見出し画像

伊勢根付職人 梶浦明日香の『手のひらの幸せ』

根付とは①

と、ここまで自己紹介をしてきて、

本当は、『凛九』や『常若』の紹介まで
先に自己紹介でする予定だったのですが・・・

もう、いい加減


で、伊勢根付って何〜?


ってなっている頃だと思うので、

ここで一旦自己紹介をお休みして
(まだ続く予定ですぞ♪)

伊勢根付についてご紹介させていただこうかな♪

 

・・・

私が受け継がせてもらっている伝統工芸は、
伊勢の根付。

今日はまず、根付についてご紹介させてください。

根付は、
着物の帯にひっかけて印籠や巾着などを提げるための道具です。

(↓写真の帯の上にある、印籠を落ちないようにひっかけている
蓮の蕾のこと。)





大体3〜4センチの小さな彫刻で、
基本的に丸いデザインがいい根付と言われます。
(帯を傷つけたりしないため)


へぇ、そんなのあるの知らなかった〜。
と、いう方、

日本人にはあまり知られていませんが、
欧米には、よく知られた存在なんです。

イギリスで、2010年
その年一番の本、ブックオブ・ザ・イヤーに輝いたのは
こちらの根付の本、
『琥珀の眼の兎』という
根付をめぐるノンフィクションの本なんです。
大人気!!
大通りを歩いていて、
店のショーウィンドウに根付が飾られている店を
イギリスでもフランスでも発見します。
(他の国は、行ってないからよくわからないのですが、
この2つの国では、ふとアンティークショップを見ると
根付があったりします)



さらに、大英博物館などでは、
日本の4大芸術の一つとして
根付を紹介したりと、
日本を代表する伝統工芸なんです。



私が大英博物館に行ったときは、
ワンフロア(レベル5だったような)全部日本の展示で
その日本の展示の一番最初に紹介されていたのが
根付でした。





ちなみに、日本の4大工芸として紹介されているのは
『漆・刀・浮世絵・根付』


他の3つはよく知られているのに、
根付だけ知らない〜・・・
なんで〜?

という方、

良い質問です!!


それは、根付の歴史が大きく関わっていて、

根付は、発祥については
はっきりしたことはわかっていないのです。
ただ、江戸時代に栄えたことは間違いなくて、

江戸時代後期には、
大名や旦那衆が競って凝ったデザインを
洒落、おかしみ、粋な遊び心をふんだんに盛り込み、
日本中であたりまえにつけられていた物でした。

日本が開国し、明治となり、
日本を富ませ、強い国にしなければと
(富国強兵策ですね)
外貨を獲得するために
日本政府は日本の工芸品を海外に輸出することを推奨するんです。


そんな中、根付は
・小さくて大量に船で運べたこと
・日本ならではの工芸で、細かな彫刻などの美しさなどから根付が海外でとても人気があったこと
 

などから、表に出ている根付のほとんどは
海外に流れてしまい、
また洋服文化がどんどん一般的になっていき
その需要の低下とともに
日本ではほとんど見ることのできない工芸品となっていったのです。



最近では、そういった日本の宝が日本で見られないことを危惧した
心ある方々が、海外から買い戻したり、
現代の根付作家を応援したりして、
少しずつ根付を見ることのできる博物館なども増えてきました。

東京国立博物館には、
日本の根付の蒐集・研究の第一人者である
故高円宮殿下が妃殿下とともに蒐集された、現代根付を
見ることができます。
展示詳細
https://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=item&id=5243&lang=ja


また、京都には清宗根付館という
根付専門のそれはそれは美しい美術館もでき、
日本でも根付が見られるようになってきました。

清宗根付館
https://www.netsukekan.jp




ふ〜、やっぱり長くなってしまいました。
いつも最後まで読んでいただきありがとうございます。

まだ、伊勢根付のことも、
根付の楽しみ方のことも書いていないので、
それはまた次回にさせてください。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「根付とは」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事