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@アルジェリア

個人の視点で綴るアルジェリアのあれこれ。
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中絶強要未遂、アルジェリア歌手シェブ・マミに有罪判決と、レヴィやエンタメのダークな話

2009-07-04 22:07:49 | カルチャー&エンタメ
歌手シェブ・マミ裁判の続き。(事件内容などについては昨日のブログ参照)

フランス時間の昨日(3日)午後、シェブ・マミ、ミシェル・レヴィ、ほか2人に判決が言い渡された。

今回は結果だけ簡単に。
弱い者を誘拐・暴力・脅迫など謀議したとして、シェブ・マミに禁固5年、マネージャーだったミシェル・レヴィには禁固4年の判決が下った。
事件に関与した、且つ裁判に欠席した他2人の人物には、それぞれ3年と6年の禁固刑が発表された。

これで約3年間に渡り行われた調査も終わりを迎えたことになる。
なんとも不透明な事件である。

ミシェル・レヴィについては昨日も書いたが、再度ハレッドとハスニの件をまじえて触れたい。

アルジェリアでは、この事件のずっと前から、レヴィの芳しくない評判が出回っていた。
これは単にレヴィがユダヤ系だから(アルジェリアはイスラム教を国教としている)といった、単純な話ではない。

今回の件でも「レヴィに仕組まれたんだな」とマミに同情の声があがっているのは、逮捕にはいたらなかったものの、以前にも似たようなスキャンダルに関与していたからだ。

昨日のブログにも触れたが、レヴィはライミュージックの歌手相手にマネージャー的仕事をしている。

更にいうと、レヴィはファウデルやマミのほか、過去には世界的に有名なシェブ・ハレッドやアルジェリアでは大人気だったシェブ・ハスニ(故人)のサポートもしていた。

シェブ・ハレッドの件でいえば、レヴィはハレッドの1番目の妻をうまく裏で操り、妻はハレッドの金から何からをふんだくろうと、トラブルを起こした。ハレッドは、酒にはめっぽう弱かったが、どうやらレヴィの思惑通りにはいかなかったようだ。

しかし、1番目の妻はシェブ・マミの元パートナーといわれる女がお金を脅迫したり、芸能人としては致命的であるメディアの目(マミは裁判沙汰になった)にスキャンダルを持ち込んだりしたのと同じような手口でハレッドをトラブルの渦中に巻き込み、世間の目の前で憔悴させた。
この前妻はスキャンダル当時、悪妻(悪女)ぶりが目立ち、アルジェリアではハレッドに同情が集まったようだ。ハレッドはその妻と最終的に離婚が成立。激怒したハレッドはレヴィとも決別した。

ハレッドは世界的にも有名なのに、金の無い貧乏人としてもアルジェリア有名である。これも酒などにお金が消えたという人もいるが、彼に支払われるはずであろう多くのギャラは誰かの懐に入っていたといわれている。

故シェブ・ハスニの件では、アルジェリアに妻子がいるハスニに、レヴィはフランスで女性を紹介し、その女性との間に子供をもうけさせた。レヴィはこの女性と子供をうまく操り、ハスニを苦しめたそうだ。フランス人の女、子供、トラブル...この点も今回のマミのケースと似ているとは思わないか。

レヴィのやり方を聞いていると、まずは目的の歌手のマネージャーとなり、その男に近い女に取り入り、その女を操縦しながら(操縦できなければ自分の息がかかった別の女を登場させ)、相手の男をコントロールする方法をとっている気がする。こういった全てのシナリオ(計略)は彼の頭脳のなせる業ではないのか。

目的の歌手を骨抜き状態にして、全てをレヴィの思惑道理にコントロールする。レヴィなくして相手の男はアーティストとしても、ひとりの男としても生きていけないようにする。歌手のスケジュールから、人間関係、資産やギャラや版権も全て彼が管理する。それがレヴィの狙いだったのではないだろうか。

個人的予想では、ハスニにレヴィがフランスの女性を紹介して子供を産ませたという点で、マミの元パートナーといわれる女性も、レヴィがうまくセッティングしてくっつけさせたのではないかとも推測できる。

何せ、マミの元パートナーといわれる女性とレヴィには、ライミュージック、フランス人、フォトグラファーという3つの共通点がある。

マミの元パートナーは、ライミュージック専門に撮影していたフォトグラファー。
レヴィは女性を専門に撮影するフォトグラファー。女性のエロティックな写真を撮る魔術師のような男が、女を誰かに紹介するのはお手のものだったはずだ。そしてライミュージック歌手のマネージャーをしている。

レヴィはこの女もマミも操ろうとしたが、結局のところシナリオ通りには事が運ばなかったのではないか。女はレヴィをも有罪にしてしまう裁判という反撃に出たとも考えられる。裁判が終わってしまった今となっては、彼らがどのように知り合い、どういう過程でこのような出来事がおきたのかといった全体からこの事件を見ることは出来なくなってしまった。

まあ、エンタメは所詮世界のどこでもダークな世界だ。
政治とマフィアと、金、ドラッグなど色んなものが複雑に絡み合っている。
日本でいえばマフィアはヤクザだが、マフィアはマフィアでも、表面的にはそうであるのとないのとがある。警察-やくざ-政治がきっても切れない仲なように。

アメリカのハリウッドを中心に世界のエンタメはユダヤ人によりコントロールされている。銀行やメディア、宝飾などもそうだ。大きな金が動くところにユダヤ人が必ず存在する。政治など重要なポイントにおいては、彼らは決して表面には現れず、水面下で誰か(それが自分たちの下っ端のユダヤ系だったり、或いはムスリムだったりクリスチャンだったり、信仰をもたないの人間だったりを)巧みに管理している。水面下で動くのは、万一問題がおきても、失脚するものは表立っている人達だけで済む利点もある。

何故ユダヤ人がその業界をコントロールするのか?と疑問を投げかけられた場合を考え、この話を簡単に説明する。とっても昔、イスラム教とキリスト教では、金は汚らわしいもの、危険なものとされていた。だからそれに関わる商売をすることを避けるきらいがあった。しかし、ユダヤ教ではそういう見方をしていなかったため、彼らはこの2宗教が手をつけない産業(上述の銀行の前身となる高利貸しなど)に目をむけ、そこから大金を稼ぎ出した。

エンタメに話を戻す。この業界は大金が動くし、政治と同じくダークな取引がたくさんあるから、オフレコの話が沢山存在する。このタブーにタッチしてしまい、職や命を落とすものもいる。

レヴィも所詮は下っ端で、裏にはレヴィをあやつる別の人物(黒幕)がいるのではないかとも囁かれている。女性もマミもレヴィも、それぞれに自分が不利になるからこそ言えない事情があり、真実は永遠に語られることがないのかもしれない。

これはまた別の事情によるが、妻子の目の前で射殺されたハスニ。
自殺未遂を起こしたファウデル。

レヴィと関係のあった男たちのまわりには、女と子供、金、死といったスキャンダルが色濃くつきまとっている。ただし、誰かに操られていたとしてもスターを見る目は確かだったと思う。実際彼がサポートをした歌手は、世界的にも名の知られるアーティストとして成長している。

ほかにも色々話はでてくるのだろうが、これだけでもかなり類似した出来事がレヴィの周りで起きている。アルジェリア人たちが、レヴィという人物は目的のために手段を選ばない奴だという印象をもっているのにも合点がいく。

マミは起きた出来事においては反省しているようだが、判決が起きても一連の暴力行為に対して無罪を主張しているという。

近い将来世間がこの騒ぎを忘れ始めたころ、マミに何らかのニュースが訪れるかもしれない。マミはあの歌声を失わない限りは、エンタメの世界で金を稼ぐことの出来る駒となるだろうし、世間の誰かは何年も金の鳥を刑務所に放っておかないだろう。

このお話はまた、その時にでも。

判決はフランス時間の本日午後、シェブ・マミ、レヴィに7年の求刑か?!

2009-07-03 19:03:06 | カルチャー&エンタメ
昨日のブログにちょこっと触れた、シェブ・マミの話のつづき。

Prince Of Rai-ライミュージックの王子といわれる、シェブ・マミ。
プリンスといわれているが、既に42である。
シェブとは小さいという感じの意味で、マミもあだ名。
アルジェリアの歌手の中には、シェブ・ハレッド、シェブ・ハスニとかシェブがついている人たくさんいるけれど、シェブは苗字ではない。
ちなみにマミの本名は、モハメッド・カリファティ。

近年は歌どころではなく、スキャンダルで世間をにぎわしている。
2005年の暴力事件で、この数年フランスの裁判所にて訴えられているからだ。

裁判を起こしたのはマミの元パートナーとされるフランス女性《職業:(ライミュージック関係を主に撮影していた)フォトグラファー。43歳》。
当時マミの子供を宿していた彼女をマミが自宅に誘拐して拘束、強制的に堕胎させようと暴力をふるった(流産するよう薬づけにするなどして虐待)、強制的に中絶させようとしたというもの。

※マミが数人と共謀で出張を目的にパートナーを連れ出し、アルジェリアのマミの別荘へ誘拐。マミが彼女に自分の子を産ませないよう、堕胎効果のある薬を混ぜたオレンジジュースをのませたともいわれている。

マミとならびにそれに関与したとされるミシェル・レヴィ(ル=コリ)(元マミのマネージャー。)ら数人も同時訴えられている。この事件で人権問題だなんだと、マミに批判が集中。

裁判は長らく続いており、マミは刑務所暮らしが10年くらい、罰金15万ユーロになるのでは?と世間を騒がせていた。

先日アルジェリアに飛んだものの、判決の日に不在となっては更に不利な状況におかれることをおそれ、裁判所に出廷するためフランスへ戻ったマミは、オルリー空港にて身柄を拘束されたようだ。

話を聞いていると、何でそんなにややこしいことになったのか??と、疑問が沸く。この事件は表面的には道理が通っているようにみえるが、実のところ複雑そうだ。

アルジェリアではマミに同情する声も挙がりはじめている。

というのも、この元パートナーの女性は彼女は金目当てでマミに近づいたという話で、女性が当時「この話(暴力沙汰の件、妊娠に対し中絶を迫る)を誰かにばらされたくなかったら、3万ユーロ払え」とマミに迫ったとか。マミはこの要求を拒否したが、当時マミのマネージャーをやっていたレヴィが彼女に5千ユーロを渡し、残りは後日払うといった。しかし、そのお金がいつまでも支払われないことに激怒し、ことを大きくして反撃(強制中絶させられたと裁判)に出たという噂が陰でまわっているからだ。

デビュー時からマミを知る人達は、彼にはビジネスをしたり、世間をうまくわたっていく能力もない。どちらかというと、無口なほうでおとなしく、不器用。ただの歌バカだという。いくら歌声がよくても、人付き合いも下手なマミがアルジェリアの1スターが世界的に活躍できるようになったのは、多くの有能な人々が周りについていたからであり、近年ではレヴィの影響がかなり大きかった。また、マミは人に操られやすく、悪意があって近づいてきた人も利用しやすかった、騙しやすかったため、トラブルに巻き込まれやすかったという意見もある。絶対誰かにいいように使われていることに気づかず、知らぬ間に自分で自分の首を絞めてしまったのではないか?と。

一説には、マミはこの暴力事件を直接関わってはおらず、彼の指示によりレヴィがほか2人と共謀してことに及んだとも言われている。

だが、“マミに頭脳的犯罪を思いつくほど頭がよかったか?!誰かの頭脳とアイデアをなくしては、無理だろう。レヴィが考え付いたならまだ合点がいく。
”と彼を知る人は疑問に感じているそうだ。

それはマネージャーのほかにフォトグラファーの顔をもつレヴィは、口達者で弁がたち、相当なやり手だったらしい。

(余談:さて、このレヴィ。マミのほか、同じくフランスで活躍する歌手兼俳優のファウデル(自殺未遂をおこしたあと、自伝書を出版し、それも話題になった)のマネージャーもしていたそうだ。レヴィの周りにトラブルはつきものなのか?!)

個人的に「?」に思う点は、この噂のなかに潜む矛盾点と、もうひとつはこの女性の態度。
私はこれくらいひどい目にあったのよ!!と訴える姿、真実がどうであれ、彼女は計算高そうだなと思う。
ところで彼女は妊婦の時上記の薬を無理やり飲まされたけれど、フランスに戻って検査をうけたら堕胎していなかったと言い、数ヶ月後に女の子を出産。
その子は今や3歳くらいになっているはず。

それにしても、マミよ!
周囲に頭が悪いと思われているとは...。
それはそれで可哀相な気もする。
となると、やっぱり利用されやすいのかな?

マミは「自分は罠にはめられた」と、裁判中泣きそうになっていたそうだ。
また虐待や暴力に関して、マミは一貫してこれを否定。

ここにはアルジェリアやフランス、国や大衆を巻き込み、カネと欲望、宗教、文化と人種差別が複雑に絡んでいるような気がしてならない。

フランス時間の本日午後判決が下される予定。
あと、数時間後かな。
つづきは、また!