徒然ウォッチング

エリアマネージャー日記。Q.O.L.がテーマです。

アンチエイジング ウエルエイジング ウエルビーイング(3)

2007-08-23 | 医療
さて。アンチエイジングってあまりにも広義なので、切り口をちょっと限定してみてみますと、「細胞を若く保つ術」と「身体機能を衰えさせない物理的な術」
に大別されるようです。
(よくある「気の若さ」や「見かけを若く保つ術」はおいといてですね…。)

さてその一つ目、「細胞を若く保つ術」。これには「細胞分裂時の染色体の老化」を阻害する方法と、「アポトーシスのプログラムを変更する方法」があるようです…。

細胞はアポトーシスで意味ある自殺がプログラミングされているというのが知られていますけど、もうひとつ、テロメアと言うキーワードも注目を集めていますね。
染色体の末端に存在し、線状ゲノムDNAの末端部分にあたるのがテロメアです。

細胞分裂の回数は予め決まっている…これは古くから言われていた仮説でしたが、現在は染色体の末端部分に存在するこの「テロメア」が、分裂のたびに短くなり、ある程度の短さになると分裂が停止する…(つまり組織が代謝しなくなる)ということがここ10年ほどで理論的に解明されてきました。(クローン動物はこのテロメアがそもそも短く、プログラムされた細胞分裂回数が著しく少なかったことがわかり、テロメアの存在が広く知られることになりました。)例外的にがん細胞はこのテロメアが分裂のたびに伸長するといわれており、先のアポトーシスと拮抗関係を形成します。(さまざまな細胞のミュータント…変異細胞は常にわたしたちの体の中で生まれ続けていますが、アポトーシスが正常に機能することによって自殺し、体外に老廃物として排出されています。(アポトーシスは正常に老化・壊死して細胞が死滅するネクローシスとは区別されます。)
…しかし、がん細胞でのテロメアは厄介なことにテロメラーゼという逆転写酵素の作用により伸長しますが、この機能をまたまた逆に取ってテロメアを延ばすことはできないかという研究が進んでおり、この考え方が現在のアンチエイジング研究の最先鋒といってよいでしょう。



…写真は右がアポトーシスを起こした瞬間の細胞。自ら崩れ落ちます。
マイアミ大学の画像アーカイブスから。
http://www.bio.miami.edu/

このような「人知の力づく」ともいえる染色体レベルでのアンチエイジング論も興味深いですが、身近に(なかには経口で)採れるホルモン類での治療もあります。

DHED(デヒドロエピアンドステロン硫酸塩)という副腎で作られるホルモンの摂取がアメリカでは盛んです。そもそもは月経障害のお薬として使用されていましたが、最近は新陳代謝や性ホルモン、インシュリンの分泌も助けるといわれはじめ、HGH(ヒト成長ホルモン)とともに長期のブームを形成しています。日本で言うと一時のコエンザイムQ10やαリポ酸くらい人気…といえばわかりやすいでしょうか。DHEDやHGH、エストロゲン、プロゲステロン、甲状腺ホルモンといった各種ホルモンの投与はHRT(ホルモン療法)と言われ、老化に伴う障害…たとえば免疫力の低下、肥満、骨粗鬆症、酵素の生成、更年期障害、記憶力の低下など、様々な生体コントロール機能を補助するとして、臨床でも採用されています。

これら「補う」方法のほかに「除去する」方法というのもあります。キレーションという言葉をお聞きになったことがあるでしょう。体内に蓄積された有害金属や化学物質を取り除く治療です。血液は常に浄化されて体内を循環していますが、たとえば何かの拍子に血液中にはいってしまった水銀やカドミウム、鉛などの処理ノウハウを人間は持っていません。動脈硬化や原因不明の慢性疲労や胃腸障害の治療として行われていましたが、最近は関節リウマチや成人のアトピーなどの改善報告もあり、アンチエイジング治療のひとつとして脚光を浴びてきました。
また当然肝臓や腎臓への負担も減ることなども注目されています。具体的治療は、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を点滴し、異物を尿にして排出するというきわめてシンプルなもの。Ca-EDTAという金属除去そのものを目的としたものと、Mg-EDTAといって動脈を同時に柔軟にする方法があり、年代や体質により使い分けられています。

最後に物理的ケアについて少し。
人が自身で老化を意識するのは「視力の低下」を感じたときが一番だというデータが出ていますが、起きている間は常に意識させられる「視力」の問題。「そろそろ年かな」を感じない生活というのも、精神的アンチエイジングには貢献するでしょう。…そこで、「レーシック」。まずマイクロケラトームという削り器で角膜を削って蓋状になったその膜をめくり、角膜の内部にレーザーをあてて厚みを作ったり減らしたり、形状の調整をしたりします。最後にめくった角膜をぺたっと貼っておわり。両目で20分程度というこの治療は、視力障害が軽度な場合に有効です。障害が複雑だったり、左右の収差が大きかったり、暗いところで瞳孔の開きが通常より大きくなりがちな人には「ウェーブフロントレーシック」というさらに精度の高い技術が用いられます。
遠視への特効スキームとしては、現在はコンダクティブケラトプラスティー(ck)があります。2004年3月にFDAに老眼の治療方法として認可されたばかりの新しい治療です。
角膜周辺にぐるりと取り巻くようにラジオ波を照射してコラーゲンを収縮させます。すると角膜の屈曲が強くなり、近いところがはっきり見えるようになるというものです。

…一部ご紹介しましたが、このようにアンチエイジングのためのさまざまな研究は、多方面で行われています。個人的にはこれを「アンチエイジング療法」と呼ばず、QOL療法とでも称してほしいのですけどね。…「アンチエイジング」という言葉にはクレオパトラや楊貴妃のたとえからか、どうしても一部富裕層を対象としたケア、というイメージがあるからでしょうか。…そのイメージが高級クリニックでの特別な治療という印象になり、そしてこれらのケアは高価なもの、という先入観を人々に植え付け、そして実際も高価な治療費を許容している市場になっています。勿論日本国内ではまだ保険の利かない治療も多いのですが、逆を見ると日本では入手困難なホルモンでも、米国では食材店で購入できるサプリメント程度であるというようなことも多々あります(これはこれで濫用につながるのでまた歓迎できませんが…)。

普通の人が普通にOTCまたは臨床で適切なアドバイスと注意を受け、日々の生活の質を向上させるためのアンチエイジングへのアドバイスを、セルフメンテナンスの一環として気楽に受けられる市場として成長してほしいなぁと思うのです。

…おばあちゃんになったら一般外来の「抗加齢科」なんてところに自転車で颯爽と乗り付けたいと思うワタシなのでしたw。



アンチエイジング ウエルエイジング ウエルビーイング(2)

2007-08-16 | 社会
アンチエイジングというフレーズをきかない日がないくらい一般的になったこの言葉。…けれども、実際のところ人それぞれに捉え方が違うのもこの言葉の特徴といえます。

ある人には審美的な響きに、ある人には健康を意味するものに、ある人にはライフスタイルそのものにと、実に様々なイメージを持っていますね。けれども、どのような捉え方をしたとしても多くの人々にとって魅力的な言葉であることには間違いなさそうです。

現実に年齢を重ねないというのは無理な話ですが、このように言葉になってしまうとなんとなくそういうメソッドがありそうな気がしてしまうのでしょうか…?

捉え方の違いを幾つか挙げてみますと…
知人のT先生は眼科のお医者さんで、遠視・近視の手術を猛烈なスピードでこなすだけでなく、年間10冊以上の著書を上梓の傍ら、果てしなくボーダレスに専門知識から雑学まで(医学雑誌から東スポまで)ご披露なさるスーパーマン。これだけでも忙しいのに「日本抗加齢医学会」の委員長も務めていらっしゃる。学会は「健康な人のさらなる健康」
http://www.anti-aging.gr.jp/anti/index.html
を会の理念のひとつとして挙げており、この考えは大いに共感できるところ。

また、友人のJ子ちゃんはアンチエイジングとは「若返り」のことだと信じて疑わず、エステティックだスパだジムだと忙しく通う日々を送っています。笑うと目じりが気になるとかでボトックス注射を打ってみたり、(ひぇー、ボツリヌス菌だぜ~!)永久脱毛のために毎月タイに通ってみたり、Gジムでカリスマトレーナーに就いて、話題のコスメは一通り試すというセルフメンテナンスに余念のない日々。…このバイタリティ、アタシには真似できない…けどこれは何もお手入れっぽいことしてない自分へのエクスキューズなのかな。…まあこのJちゃんのような解釈もあるわけですね。

また別の友人Tくんは「気の若さ」を保つことこそがアンチエイジングだと豪語しています。「モテなくなったらほんまのオヤジ」が口癖の既にプチオヤジだけど、たしかに夜な夜なパワフルに遊びまくっている姿はまさにアンチエイジングかも(笑)

…それぞれのライフスタイルにそれぞれのアンチエイジング。価値観ごとに解釈も違っているのが面白いですね。
ところで私のアンチエイジングの定義は「不調を感じない日々を継続させること」です。
精密機械などの製品テストは、連続で稼動させたり抵抗を加えて故意に磨耗させたりしますが、これも「エイジング」といいますね。どの段階で「不調」が露呈するかをあぶり出すことを、加齢に例えてそういうのだそうです。
人間も、どこかが痛いとか苦しいとか…不調はそれだけで人の気を弱くさせます。これが継続するとその状態が当たり前になり、覇気が低下し、「トシかな」ってことになっていくわけですが、不調を認識することは寂しいものですよね。
(この心理的メカニズムは、老齢に達していく過程で、死への恐怖をやわらげるには有効にはたらきますが、そうでない時にはモチベーションを下げるだけで良いことはあまりないような…)

予めコンディションが維持出来ているかどうか気をつけること、そして維持できなくなりそうなときのために、ソリューションを知識として得ておくことで、心理的エイジングはかなりの部分で防げるのではないでしょうか。個人的には審美的な意味でのアンチエイジングとウエルネス維持のアンチエイジングは別個のものとして考えたいのですが、たしかに気の持ちようというのは、実際の健康状態にも影響していますし、見た目にも大いに関わってもいますよね。うーん、やっぱお手入れも大事なのかな!?。

それでもなんとなくこのコトバが色々な解釈で多様に使われていると、つい引いてしまうのは「うっかりしてると間違って使ってしまうかもしれないぞ~」って、自分にアラートしちゃうからかもしれない…。だってねぇ、エイジングそのものは当然のことだしそれはそれで素敵なことであって欲しいとも思うし…。

アンチエイジング…非常に魅力的で、危うくて、ただし怪しい言葉なのでありました。次回は言葉をもう少し掘り下げて。

アンチエイジング ウエルエイジング ウエルビーイング(1)

2007-08-15 | 社会
「今年はセルフタンニングよ!」と意気込んでいた私だけれど、結局今年も調子に乗って炎天下野ざらしに。…結果今年も、イテテな日焼けをしてしまい、手っ取り早くケアできるお化粧品を今日は一日探し回っておりました。
そして久々に手に取った、ラ・プレリー。きょうはこのブランドの創始者、アーミン・マトリー氏について、少しおろしておきましょう。

ラ・プレリーといえば日本ではまだ高級化粧品メーカーという認識を出ない印象があるけれど、81才の現役CEO、マトリー氏が率いるこのグローバルカンパニーの中核は、世界最大にして最も由緒ある滞在型クリニック&レジデンス、「クリニック・ラ・プレリー」です。私たちがよく知る美粧料メーカー、「ラ・プレリー」は、氏の数ある事業のうちのほんの一端のようで…。




スイス、モントレー。
ウィンストン・チャーチル、デートリッヒやチャップリン、サウド国王が晩年の療養の地として選んだ滞在型クリニック「クリニック・ラ・プレリー」は、世界で最も古く「レジデンスにクリニック機能とリゾート機能を融合」させた滞在型療養施設です。1931年に創設された当時は細胞療法の草分け的なラボでしたが、1976年、銀行家であったマトリー氏がここを購入した当時、病院としての規模はまだ小さく、ベッド(室)数7つの小さなクリニックでした。

そもそもマトリー氏は、スイス生まれの生粋のビジネスマンでした。1954年、南米、エルサルバドルにコーヒーのトレーダーとして移住、その村には電力がなく、ろうそくで生活していた人々の暮らしを何とかしたいと、数年後に彼はその地で小さな電力会社を興し、日本から大量の白熱電球を購入して人々の暮らしとエルサルバドルの片田舎の工業生産性向上に大きく寄与しました。氏はその後、長く住んだこの地に貧しい人たちのためのデイケアセンターや病院を建ててもいます。
人々の生活を向上させるとともに、氏は自らも富を得て不動産ビジネスに着手、さらにその資産を守るために銀行家としての顔も持つようになりますが、そんな時に購入したのがこの「クリニック・ラ・プレリー」でした。1976年のことです。



風光明媚な避暑地でもあるモントレー。ここには、良質の鉱泉が涌いており、滞在型クリニックとしての素質はそもそも具備されていたのですが、レジデンス色を強く打ち出した彼の、当時としては斬新であった医療サービス付帯レジデンスは、もともとラボであったこの病院のアカデミックなイメージも手伝って、急成長を遂げることになります。その後は世界的にもこのスタイルのスパクリニックシーンは拡大しますが、ラ・プレリーはクリニックの本来の姿を今も存続し続けています。当初の室数は7室と書きましたが、現在も完全な「病室」としては実はわずか59室。昨年竣工した、隣接する50階建てのビル「テン・ミュージアムパーク」

http://www.tenmuseumpark.com/team.html

には、メディカルセンター、病室、200室の療養機能つき高級アパートメントが入っているけれども、クリニックの機能は昔通り別格で維持し、神話を保つのに寄与しているようです。

昨年、このクリニックとメディカルセンターは、モナコで開かれたスパエキシビジョンで欧州を代表するスパ施設として表彰され、また今年は「コンドナスト」や「トラベル・レジャーマガジン」で欧州のベストスパに選ばれるなど、医療面以外…アミューズ面でも高い評価を得ています。「医療施設」、そして同時に「リゾート施設」として、つまりこの双方で同時に高い評点を得るということは、イメージ形成プロセスを考えると、一般的には至難の業であることは、いうまでもありません。しかしこのことからアーミン氏の、生きることの哲学が垣間見ることもできはしないでしょうか。「幸福に生きることと健康に生きることは同義語である」と。

…きょうから三回にわたって、少しこのブログのテーマに近いこと…アンチエイジング ウエルエイジング ウエルビーイング…についておろしてみることにします。夏休み、お時間のある方はおつきあいください。写真はClinique La Prairieオリジナルサイトから。


ウイルスでラッピング!?

2007-08-07 | 医療
なんとウイルスにお薬を包んで、治療したい目的臓器に直接届けるという技術が!

…たまたまアンジェスMGとウイルスの話が続くようですが…
6日の朝日新聞はまたまた私の大好きなジャンルの話題…。
ヘッドラインは
「病気が起きた臓器にだけ薬を届けます。そんな「薬の宅配便」技術を、大阪大の金田安史教授(遺伝子治療学)らが開発した。」…だって!うーん、面白そう。

この間このページで「閉そく性動脈硬化症治療薬」の、アンジェスMGの記事をおろしましたが覚えておいでですか?あの金田教授がまたまたですよ~。ほら、糖尿病とかで壊死した血管を新生させるっていうあの研究の先生よ。
(アンジェスと金田先生は、アトピーの遺伝子治療薬でもタッグを組んでいて、これもすごいのだ。今度書くけど。)

その金田教授が今回は「お薬を特定臓器へ運ぶシステム」を開発したという…。「宿主志向性のあるウイルス」の特性を利用し、これでラッピングしたお薬を、特定の臓器にだけ運ぶというシロモノ。すごーい。

副作用が防げるだけでなく、お薬を連続投与しなければならないとき、肝臓への負担がかなり軽くなりますよね。薬漬けになっちゃった患者さんは当然肝機能が落ちている。田舎の病院にいくと治療が出来ない…というより新しいことを勉強できなくなっちゃったおじいちゃんのお医者さんが、やはりおじいちゃんやおばあちゃんの患者さんにお薬をガパガパ出して、お年寄りたちはみんな肝臓がヘトヘト状態…。これはなんとかせねばねーと常日頃思っているのだけど(勿論私ごときではなんとも出来ないが…)こういうおばかな連鎖がひょっとしたら防げるようになるかもなのだ!

これまでも、「狙った臓器や組織に薬を届けるドラッグ・デリバリー・システム」の仕組みはあったけど、ウイルスの「宿主を探す習性」を使うという点で斬新です。ちなみにイレッサのように狙った組織を狙い撃ちする分子標的薬の概念とはちょっと違います。あっ、電子版でも記事見れます。こちら

この分野って、まだまだ縦横のつながりがサロン的ではあるにしても、閉鎖的でもない不思議なネットワークですよね。産学ベンチャーの雄アンジェス、いい感じです。きょうまたこれから田町のそのMビル(行き先は別の会社だけどw)に行くんですが、身近さも手伝って、最近ちょっとご贔屓です。

「お薬好きだけど薬漬けはんたーい」の私としては、この研究進んで欲しいです♪

ご報告

2007-08-04 | 雑感
先日、

落雷で崩れた屋根が…



このような、世にも珍しい張り紙を経て…



(ケータイカメラで撮ったのでぼけてます。「落雷による外壁損傷補修工事」と書いてあります。)

昨日やっと元に戻りました。


…え? 逆光でよくわからない?



…うーん、これもよくわかりませんね。
なんか屋根が真っ直ぐじゃなくなってて、仕上がり不満。

…取り急ぎ、ご報告でした。
…それにしても、まさかは起きますからね、気をつけてくださいね~!


山笠

2007-07-14 | 雑感
一日の、山笠初日の夜から今日まで、大部分の日が雨にたたられていた博多の街。
明日の最終日はどうなのでしょうか。

15日間のあいだの、4日博多に滞在、途中少しお天気の日もあったけど、ほんの一日二日でした。
どんたくと並んで山笠を年間最大級に楽しみにしている博多っ子も多いというのに、残念ね。

…なわけで今年はあまり「舁き山」(かきやま・実際に担ぐ山のこと)は見られなかったけど、街のあちこちで「飾り山」(飾っておくだけの山)は鑑賞することができました。これはこれで山笠のひとつの楽しみです。



電線に絡むからという理由で、明治時代に背の高い「10メートルくらいある、担げる飾り山」は禁止になり、今は舁き山の高さ制限は4.5mらしいのだけど、電線の埋設化や、山のハイテク化(?)もあるのか、川端通商店街の舁く山は、なんと伸縮自在の「走る飾り山」。これは笑えます。電線や高架の下を通るときは、びよーんって、縮むんですよ。相当な費用がかかっていそうだけど、企業や商店街でこのための出費は惜しまない、っていうところも多いらしくて、博多っ子の山笠への熱の入れようが推し量れますね。(でも山笠へのご予算は、この川端通商店街だけ各別らしいのですが。…企業スポンサーも多そうですしね。)


(雨がいっとき止んで、いざ出陣?…まだ山担いでないのに、ノリノリの舁き手さんたち。)

梅雨前線と台風の狭間で、リバレインの一角にあるホテルを幸運にも確保できました。下川端の舁き山が見れるかなーと思ったけど、雨と仕事でタイミング悪かったです。残念。。
こちらはキャナルシティの中にしつらえられた飾り山。山の中に「山河」が見えますね。…そう、一つ一つの山にはストーリーが設定されているらしいんです。その物語はどうやってできたのか、語り継がれるのか、…興味津々…。





おさがわせウイルス

2007-07-12 | 自然科学
うーん、昨日今日の新聞は参院選と台風がトップニュースですね。

…そんな中、目に留まったのは

「東京工業大学の岡田典弘教授らは、ネズミに感染する天然痘ウイルスの一種がヘビに感染していたことを発見した。アフリカに生息するネズミに感染した天然痘ウイルスのDNA(デオキシリボ核酸)を解析。同じ地域に生息する毒ヘビのDNA配列が紛れ込んでいることを突き止めた。」

ていうニュース。

ありゃー。哺乳類のウイルスが爬虫類にもですか。
やっぱりこの世を制するのはウイルスなのかもしれないなぁ。
所詮免疫なんてウイルスの種類や変化を考えると、いくつついても焼け石に水だもんね。

免疫システムにはよく知られているように、自然免疫と獲得免疫のふたつがあって、自然免疫は持って生まれた免疫、獲得免疫は生まれてきてからマクロファージとヘルパーT細胞の、ウイルスとの戦いの記憶を戦術メソッドとして蓄積した免疫のこと。母乳で育った赤ちゃんはお母さんの体にある「祖先のウイルスとの戦争履歴」を教えてもらっているのだよね。私が今までウイルス性疾患で倒れることが殆どなかったのは、電車に乗らない、人ごみが苦手、というライフスタイルがゆえ…だけではなくて、お母さんから譲り受けた抗体のおかげかもしれない。

ちなみにこのウイルスとの戦歴を記憶しているのはその名も「メモリーB細胞」っていうんだけど、実際に戦地(細胞膜の表面)で戦うのは、キラーT細胞なのね。そしてキラーT細胞を非常事態に際してターボな増殖をさせるのがインターロイキン2っていうタンパク。

私たちが一般的に「免疫がある」と表現する状態は、この「敵(ウイルス)を世代にわたって記憶している能力」と、「出くわした敵の顔を記憶する能力」そして「T細胞の、ウイルスの殺傷能力」と、あと罹っちゃったあとに重篤になるか軽微ですむかの分かれ道、「インターロイキン2がキラーT細胞をどれくらいの速さで増殖できるか」っていう能力、この四つの能力を総合して「免疫力」っていうわけだけど、とりわけ最近世の中を騒がしている変貌タイプのウイルスへの対抗力は、最後の「キラーT細胞の生成」の能力に左右されるみたいよ。 …なぜならA型インフルエンザのように変化しやすい厄介系のハイパーウイルスは、自分自身をちょこちょこ変化させていて、「敵の顔を記憶」してても殆ど役に立たないのよね。正確には抗原シフト、抗原ドリフトって言うのだけど、ドリフトしたウイルスはたとえて言えば美容整形を受けた程度の変わりようなので「怪しいぞこいつ」くらいのことはB細胞が気づいたりする場合もあるんだけど、抗原シフトした細胞は、そのご面相をシャッフルしちゃってるので、見た目まるきり新参者でさっぱりわからない。しっかり細胞壁を突き破られてから「わ!ウイルスだ!」って免疫システム全員で大慌てする場合もある。最近のハイパーウイルスはこのタイプがやたらと多いそうですよ~。

HIVのように宿主に完全侵入してからも変化を続ける厄介なのもいますしね。 そう考えると鳥のウイルスがヒトに、ネズミのが爬虫類に寄生しても不思議ではないですよね。 タミフルやリレンザといった、Aインフルエンザウイルス表面のノイラミニダーゼという酵素を阻害するお薬は、インフルエンザの発症が認識しやすいのと、症例が多くてビジネスになるっていう背景が市場の開発促進を助けたかもしれないけど、「罹患初期」を特定しにくいマイナー系ウイルス疾患には酵素阻害薬の出現を期待しても…うーん、難しいかもですね。最初のニュースの天然痘なんて、ヒトがかかるタイプのは撲滅されたことになっているけど、そのうちまたゾンビのようにやってくるかも!



…で、またまた関係ない写真館。写真右は、左のお母さん猫から免疫ミルクを貰っている、生後二週間のにゃんこちゃんたち。先週、我が家のPSの扉の横で、青猫BJがフガフガ言うので「にゃんだ?」とあけてみると、なんと四匹の子猫が!

殺気を感じて脇を見ると、お母さん猫が御覧の通りのすごい形相で(表情まではわかんないか…^^;)睨んでました。はひー。
こ…この顛末は、また追って。

CS

2007-07-05 | 雑感
Customer Satisfaction

流行り言葉だ。

クライアントのみなさまはなぜか皆、口を揃えて仰る。
「顧客満足」「お客様第一主義」

この言葉がオーナーから発せられると、私は黙ってしまう。
勿論顧客満足は大切だけど、私にとってそれは宇宙の果てを探すような言葉だ。
まるい梯子に入れられたハムスターになったような気分になる・

まず、お客様が望まれていることは(業種にもよるけど)それぞれ微妙に違っているわけだし、これをいちいちカスタマイズしていると、往々にしてコスト高になる。費用が高くつくことは多くのカスタマーは望んでいない。

次に、「お客様が望んでいる通りに」。これも耳障りはいいけど曲者かも。
会社や組織に対し「プロの提案やソリューション」を欲しているクライアントに対し、「仰せの通りに」なスタンスで対峙しちゃうと、がっかりされてしまうかもしれないし、あきらかに「望む通り」ではマチュアなサービスを提供できない…。

温度差を埋めるために、インフォームドコンセントを行う。
この言葉、医療用語としてはありふれた言葉になってるけど、すべての業種において「サービスの提供者の判断を守るため」に設定されているといってもさして間違いはないと思う。心地よく聞こえるだけに気をつけなきゃいけないのだ。(ウェブサイトでよく見る「利用規約」、これにOKチェックしないと先に進まないのになんとなく仕組みは似ている。)

サービス提供者には、潤沢な知識と、コミュニケーションスキル(聞き出すための)、そして何よりも「プロとしての見解」を、加減をみながら提示する能力が必要なのだ。目線は低く知識は高く、ね。

一通りの事象や選択肢を並べられてさあどうしますかと言われてもねー。
まてよ、導きたい結論に誘導するというのもコミュニケーションスキルのうちかしら?
…でもそれは真の顧客第一主義ではないよね。

…とまあこんなカンジでCSという言葉の前に、いつも私は寡黙になる。

完成を目指すと、ときに「行き過ぎ」になるし。
思い込みやサプライズは時に提供側の自己満足でしかない。
サービスが恒常化すると「当然」になる。(企業体力消耗につながる)
軋轢を恐れて結論を延ばすと機を逸する。(手遅れになる)

顧客満足って、言葉で言うほど簡単なことじゃない。
相手を理解しようとすることは相当なエネルギーが必要なことだから、と言いかけて気づいた。
アタシもクライアント企業へのCSを追求しようとしてエネルギーを遣い過ぎているの?

うーむ。でも自己責任の時代ですからね、やっぱりCSって、自己管理と限度設定が必要なのね。
CSは疲れるのだ。





落雷

2007-06-24 | 雑感
二週間ほど前、我が家に雷が落ちたのだけど、きょうはその修理の点検日でした。
いえいえ、本当の話。
いつものように夜10時頃東京に戻り、出勤前の支度をしていたら、すんごい音がして、窓が(窓の外が、ではなく)光ったの。

ひゃー、すぐ近くに落ちたんだなぁ…
なんて考えながらあたふたと出支度。

翌朝車を地下へのスロープに滑り込ませようとしたとき、なんか石の塊がごろごろ転がっている。
(なんニャ?)

…まあ気にせずにそのまま就寝。
が、一時間もしないうちにかなりしつこいチャイムに起こされた。
なぜか騒々しい。
インターホンで促されるままベランダから下をみる。駐車場へのスロープが真下にあるんだけど、そこから沢山の人がこちらを、いや、正確に言うとアタシの部屋の上のほうをみている。

○○さん、大丈夫ですか?
「…はー。(寝入りばなで朦朧…)どーしたんでしょう…」
「どうしたって、ほら、この瓦礫あなたの屋根のところのですよ、ほら。」

マンションの理事長さんが指差す方向(アタシの頭上)をみると、あれま。



…屋根がくずれている。

そういえば、昨日の雷のとき、何かがガラスに当たる音がしたなあ。そうか、瓦礫の一部か…。

「ベランダ大丈夫ですか」
「うー、(眠くて目が開かない)…大丈夫ですぅ…」
窓を閉めてベッドに戻ろうとしたら「あっこらこら」と呼び戻された。

「お心当たりは!」
「はー、この雨どいが鉄製だから…ここめがけてきたんでしょうねぇ。まさかうちに落ちるとは」

「めがけて」
…そうなのだ。我が家は段々畑みたいなマンションの最上階で、六階には我が家しかない。避雷針みたいなものはついてるけど、雨どいのほうがしっかりした鉄で、しかも一階まで貫通しているので雷さんには魅力的に映ったんだろうな。

「…ああ、雷だったんですね。よかった、○○さんて何となく××だから、何か撃ち込まれたかと思った…はははは」

「××」がひっかかったけど、とにかく前の日から寝てないのでジョークか本気かわからない言葉には反応の余裕がなかった。

修復工事は来週だそうです。…たしかに自宅の一部が崩れても驚かない自分がコワイ。(感性の衰えか、はたまた過度な刺激の連続の日々で、神経鈍化か?)
その日はベッドに戻ったら、ものの五秒で寝付いてしまいました…。
こういう性格だと、災害時でも潔く死ねるな。

後日、みんなに話したらキャーこわいとか言うのだけど…

だいたい雷といえども打たれなきゃなんともないし、車だって1mmあいてりゃぶつからない。
無事なのに怖がるのは精神的に無駄なので、アタシにゃ笑い話でしかにゃいのだ。
かわいげなくて悪かったわね。ふんっ。









緑のカサブランカ

2007-06-23 | 雑感
「親はなくても子は育つ」というけれど、夏のプランツもそんなものかも。

カンナとかダリヤとか、夏の花が好き。いかにもしっかりしているようで、ある日突然ポテッと花を落としてしまう…なんか、気丈というか、武士の散り際というか、健気で、いいじゃない?
…そしてこの季節は今年もたくさんのカサブランカが蕾をつけています。
我が家の猫も草花も、それはもう聞き分けが良くて、一日家を空けても文句は言わないし(青猫めは久々に帰宅しても歴代の犬猫のような熱烈歓迎もなんいだけど…)…それはもういい子たちなのだ。

でも最低限、日当たりの気遣いとお水はちゃんとあげる。(猫にはご飯もあげる。あたりまえか…)
そんな中、きょうはちょっと楽しいことがありました…

ピンクの花ばかりの鉢に、ただひとつ、なんと緑色のカサブランカが…♪
(苦…接写でぶれてしまった…)



楽しい突然変異。少しだけ薄いピンクも差しているけど、基本的には鮮やかな緑色の花なのよね♪

気分が乗ったので、きょうは街にお買い物に。
といっても時間がないのは相変わらずなので、夏のサンダルとワンピース二着とバッグと友達のバースデープレゼントとを、ラッピング込みで一時間足らずという嵐の速さで購入。
この素早さで仕事も進めばいいんだけど…。
待っているのは土日でA4びっちり120枚。調子はいいから進むだろう…って思っていたけど夜が明けちゃった。
夏至の翌日ですからね、日は長いのでゆっくりやります。