汗と涙の着物生活 

突如着物に目覚め、ついに着物作成に挑戦。着付けに涙し、とどまらぬ物欲に冷や汗の毎日。

紬がなぜお茶には向かないのか?

2010-04-10 | お茶
今日のお茶のお稽古には、お気に入りの大島紬を着て行った。結婚のときに親が用意してくれたもので、丈夫なのと汚れが目立たないのと、何よりこれを着ているとよく誉められるので、お茶のお稽古だけでなく、よく着ることが多い。

ところが、今日はどうもこの着物を着ていて落ち着かなかった。なんだか、妙にばさばさする。



そういえば意識したわけではないけれど、ここのところ、お茶のお稽古には柔らかもの着用が続いており、この大島はご無沙汰していた。たまに着た織物の着物といえば、リサイクルで買った結城などで、既にかなりやわらかくなっているもの。

お茶にどんな着物を着るのかを語る本はいくつかあって、中には「お茶には(お稽古でも)柔らかモノで。紬はだめ」と断言しているものもある。が、私は「稽古ならいいじゃないか」と思っていた。茶道には”いざる”動作が必須で、膝から下の着物の傷みが気になる上に、水や抹茶で汚れやすいので、むしろ紬は向いているのではないか、と。

ところが、久しぶりに大島紬を着てお茶の立ち居振る舞いを体験してみると、立ったり座ったりの動作が、染めの着物の時と比べてうまくいかない。特に座るときは、柔らかものだと裾がすとんと落ちてすぐに落ち着くので、うまく裾が足の下におさまってくれるのだが、紬だと、ぱりっとしているがゆえに裾が広がったままで座ることが多くなってしまうのだ。あくまで当社比ではあるが、「紬はお茶に向かない」といわれるのが、やっと今日、判った気がする。

それでも、大島のしゃきっとした印象が大好きな私。やっぱりお茶でも着続けたい。(お稽古に限るが)
お者の動作はし易い染物を着ればことは簡単だが、そう安易にはころびたくない。要は、大島紬でもスムーズに動けるようになる高いレベルを目指してお稽古すれがよいのだ。目標は高く!大志を抱け。艱難、汝を玉にす、だ!!(ま、そこまで大げさなものではないですが


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大島 (神奈川絵美)
2010-04-11 23:21:10
こんにちは。ずいぶん前になりますが、男性の医師で着物好きという人がいて、その方は大島でもお茶に、とおっしゃっていました。
男性と女性とでは違うのかも知れませんが・・・。

お着物、落ち着いた色目で帯が映えそうですね
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男性は確かに・・・ (はつき)
2010-04-12 05:25:57
絵美さん、こんにちは。
あまりまじまじと見たことがないので判然としませんが、男性は確かに紬(大島?)っぽい着物を着てたような・・・。サンプル数が少ないのでなんともいえないのですが(笑)。いずれにしても着物一般と同様、女性よりルールは少なそうですね。
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研究中です。 (萬代屋宗晏)
2010-04-12 09:35:24
織物をもっと幅広く着てもらおうというのは織物産地の悲願です。でも、しきたりの壁に阻まれてなかなかうまく行きません。先導役とならねばならない私達商人も、勝手な思惑でお客様に迷惑を掛けてはいけませんので、紬・織物のTPOについては、かなり慎重にご提案させて頂いているような状況です。
 現実的に言えば、織物(いわゆる硬物)はお茶席ではお稽古までというのが一般的です。しかし、男性の場合は織物が正道なんです。茶道が女性の間に深く普及したのは戦後の事ですから、このあたりで何らかの力が働いたのかも知れませんね。どうして男性はOKで女性はNGなのか。もちろん、裾のさばきが良いという現実的メリットもありますが、それだけなら、個人の好みで着ればよいようなものです。
 織物を結婚式に着てもらおうというのが織物を作っている人の最終目標ですが、そこまでいかなくても、せめて茶会で堂々と着てもらえるように、歴史的・文化的検証をしてみようと想っています。
 
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織物に茶会の市民権を (はつき)
2010-04-12 13:15:15
萬代屋さん、拙ブログを読んでいただきありがとうございます。織物産地の方がお茶席のしきたりに悔しい思いをされているとは認識を改めました。おそらく茶道が女性に普及した時代に、織物は「労働着」という位置づけであったから、改まった席にはふさわしくないとされてしまったのかもしれません。男性は歴史があるので、かえってそういう新たなしきたりに阻まれることがなかったのでしょう。
お茶席は、自分の振る舞いが教えてくださる先生の評価につながる所があって、なかなか自分の考えだけでは行動できないところがあります。何かしらのお墨付きがあれば、そういう心理的バリアも払拭できるかと。研究成果に期待しています。
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