汗と涙の着物生活 

突如着物に目覚め、ついに着物作成に挑戦。着付けに涙し、とどまらぬ物欲に冷や汗の毎日。

京都歌舞伎旅行(2)~京都布紀行

2011-12-26 | 歌舞伎
すっかり更新が滞ってしまっているこのブログ。
例年にまして仕事が忙しいせいもあるが、他の方のブログをのぞかせてもらうと、しっかりとまめに更新されていて、忙しさは言い訳にならんと反省。
気持ちを取り直して京都旅行の続きをば。

今回の京都旅行のメインイベントである南座観劇は、旅行2日目の昼の部。
1日目は京都観光を楽しむ心づもりだったので、ホテルで着物に着替えさせてもらったあと、さっそく黒猫さんと二人で街に繰り出した。

実は今回の旅行は、裏には「着物合宿」という目的もあったのだ。
「着物合宿」-それは、着物好きな者同士が、着物関連グッズのメッカである京都を堪能しようという、恐ろしくも楽しい旅なのである。
合宿を実りあるものにしようと、事前に私が購入したのが、七緒別冊「着物好きに。京都買い物図鑑」というムック本。
奇しくも、この旅行を企画した今年の秋に発行されたもので、まるで私たちの旅のために発行されたかのよう(←言い過ぎ(^^;))

そこで掲載されているお店の中で無性に気になったのが、バッグなどのオーダーグッズ。
もしオーダーできるなら使ってみたいと、いくつか、家から布類も見繕って持参してきた。

まず訪れたのが、宿から最も離れていた「カクカメ」さん。亀田美樹さんという女性が開いている「がまぐち」専門の工房だ。



ここでは、亀田さんのコレクションの布でオーダーしてもよし(海外の素敵な布コレクションが豊富!)、手持ちの布でオーダーしてもよし。
私は、祖母が普段締めていたという博多織の半幅帯を使って、実家の母と自分用に、バッグ・イン・バッグになる、大きめのがまぐちをお願いした。
実はこの帯、母にとってはよほど祖母の思い出が強く残ったものであったらしく「絶対に捨てないで」といわれていた。
とはいえ、自分で使うには少々くたびれ気味。そこで私自身がこれを使って、何か袋物でも作ってプレゼントしようと画策したものの、挫折した苦い経験があったのだ。
今回、亀田さんにお願いしたことで、胸のつかえが取れた気がする♪

気分が舞い上がった私は、さらにずうずうしいお願いをしてしまった。
染色教室で染めたものの、予想通りの出来上がりではなかったこともあって死蔵していた布(「謎の飛行物体柄」)があったのだが、それを何かにできないか、相談してみたのである。

「こんなの自分で染めたんですが…」とためらいながら取り出した布に対して、亀田さんは予想に反し「わ、これで何か作りたい」と、前向きな反応!
布を大きく使うとしつこいが、亀田さんのアドバイスの通り、柄の一部をピックアップして小物に使ってみると、あら不思議。えらくかわいいではないか。

さらに舞い上がって、足が宙に浮くほどだった私は、こちらの布でも別の形のがまぐちをオーダーしてしまった。
出来上がりは1月に入ってから。こうご期待。

さて、すっかり布気分で盛り上がった私。
次に訪れたのは、縄手通りにある老舗「ちんぎれや」だ。

このお店、名前だけは知っていたけれど、この界隈にあるということは全く気付かなかった。
南座にも近いのでこれまで何度も通りかかったはずだけど、この縄手通り、四条通りから入ってしばらくは、なんというか新宿歌舞伎町っぽい雰囲気があって、奥まで行ってみようという気がなかなか起こらなかったのだ。

しかし、ここは何と危険な通りなのか。(歌舞伎町っぽいことではなく)
着物好きが訪れたら、物欲に駆られて身ぐるみ剥がされてしまうのではないかと思うようなお店が立ち並んでいるのだ。
「てっさい堂」「今昔西村」・・・そして「ちんぎれや」。
「珍裂(ちんぎれ)」というだけあって何百年も前に生まれた貴重な布たちが四方の壁の棚に積まれ、セイレーンのようにお客を呼ぶのである。
小袱紗や楊枝入れ、数寄屋袋にお仕覆など、お茶に使うようなものにも仕立てられていて、私は初めて、お茶道具の特に布ものに凝ってしまう人の気持ちがわかった気がした。

夫が会社のクリスマスパーティーのプレゼント交換に使いたいからと頼まれた1000円程度の小物を買うつもりで来てみたが、とてもそれではすまされない。
いや、しかし私は「カクカメ」さんですでに散財した身。
ぐぐっと我慢をして、自分用にはショーケースで一目ぼれしてしまった古い更紗の「楊枝入れ」のみにとどめたのである。
しかし、それでも2000円。ふつうは数百円で買える楊枝入れとしては、破格かもしれない。
「カクカメ」さんでは、舞い上がる私を冷静に見つめていた黒猫さんも、ここでは無傷で済まなかったようで、堺更紗やら何やら、がまぐちを買いこまれていた様子。人が好きなものを楽しく買われるのを眺めるのも良いものである(^^)。


<夫の会社のプレゼント交換用がまぐち>


<私が一目ぼれした楊枝入れ>

この盛り上がりは翌日の歌舞伎観劇後まで続き、真田紐で有名な「伊藤組紐店」まで襲撃してしまった。
ああ、買うつもりはなかったのに…ここでも二部紐を買ってしまった。二本も…。
だって、二部紐ってなかなか見つからないし、色合いも素敵だったし。




おりしもこの旅行の間に日本では皆既月蝕が見られた。
こんなに舞い上がり続けたのも、きっと月蝕の魔力に違いない…と、妙に納得した私であった。



(つづく)

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2 コメント

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Unknown (黒猫)
2011-12-27 08:54:12
そう言えば伊藤組紐店で羽織紐をオーダーしたんだった!
次回は縄手通りをさらに攻めたいっすね~。
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縄手通り (はつき)
2011-12-27 10:56:24
黒猫さん
お互い、頼んだものが出来上がってくるのが楽しみですねえ。
縄手通り、攻め込むには軍資金をしっかり貯めとかないと…。カードが使えるのは、発見でしたね。
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