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汗と涙の着物生活 

突如着物に目覚め、ついに着物作成に挑戦。着付けに涙し、とどまらぬ物欲に冷や汗の毎日。

歌舞伎座こけら落し公演 第三部

2013-05-01 | 歌舞伎
筋書きに舞台写真が入り始めた日、珍しく夫と一緒に歌舞伎を見に出かけた。
これまで何度か歌舞伎観劇に連れ出した夫だが、「もう俺はいいよ」と言われてしまい、ここ数年は同行することもなかった。
しかし、さすがに世間をにぎわした新しい歌舞伎座を見ずに済ませることはできなかったようだ。

この日、観たのは第三部。
「盛綱陣屋」に「勧進帳」。
どちらも古典で、歌舞伎らしさたっぷり。

なぜか4月の歌舞伎は雨にたたられ、この日も雨。
「洗える着物」の小紋を引っ張り出し、締めた帯は、お約束の「勧進帳」柄。


<歌舞伎座2階の河合玉堂の絵の前で。絵の下に小さく姉さんかぶりをした女性が描かれているのがかわいい。
ちなみに曲がっているのは、夫の撮影技術のせいです…>

「盛綱陣屋」は、確かに見たことがあるはずなのに、幕が開いてしばらくしても、どうも焦点の合わない気持ち悪さがぬぐえない。
覚えている気もするのだが、ぜんぜん見たことないような気もする。
記憶がすんごくあいまいなのだ。

後から気が付いたのだが、以前にこの演目を見た日、私はその前に「日本酒を楽しむ会」なるものに参加して、もうろうとした意識で見ていたのである。
かつ、客席で騒ぎ始めた女性がいてひと騒動あり、起きていた部分についても、集中できていなかったようだ。
道理で記憶があやふやなわけだ。
(こういうことが後から思い出せるから、ブログはありがたい(笑))

「勧進帳」は、3年前の「歌舞伎座さよなら公演」で見た、團十郎丈の弁慶の記憶があまりに鮮やかすぎた。
弁慶を演じて1000回を超える幸四郎丈はさすがの熱演だったが、弁慶の人物としてのおおらかさや後半の延年の舞での飄々としたおかしみは、どうしても團十郎丈のそれと比べてしまう。

ところでこの演目で何よりのごちそうだったのは四天王役だったと思った方も多いのでは。
染五郎丈、勘九郎丈に松緑丈。(常陸某の左団次丈はのぞいて(笑))
いずれも歌舞伎座のなかった3年間、花形として主役をはる機会も多かった面々だ。

大怪我や襲名、親との死別…彼らにも大きな転機がこの3年間あった。
私が言うのもなんだけど、この3年間で大きく成長したと思う。
「これからもよろしく!」と心の中で声援を送ったのだった。

しかし、彼らと同様、人生何かあるのがわからない。
実はGWに入る前日、夫が急な頭痛を吐き気を訴え入院することになった。
脳の下部にある下垂体に腫瘍ができていたのが原因で、それ自体は良性のため、数日で退院となったのだが…

いまこうして、夫と歌舞伎に出かけた日のことを平然とブログに書けることに感謝している。

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第二部


一、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)

  浜松屋見世先の場より
  滑川土橋の場まで
          弁天小僧菊之助  菊五郎
             南郷力丸  左團次
            赤星十三郎  時 蔵
             忠信利平  三津五郎
             岩渕三次  錦之助
           浜松屋宗之助  菊之助
             関戸吾助  松 江
            狼の悪次郎  市 蔵
            木下川八郎  團 蔵
            伊皿子七郎  友右衛門
           浜松屋幸兵衛  彦三郎
          青砥左衛門藤綱  梅 玉
             鳶頭清次  幸四郎
           日本駄右衛門  吉右衛門



二、忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)

  将門

       傾城如月実は滝夜叉姫  玉三郎
           大宅太郎光圀  松 緑



第三部


  近江源氏先陣館

一、盛綱陣屋(もりつなじんや)

            佐々木盛綱  仁左衛門
               篝火  時 蔵
               早瀬  芝 雀
             伊吹藤太  翫 雀
             信楽太郎  橋之助
             竹下孫八  進之介
              四天王  男女蔵
                同  亀三郎
                同  亀 寿
                同  宗之助
          高綱一子小四郎  金太郎
          盛綱一子小三郎  藤間大河
           古郡新左衛門  錦 吾
               微妙  東 蔵
             北條時政  我 當
           和田兵衛秀盛  吉右衛門



二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)

            武蔵坊弁慶  幸四郎
              源義経  梅 玉
             亀井六郎  染五郎
             片岡八郎  松 緑
             駿河次郎  勘九郎
            太刀持音若  玉太郎
            常陸坊海尊  左團次
            富樫左衛門  菊五郎

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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (香子)
2013-05-01 22:27:27
ご主人様との歌舞伎観劇、ようございましたねえ。
ワタシも都内での歌舞伎は2人で行ってませんが
2月の博多座は小旅行を兼ねて2人で行ってきました。
そしてご主人様大変でしたね。
奇遇ですが、ウチの主人もGW前に急性硬膜下血腫で
入院しており、昨日退院したばかりです。
亭主元気で留守がいい!ですよねえ (^-^;;
返信する
亭主元気で… (はつき)
2013-05-02 02:31:04
香子さん

> 奇遇ですが、ウチの主人もGW前に急性硬膜下血腫で
> 入院しており、昨日退院したばかりです。

ええ!?
うちは大したことなかったですが…大変ではないですか!

当たり前と思っているものの大切さに気付くGWとなりました。「亭主元気で…」とはよく言ったものです。

ご主人様、お大事に。
うちも大事にします(^^)
返信する
Unknown (黒猫)
2013-05-02 09:34:17
日本酒を楽しむ回!そういえば、、根津でしたっけ?思い出したました、笑。
ご主人さま大事に至らなくて良かったですね。年齢的な事を考えるとウチも他人事とは思えません。。
返信する
Unknown (神奈川絵美)
2013-05-02 10:26:56
こんにちは。ご主人さまたいへんでしたね。
良性とのことで私もほっとしましたが、
どうぞお大事になさってくださいね。

歌舞伎、私は五月の第三部が新歌舞伎座デビュー(笑)なので、四月の様子はみなさんのブログで、楽しく拝読しています。
やっぱり四天王のイケメン度は高いですねぇ。明治座の五月花形も行きたかったな。
幸四郎さんの弁慶は、数年前に拝見しまして、
不覚にも一幕見席にも関わらず記憶がとんでしまいました。でも貫禄は素晴らしいものがあったでしょうね。
そして、久しぶりにはつきさんの「勧進帳帯」を拝見できて、嬉しいです~あられ模様の小紋に、よくお似合いです。
返信する
飲んでばかり (はつき)
2013-05-02 10:27:00
黒猫さん
そうそう。あの日は昼間っから飲んで、歌舞伎観終わってからも飲んで…。そしてあの女性の騒ぎ。すっかり忘れてましたが、なかなか強烈な一日でした。

> 年齢的な事を考えると

そうなんですよ。
一番怖いのは共倒れ。そうならないためには…って、つい考えちゃいます。
返信する
決まった演目で… (はつき)
2013-05-02 10:33:49
絵美さん

今回の夫の入院では、下垂体に腫瘍があることがわかって、かえって良かったなあと思っています。2年前にもCT取っていたにもかかわらず、その時には気づかれなかったので…。

私には、決まって意識が飛んでしまう演目というのがあって、実は「勧進帳」は、ついこの間までそれでした。通しで起きていられたのが團十郎丈のもの。
でも、意識が飛んでいても、曲や演目の素晴らしさが伝わってくるのが、この演目のすごいところだろうと思っております。
返信する
Unknown (のの吉)
2013-05-02 11:35:12
筋書きに舞台写真が入り始った雨の日、ってことは私も同じ日だったかも。私は着物はあきらめてしまいましたが。

ご主人、大事に至らなくって本当によかったです。
心配事は歌舞のチケット代(こけら落とし後どーなるのとか)ぐらいが丁度いいですよね。
返信する
はじめまして (ひつき)
2013-05-02 23:04:47
はじめまして。
来週、はじめて歌舞伎を観に行く予定のものです。着物と歌舞伎について検索していてこちらのページにたどりつきました。
せっかくなのでお着物を着て行こうと思っているのですが、ひとりでやっと着付けができる程度の初心者です。ブログ主様のお着物姿がとても素敵なように、京都は気慣れたかたがたくさんいらっしゃるイメージで、かえってお洋服のほうがよいのでは、と悩んでいます。
特に歌舞伎など観に行くときは初心者のお着物は避けたほうがよいように感じられますでしょうか。また、着ていけるようでしたら母の白地にグレーの花柄の紬に夏用の渋い臙脂色の帯をしめる予定です。
もしお時間がありましたら、返事をいただけると幸いです。長文失礼致しました。
返信する
Unknown (櫻子)
2013-05-03 17:09:09
ご主人様、大変だったんですね。
さぞ、ご心配だったでしょう。
お大事になさってくださいませ。

三部は私も主人と一緒に観たのですが隣で意識が飛んでる人が。。。
後で「寝てたね~」と言ったら寝てないと言い張りました(笑)
勧進帳は私的には吉右衛門さんの弁慶が
今のところベスト1にランクインしておりますが、
やはり四天王は若くて美しいに越したことはないですね~
私もついついそちらに目が。。。(^o^)
返信する
のの吉さんへ (はつき)
2013-05-04 10:37:59
おお。同じ日に観劇だったんですね!

第3部は休憩も一度しかないので、あんまり館内をうろうろせずにおりました。もっとうろついていたらお会いできたかも~。

そういえば、二部制になってからの値段、でましたね。
少し安くなっていて安心(あんまり関係ないけど(笑))
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