからなのだろうか?

ジョークを教えてくれるのは、いつも男性陣である。

さて、ジョークはどこからくるのか?
アルジェリアには、マスカラという場所があり、
そこでは毎日新鮮なジョークが生まれている。
その出来立てホヤホヤのようなジョークが毎日更新されるジョーク専門のウェブサイトも存在するほどである。
我が知り合いは、そこから仕入れているのか?
というほど、会うたびに新しいジョークをきかせてくれる。

男たちは、カフェで仲間と落ち合い、自分が仕入れてきたジョークを皆に披露するのだ。ときに、見知らぬ人とジョークで仲良くなったり。
とにかく陽気な人々である。

性格も思想も何から何まで、日本の感覚とチョット(いや、かなり?!)違うんだよね。

さて、このマスカラ。
マスカラは頭の抜けた人が多いという噂もある。
何せジョークに出てくるマスカラ人たちのアホさかげんったら。。。
なのだ。

マスカラ出身=頭が悪い(バカ)
とか
田舎者(どんくさい)
というイメージが定着しているようだ。

そのせいで、マスカラ出身者は、他人が発するマスカラという言葉に敏感である。
どんなにリッチだろうが、頭がよかろうが、過敏に反応する。
コンプレックスを抱いている人が多いのだ。
表むき平静を装っていても、心の中で悶々とする人たちもいる。
したがって、面白い人だなあ、と思っても、アルジェリア人に
あなたはマスカラの人ですか?
と、聞かないほうが身のためである。

大勢でいるときに、誰かにそう聞いた際、他の皆は「良く知っているねえ」と、笑うだろうけれど。
そう質問された相手は、内心穏やかではないとみた。

こちらとしては面白いキャラを褒めたツモリでも、
相手は侮辱(バカに)されたと思う場合もあり、
さらに
その相手がマスカラ出身者で無かった場合、
「私の出身地は違いますよ▲▲ですよ」と笑いながら答えつつ
同時に陰ではムッ!!としている可能性が高い。
さらに、
『マスカラと一緒にするなよ!』
と、心の中で叫んでいるかもしれない。

日本人がマスカラってきいたら、女性の大半はコスメのマスカラと間違えるはずだ。カワイイ名前よねえ。覚えやすいし。

アルジェリアのマスカラはジョークのほかに、
ワインとジャガイモの産地としても有名である。

マスカラワインの銘柄によっては、フランスの有名ワインと引けを取らないほどに美味しかったりする。イタリアのワインと同様、テイスト的には甘めが多いかな。

そのうち、マスカラジョークを少しずつ紹介できればと思う。
書面にすると、面白くなさそうな気もするが。。。

人口と民族紹介-あの人もアルジェリア人?!芸能秘話。アルジェリア人が海外に出ると・・・

2009-07-02 21:16:58 | アルジェリア人
土地的には大きなアルジェリア、人口は約3500万人。
日本の人口1億2776万7994人(平成17年のデータ)に比べるとかなり少ない。

アルジェリアは多民族構成である。
まず、大きく分けるとアラブ人とベルベル人に2分化できる。

このベルベル人のなかをざっと分けると、
・カビリ(※日本語でカビルと記されているものもある。)
・シャウイ(※日本語でシャゥイーアと記されているものもある。)
・シヌイ(※中国人という意味の発音と似ているため、それにより生まれたジョークもある)
・トゥアレグ(※サハラ砂漠に住む。当地では別名テルギ。)
・ムザビ
といったところだろうか。

また、ベルベルと一概にいっても皮膚、髪、瞳など外見もかなり違う。

例えば、
トゥアレグ族は“青い皮膚の人”という名で親しまれている。
(※他書によっては青い服と記すもいるが、アルジェリア人たちは青い皮膚と呼んでいる)
これは、桃太郎や金太郎に出てくる青鬼みたいなのを想像されてしまうと、ギャップに苦しむのだが、たしかに青みを帯びたようなダークなかんじである。
これは差別的ではなく、スペシャルという誇らしげな良い意味あいが含まれている。

また、同じ民族であっても、かなり違う。
たとえばカビリ人のなかには、あだ名で”赤い顔の人”“紅い瞳”というニックネームをつけられている人もいる。が、白い透き通るような皮膚の持ち主もいるし、浅黒い人もいる、緑の瞳や茶色い瞳、髪も黒だったり、栗色だったり、オレンジだったりと、一概にどうであるとは特定しにくい。

こう書いても、ぴんと来ないと思うので、日本人も知っていそうなアルジェリア人やアルジェリアの血が流れるハーフを挙げてみる。この顔ぶれをみると、少しはその意味がおわかりいただけるかとおもう。

・ジネディーヌ・ヤジィードゥ・ジダン(元ワールドカップフランス代表のサッカー選手:アルジェリアのベルベル系カビリ人)

・故イブ・サン=ローラン(著名ファッションデザイナー:アルジェリアのオラン生まれ)

・イザベル・ヤスミン・アジャーニ(フランスの有名女優:父親がアルジェリア人、母親ドイツ人のハーフ)

・エンリコ・マシアス(フランスの有名シャンソン歌手:アルジェリア生まれ)

・故アルベール・カミュ(ノーベル文学賞受賞の作家「異邦人」:アルジェリア生まれ)

・シェブ・ハレッド(世界的に有名なRai(ライ)ミュージックの歌手。ライの枠にとどまらず、音楽の幅が広い。それゆえアルジェリアよりも海外での人気が高い。以前は酒好きで有名、インタビューにも酒がまわっててまともに答えられなかったほど。近年やや控えているらしい。「ライミュージックの王」という異名を持つ。:アルジェリア人)

・シェブ・マミ(アルジェリア人。ハレッドと共に、アルジェリアを代表するライミュージックの歌手。「ライミュージックの王子」との異名を持つ。女性のような高音が美しい。暴力事件でフランスにて裁判沙汰になり、アルジェリアに逃げ戻ったばかり。以前スティングとのコラボ曲“Desert Rose"で海外でも一躍有名に。秘話:スティングはそもそもハレッドに依頼したが断られ、それでマミとコラボしたという話。)

・ラシッド・タハ(シンガー・ソングライター。オラン生まれのアルジェリア人、フランス在住。テクノやロックとライを混ぜた音楽を創り出している)

・ファウデル(アルジェリア系フランス人歌手。映画“アメリ”で有名なオドレイ・トトゥと映画“月夜の恋占い”で共演し、俳優としても活躍。近年自殺未遂をおこし、話題になった。

・ヤスミナ・カドゥラ(アルジェリアの作家。退役軍人。現役(軍人)の頃、カモフラージュに女性のペンネーム(ヤスミナ)を使い、アルジェリアの内部を暴く作品を書き始め、フランスにて出版。フランスをはじめとして、当時アルジェリアの情報収集に限界があった海外では、ヤスミナの本が重宝された。)

などなど。
どうでしょう、参考になったかしら?
アルジェリア人はこういう感じの人と、一概にはいいにくいのだ。

さて他民族のアルジェリアは、同じ国のもの同志であっても外見も生活習慣や価値観、話す言葉も違う。

アルジェリア人が海外に出ると、
アルジェリア人=アラブ人と全てひとくくりにされることはよくある話だ。

外国人がアルジェリア人を見て、シリアやヨルダンや、イエメンなどアラブ諸国の人間に見間違うことがある。(*アラブ諸国のアラブ人が見間違うことは殆どない。)

が、
ヨーロッパでは自国の人間にみえると、
ドイツ人にドイツ人と間違えられてドイツ語で話しかけられたり、
トルコ人にトルコ語で話しかけられたり
はたや
インド人に間違えられたという話も聞いた。
ほかにも色々ヴァージョンがある。

またアジアでは、アフリカ=黒人というイメージが強すぎて、

「アルジェリアはアフリカにあるの?でもあんた黒くないのにアフリカ人?おかしい!!」
などという台詞をダイレクトににいわれとか、

「あなたは肌が白いんだから欧米人でしょ!きっとイギリス人ね!アフリカ人だなんて嘘つきね!」と、勝手に決め付けられたという話も聞いたことがある。

かくいう私も数回このような場面に遭遇したが、これは同じアジア人としてかなり冷や汗モノであった。
時には、良く怒らないものだと感心したこともあった。

これらに類似する経験をしたアルジェリア人がかなりいる。

それほど十人十色の国。
でも、日本人が日本人を観ればすぐそれとわかるのと同じく、アルジェリア人も分かるという。

アフリカにも色んな人がいる。隣国でも違う。
この記事が少し参考になれば、ありがたい・・・かな。