桜ふる路
英語をツールに、できることをしたい。
踏み出しつつふだん感じ、考えたこと。
 




前回からつづき)


昨日は正倉院展を見ただけで、致し方なくとんぼ帰りしてきてしまった奈良。
でも、あきらめきれない。。。

奈良では、他にも見たいものがある。それは、別に絶対今日じゃなきゃいけないわけでもないのだけれど、とどのつまり、
昨日あんな展開になって、くやしい。

ので、今日も奈良に来てしまいました。
あわよくば、もう一度博物館の近くに行けないかなと…


でもせっかく奈良なので、前から行きたかった薬師寺(やくしじ)に、最初に行くことにします。法相宗の大本山で、世界遺産です。
(公式サイト→奈良薬師寺 公式サイトYAKUSHI-JI TEMPLE Official Web Site

トップ写真は、近鉄西ノ京駅で降り、南向きに撮ったもの。
看板にあるとおり、駅の東側からすぐ寺へ行けるようになっています。迷いません。

今日は準備万端、朝、家の用事を済ませてすぐ出てきたのでバッチリ…
のはずだったが、この時点で時計は11時をまわっていた。やっぱ奈良、ちょっと遠いか…





看板のとおりに歩いてくると、バス通りにぶつかり、前にこのような門が見えます。
ここで右を向くと、有名な東塔・西塔などがある白鳳伽藍の北門、與樂門が見えます。
でも、せっかくなのでこのまま進み、中の様子を見てみることにします。

すると、目の前に現れたのは―




わあ!この眺め
あれは玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)院伽藍(がらん)、中央が「礼門」
(地図は、上の公式サイト内「紹介」から「伽藍案内」ページで確認して下さい)
広い空間に真っ青な空、すがすがしいです。

中は後で見ることにして、先にメインの白鳳(はくほう)伽藍へ行きます。






白鳳伽藍に面したほうの門





白鳳伽藍の北門、與樂門。最初に右に見えていた門ですね
ここをくぐって、チケットを買います。





すると、アプローチの両脇に、ムラサキシキブ
思わず撮っちゃった。ピンボケだけど。やっぱりお寺には、つきものなんでしょうかね


最初に、東僧坊に入ります。
ここでは、多くの客たちがお坊さんの法話に聞き入っていました。
そういえば、薬師寺のお坊さんの法話はおもしろいことで有名?だって、昔修学旅行で来たとき聞いて、そのときも実際おもしろかったなあ。。。

30分くらいの法話だったのでしょうか、私は最後の数分しか聞けなかったけど、やっぱりおもしろかった。
知らないこともいろいろあって、勉強にもなりました。(ネタバレになるから書きませんが)
わかりやすくお話してくださる中、皆が自然に足を止め、腰を下ろし、うんうんとうなずき、時に笑いの渦が起こり。。。
何かとっても和やかでいい雰囲気。こういうのは、理解も親近感も増して、よい機会かもしれませんね。





東僧坊を出て





すぐそばにある梵鐘





そして目の前に現れた、白鳳伽藍の建物たち
左から東回廊、東塔、中門、金堂。
(地図は、上の公式サイト内「紹介」から「伽藍案内」ページで確認して下さい)
白鳳時代の東塔以外は、人々が写経を納めること(お写経勧進)によって、昭和・平成になってから復興されたそうです!すごい…
(写経は、先ほどの東僧坊でも販売していて、家で書いて郵送できる様式になっています)





東回廊の中から見た金堂




東回廊。凛とした空間



今日は修学旅行の中高生達の姿も多く見かけますが、ここで彼らの驚き声がしたので思わず振り向きました。
すると、そこにあったのは、





これ。(薬師寺さんごめんなさーい、お手洗いなんぞ撮ってしまって…)
彼らが驚いていたのは、その看板。「善男子」「善女人」って、書いてあるんですね。

そっか。こういう気の緩みがちな瞬間であっても、善であれということか。あるいは、私たちの心には必ず善があるはずだ、ということか。

うーむ、このさりげなさ、センスを感じるというか、実は説得力抜群?!
おそれいりました~





その、ムラサキシキブの隣に、白い実バージョン発見!
シロシキブ、とでもいうのでしょうか?これもかわいらしい





東院堂。
中には、白鳳時代の聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)と、四天王が祀られています。観音様、美しい像と言われるだけあって、きれいだった





中門へ向かいます。お抹茶席の赤い傘も風景のアクセント




中門。大きくて立派
向かって左には、







西塔、





右には東塔が頭をのぞかせます

さあ、ここをくぐると、




金堂圧倒されそうな大きさ

中に祀られているのは、薬師三尊像
(写真は公式サイト内で:月光(がっこう)菩薩、薬師如来、日光菩薩)です。
薬師如来像は、7世紀天武天皇が、皇后(のちの持統天皇)の病気回復を祈って発願したのでしたね。




中門の中からの眺め。見えるのは南門







西塔。16世紀に焼失するも、昭和56年に復興されたそう





東塔。これは白鳳時代
各層の「ひさし」(=裳階:もこし)のため六重に見えるけど、実は三重塔で、このリズム感から「凍れる音楽」と呼ばれることは有名ですね





金堂を抜けて、さらに後ろにあるのが大講堂。大きい~
これは平成15年に復興されたばかりのようですね。
どうりで、新しい雰囲気…

中には、弥勒三尊像が祀られています。
日本最古の仏足石(仏様の足跡を石に彫ったもの)、釈迦十大弟子像(平成期)もあります。
すべて、写真は公式サイト内にて見れます。





屋根にきらめく黄金色の鴟尾(しび)



再び東僧坊を経て、白鳳伽藍を出ます。


そういえば書き忘れましたが、そもそも最初の東僧坊の前に、大宝蔵殿の特別展を見ました。
玄奘三蔵の木像や絵、壁画の模写など、それに国宝の「吉祥天画像」が展示されていました。

吉祥天の絵は、後ろにたなびく衣装のふんわりした感じが見事に表現され、とてもきれい!
また館内は、生花が豪華に生けられ、ケース内の像の前にも菊が一輪ずつ供えられ、美しい空間でした。
春は4~5月、秋は10~11月10日、つまり今日までの特別展だそうで、ラッキーだった




話を戻すと、そして最後に、初めにちょこっと見た玄奘三蔵院伽藍へ向かいます。

玄奘三蔵は、「西遊記」の三蔵法師として有名ですね。
公式サイトにもありますが、その教えの流れをくむのが法相宗で、よってここに祀られているんですね。
玄奘塔の後ろに壁画殿がありますが、そこにある平山郁夫画伯の「大唐西域壁画」に、圧倒されました!

特に印象に残ったのは、西域の古城(だったかな?)を描いた絵でした。
照りつける日光、焼ける土、そよぐ熱風、舞い上がる砂。。。
そういう光景が、今にも肌に感じられるようで、見ているとその黄色の世界に吸い込まれそう―
こういう絵には、何か魂が入っているような感じすらしますね。芸術ってすごいなと思います。

もし機会がおありの方、ぜひ見てみてください!
玄奘三蔵院伽藍の公開は春と秋、今年度の秋は11月25日までのようです。





伽藍を出て、礼門の前に立って見た眺め。中央は東塔



――

ふう。
白鳳時代といえば薬師寺、勉強した~
速めに歩いたつもりだったけど、たっぷり2時間かかった。
ま、私の場合一箇所2時間は標準ですが、うーでもこうしてはいられない。
次の目的地へ、すぐ向かいます。

この薬師寺の近くなんですが、ご存知の方はどこだか、わかります、よね?


...まだまだつづく




コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
根性ですね (otaco)
2006-11-14 20:49:28
二度も奈良へ足を運んだんですね。
もう、根性です。すばらしい

世界遺産って、やっぱ世界遺産だけありますよね。
私は、姫路城に行ったときそう思いました。
だから、薬師寺も本物はすばらしいと思います。
写真でも「すげー」と思うから、やっぱ本物だと感動もひとしおでしょう。
本物見たいなぁ~
 
 
 
otacoさんへ (アスタ)
2006-11-14 21:10:55
otacoさん、さっそくのコメントありがとうございます!
ラッキー、私もまだオンラインでした。

根性。根性でしたねえ。自分でもびっくりだったりして。
2日連続、歩き通したので、翌日気のせいか、お尻のあたりが引き締まったような気さえしましたよ。
え、これってよかったってこと?
(でもやっぱ、気のせいやろなあ…怖くて確かめられない

>世界遺産って、やっぱ世界遺産だけあります
と思いますよ。何というか、迫力や雰囲気が、違うんですよね。
姫路城も、すばらしいですもんね!

ふつうお寺って古い建物ばかりだけど、薬師寺は記事にも書いたように、新しいのが多いので、それはそれで美しかったです。
奈良はまだまだ見るべきものがあって、なかなか手ごわそうだ。。。!
 
 
 
薬師寺名物♪ (うめもも)
2006-11-15 17:49:11
アスタはん、まいど~♪
たぶん、高田好胤(たかだこういん)さんだと思いますよ~。お亡くなりになってしまいましたね~。
私も、修学旅行で薬師寺に行き高田管長の法話に魅了されました。
お上手ですよね?
お写真を見ると、東塔西塔の配置で思い出します。
私は、今回は廊下のお写真が気に入りました。
美しい!

しかし、奈良二回行ったのね~。本当ど根性だわね~
お疲れ様でした~。アスタはん
 
 
 
うめももさんへ (アスタ)
2006-11-16 21:23:35
そうそう、そうでした(って、お名前正確に思い出せなかった不届き者の私…
他界されたのもニュースで聞いて、残念に思ったものです。
でも、今回のお坊さんのお話もおもしろかったですよ。‘伝統の話術’なのでしょうか、なんて。

そう、私も修学旅行で来たとき、大講堂とかなかったから驚いたし、あの時はたしか天気がよくなかったので、今回は別の場所に来たような新鮮さがありました。

よかった。回廊の写真、トリミングもして明るさ等も修整したかいがありました

ありがとうございます。奈良、遠いけど、しんどくてかなわないってわけでもないんだから、もっと早く、何度も訪れていればよかったデス

そういえば次からの記事、うめももさんにはひょっとしてネタバレになっちゃったりして?
でもよかったら、予習だと思って(えーっ?)見てやってくださいませませ。
 
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