脱力日記

スポーツ、本、映画ときどき仕事。自分の身の回りにある、ふとしたことを書き留めたいと思います。気軽にコメント下さい。

サッカーと蹴球とフットボール

2014-05-30 01:28:00 | 日記
先週末、御殿場オーバー35の8人制に出場してきました。結果は準決勝でPK負けを喫しましたが、大きな収穫を得た気がしています。

他チームからも、

あんだけ繋げたら楽しいだろうなぁ、とか。

あんなチームと試合して見たいね、とか。

お褒めの言葉もいただきました。

恐縮です。

私たちがこだわってきたのは、

距離感。

この言葉を、ある程度、チームとして表現できるようになった。それが、見た目の良さに繋がってきているのかもしれません。

ここで、自分なりに距離感という言葉を整理しておきたいと思います。

サッカー観戦初心者の方や、指導者に恵まれない悩める中高年代のプレーヤーに届けばいいな、と思いつつ…書きます。

まず、距離感という言葉をコンパクトという言葉に置き換えてみましょう。
そして、なぜコンパクトなサッカーをする必要があるかを考えてみましょう。

例えば、あなたのチームに、そのレベルで、イブラや、ロナウドのような選手がいるならば、コンパクトにこだわる必要はないでしょう。

バックラインを下げて、守るだけ守って、エースに何とかしてもらう。それで勝てるなら、それで良し。

しかし、スーパーな選手がいない場合、どうするか。

そこは、組織、集団で上回るしかありません。

スペインやバルサが、なぜコンパクトなポゼッションサッカーにこだわるのか。

答えは、そこにあります。

彼らは、我ら日本人と比べても体のサイズに大きな違いはありません。

高さや強さに偏ったオープンなサッカーでは、到底、スウェーデンやイタリアには太刀打ちできない。

そんな弱者の論理から、コンパクトなサッカーは産まれてきているのです。

では、ピッチでどう振る舞うか。そこに話を移しましょう。

まずは、密集を作ることが始まりです。例えば左サイドにボールがあるとすればFWも、ボランチも、とにかくそちらに絞ります。ポジションごと、ギューッと小さくなるのです。

そうすると、かなり、接近した距離感が生まれてきます。そして、相手が普段通りの距離感ならば、ひとつのゾーンで我々は数的有利に立つことができるのです。

それでは、その距離感を自ら壊さない方法は何でしょう。

攻撃側だとしたら、もちろんショートパス、そしてドリブルとなります。

せっかく相手より、人数をかけて同サイドに集まって、数的有利を作っているのに、自ら長いキックでサイドチェンジをしてしまっては、自爆行為になってしまいます。

これは簡単な理論です。

○が味方、×が敵とします。


1
×-------- × ---------- ×----------×
⚽︎
○----○----○-------------------○

左サイドに集まった味方選手、もし右サイドに展開してしまったらどうなりますか?

あれっ、2対1の局面になってしまいます。
そう、自分たちで数的不利を作ってしまうことになるわけです。
何となしのサイドチェンジは実は危険な行為なのです。だから、数的有利があるならば、同サイドを攻めるべきなのです。


2
×---×---×---------------×
⚽︎
○--○--○-------------------------○

これは事情が違います。
私たちの密集に対し左サイドに相手も集まってくれました。

サイドチェンジすれば、右サイドは1対1の局面が作れます。

もし失敗しても右サイドの選手が、すぐさま守備に切り替えれば痛手は少なく済みます。



次は縦展開について。
これも横展開と、理論は同じです。


1
⚽︎(タッチライン外へクリア)
×-----------×----------×----------×

○------○-----○-----------○

○⚽︎



2
………⚽︎(タッチライン中へクリア)
×-----------×----------×----------×

○------○-----○-----------○

○⚽︎

後ろの選手がプレッシャーを受けクリアしてしまったとします。

1と2どちらが、危険度が高いでしょうか?

私の答えは2になります。

クリアボールをGKが繋ぎ、逆サイドに展開されたらどうなるでしょう。攻撃時に、左サイドに絞っていた私たちはスカスカの右サイドを攻撃されることになります。

逆に1は、スローインでの守備開始となり、切り替えさえ早くすれば、数的有利の同サイドのまま、ボールを奪い返せるチャンスが存在しているわけです。

サッカーは表裏一体です。
攻撃時に数的有利ならば、奪われた瞬間、守備側に立った時も数的有利は継続中です。そこで奪い返せば、永遠に数的有利は続いていきます。

と、こんな理論。
日本人には、少し受け入れにくいと思います。

なぜなら、

体育でサッカーをやった時、
先生にこう言われたことはありませんか?

ボールにばかり密集するな。
ポジションを守れ。
ちびっ子サッカーじゃねぇんだぞ。

そんな意見が刷り込まれると、

ボールが右へ左へ展開されるサッカーが自然と、いいサッカーだ。と勘違いしちゃうもんなんです。

ボールは動いても、相手に全く脅威になっていない、それなりのサッカー。

でも本当は、ちびっ子サッカーが正解なのです。もちろん、頭で理解した、あえてゴチャゴチャするのですが。

最後にもう一押し。
コンパクト、距離感の狭いサッカーになると、もちろんショートパスが多くなります。

ここが、一番、理にかなった部分だと思います。

簡単なことです。

ゴルフに例えます。
アイアンとドライバー、どちらが正確ですか?

だから、サッカーだってロングキックより、短いサイドキックを連続させた方が正確なんです。

ピッチに立つと、サッカーは肉弾戦でもあります。すると、思いっきり走って、思いっきり長いボールを蹴って、相手と競り合うことで、汗をいっばいかいて、それなりの充実感を得ることができてしまう、怖いスポーツです。

ある著名な指導者に、少し馬鹿にされながら、こんなことを言われたことを思い出します。

お前、サッカーやってたのか。
でも、多分、それは蹴球だな。
フットボールではない。

今なら分かる気がしています。

もし、若者がこの文章を読んでくれているならば、

体じゃないよ、ピッチでは頭を使うべし。

ぜひ、フットボールを、やって下さい。




左ハーフ

2014-05-19 01:27:19 | 日記


ヨハンクライフのサッカー論。
二見書房より1600円で発売されております。

読後感的には、少し高いかなという印象。近くに持っている人がいれば、レンタルされることをお勧めします。

ま、少し割高な本で、面白かったところをご紹介。

最後の方に、各ポジションについて必要な能力を分析するコーナーがあるのですが、

興味深かったのは、ハーフ、MFの部分。

クライフは、右ハーフと左ハーフでも、必要な能力は違うことを力説。
なんでも、右より左の方が、はるかに大事なボジションであるそうです。

以下ちょい抜粋。

私のサッカー論における左ハーフは、ある程度動けて、それなりに守備ができれぼよく、何よりサッカーがうまいことが求められる。スルーパスや相手の守備を切り裂くようなキラーパスが出せる選手だ。

私も左ハーフを常々やってきたので、少し鼻高々となったのですが、
あくまで、これ、4-3-3システムの話。私がやっていた左ハーフは、クラシカルな4-4-2だったので、全く別物となるわけでございます…泣。

しかし、面白いですよね。
チームで一番上手くて、魅力的な選手は左ハーフに起用してきたらしい。しかも、左利きがベストだそうです。

一番上手い選手がトップ下とか、ボランチじゃないんですよねぇ。これは意外でした。

そこで、W杯で4-3-3布陣において、左ハーフをつとめるであろう選手をザーッと調べて見ると

グスタポ(ブラジル)
ウィルシャー(イングランド)
ファンデルファールト(オランダ)
モドリッチ(クロアチア)
遠藤(日本)?
そして
イニエスタ(スペイン)
ディマリア(アルゼンチン)

となる。

やはり、クライフの母国オランダは、きっちり、その法則を守っている。

ファンデルファールトが、オランダで一番上手い選手か、どうも合点が行かないけれど。

ウィルシャーも、クライフ的にはビンゴな起用か。

なかでも、納得してしまうのは、イニエスタとディマリア。

うん、この二人、サッカー頭は世界でも図抜けている気がする!

妙に説得されてしまうクライフ論。

ブラジルでは左ハーフに注目、なんであります。

逃げ

2014-05-19 00:16:14 | 日記


逃げるな

これは、大会など大事な試合のセットプレーで私がチームメイトに掛ける言葉です。

いつか、どこかの、相手チームの誰かが言った。その言葉を、しっかり転用させてもらっています。

全てを内包している、素晴らしい表現。

サッカーは団体スポーツですが、個人のミスで負ける試合は、ご存知のように多々あります。

特にセットプレーは、1対1の局面になりやすく、失点すれば、責任が明確になってします。

だから、

人間は本能的に楽なところを選びます。身長の低い人間、ゴールから遠い人間。

俺のせいで負けたくない。

そんな、気持ちが積み重なると、一番ヘディングの強い選手を見失い、痛恨の失点を喰らうことになる。

だから、声を出さなければ行けません。マークをハッキリさせなければなりません。

そう、局面は動いています。
プレーはすぐ再開されます。
迷っていたり、弱気になっている時間はグラウンドにはないのです。

バルセロナ1-1Aマドリー。

バルサが優勝を失うことになった失点は、コーナーキックから一番注意すべき相手DFのゴディンにドフリーで決められたものでした。

誰かが逃げた。のです。

誰かが声を、掛けられなかったのです。

プジョル、ビクトールバルデス、守備の要が去ります。

後出しジャンケンになるけれど、栄光のバルサ時代を支えていたのは、DF陣だった気が、今するのです。

まさに、サイクルの終焉です。

バルサが補強すべきは、前線ではありません。

過去数年行われているマーケットでの失敗は、もう繰り返してはならない。

相手ベンチで、声を枯らし続けたシメオネが、より輝いて見えます。

サッカーとは、
攻めと守りが一体であるスポーツである。

一番大事な基本中の基本を、バルサは失っていたのです。

思い込み

2014-05-06 00:29:26 | 日記
意識の差。

結局、勝負を分けるのは、気持ち、メンタルなんだなぁ、と強く思った試合がありました。

大学サッカーを見に行ってきました。

中京大3-0愛知学泉大。

中京大は東海1部。Jリーグへの入団が決まっている選手もいます。

学泉大は2部。

でも、前半は0-0でした。

しかし、後半急速に学泉大は失速します。

客観的に見れば、チャンスはたくさんあったのに…

あぁ、もったいないなぁ。

その試合の内容ではなく、前評判、実力差を勝手に意識しすぎて、メンタルがどんどん萎んでいくのが見て取れました。

誰かが、

この試合、ほとんど差がないぜ。
いけるよ。

そう選手を説得できたなら、結果は大きく違っていた気がします。

この年になって本当、思います。
ちなみに38です。

負の思い込みは、どんな要素よりも悪です。

サッカーに、まだ真剣に向き合える環境にある、高校生や大学生に、声を大にしていいたい。

無理から、頂点を目指してください。無理から、日本一を目指してください。

そうすれば、今より必ず高い位置に行けるハズです。確実です。

出身校や実績なんて関係ない。

気持ち次第で、勝てるのです。

始めから負けを覚悟して戦うなんて、

あ~、もったいない、もったいない。