Der König Hat Eselsohren

7/18 Bangkok

★続きを追加済み。



『タイ航空CAが案内する、魅惑のバンコクぶらり旅』

キャッチーなタイトルをつけるとすると、こんなモンですかね?
実のところ、案内してくれるマチコは、私のゼミの卒業生なんだが(笑)

私にとっては、自慢の教え子である。
別にCAになったからじゃないよ。もちろんそれもあるけど。
それ以上に、こんなに面白くて凄い女、滅多にいない。

なにしろ授業が苦手で、全然単位が取れなくて、卒業に4年半掛かっているし、ゼミだって、午後だというのに、寝坊して30分以上遅刻して、すっぴんでやってくる。
それなのに、頭が滅法よくて、議論の場できちんと論理的に考えて、明晰な意見を出してくる。

見た目も綺麗なのに、どこか流行からは一線を引いていて、いつも独特の格好。

しかも、極めつけなのが、「先生、ワイン好きですか?いいレストラン見つけたんで、一緒に行きませんか?」と、サシで飲みに行ったことだ。
こんな学生は、今までのところ、こいつしかいない(笑)


それにしてもバンコクは、予想はしていたけれど、飛行機を降りた途端に、もあぁぁぁ~っと蒸し暑い。
朝っぱらからこんなに蒸し暑いんじゃ、先が思いやられる。

5時55分到着予定だったので、「6時に迎えに行きます!」とメールをもらっていたけれど、入国審査が物凄く込んでいて、遅々として進まない。
ようやく入国できたときには、6時20分だ。
ただ、よかったことに、ちゃんとスーツケースが出てきていた。
ま、チケットの番号はあるんだし、後は日本に帰るだけだし、帰ってすぐに必要なものなんてスーツケースの中にはないんだから、後から遅れてきても大丈夫だけど。

あんまり待たせてはいけないと思って、急いで出てみると、それらしい姿がない。

と、そこへメールが。
「もう着きました?今タクシーで向かってます!」
見事だ(笑)

なので、今いる場所をメールして、今のうちに金をおろそうとATMに向かったものの、ま~た、おろせない。
念のため、もう一度試しているところに、マチコがやってきた。
事情を説明すると、「もし両替するとしても町中の方がレートがいいですよ」と言うことで、それまで貸しておいてもらうことに。
ちなみに彼女の名誉のために、なぜ遅れたのかというと、今日はきちんと起きて出掛けてきたのに、タクシーが全然違う方向へ行ってしまったんだと。
学生時代と違って、出勤時間もその日のフライトによってまちまちな分、必要なときはちゃんと起きられるようになったらしい(笑)


荷物預かりにスーツケースとバッグを預け、まずは朝食。
最初は、街に行って屋台、というのも考えたものの、日曜日なんだよね。
なので、ここで今日一日の戦略を練る。
なにしろ福岡行きの出発が0:50なので、23時くらいに空港に戻ってくればいいのだ。
時間がありすぎる(笑)


朝食後、まずはタクシーでウィークエンド・マーケットへ。
まだ時間が早いので、開いていない店も多いが、とにかく細いところに、ごちゃごちゃごちゃごちゃと、とりとめもなく店が続いている。



それぞれが専門店だとはいえ、少し離れたところにも同業者がたくさん店を出しているのを見ると、よくこれでみんな商売が成り立っていくものだと感心する。
しかも、あっちにも、こっちにも、怪しげなバッタモンが並んでいる(笑)

適当に気の向くまま曲がりつつ、出たり入ったりしつつ、ぶらぶらと眺めていると、ホントに東南アジアだなぁ、と思う。
しかし、暑い。
冷房などないので、扇風機があると、少しは助かる。



今はまだ朝のうちだけれど、もっと暑いときなんかだと、かなりの地獄らしい(笑)

マチコが気に入っているという、アーティストの集まっている一角にも行ってみたが、他のところ以上に朝が遅い(笑)
それでも、いくつか開いているうちの一つで並んでいたロボットの絵が可愛くて、買ってしまおうかと心が揺らぐ。
とはいえ、もはやウチには飾るスペースがない、と心を鬼にして断念。
でも、可愛かったんだよなぁ。
玄関にでも買えばよかったかなぁ…。

屋台もどんどん増えてきて、焼き鳥のいい匂いが漂ってくる。
果物の屋台も美味しそう。
ウチの母親が見たら、あまり綺麗じゃなさそう、おなか壊しそう、といいそうだが、マチコは「先生だったら大丈夫ですよ」とこともなげに言う。
自分でもそう思うf(^_^;
ただ、そんなにおなかが空いているわけではないので、見るだけにしておく。

それよりも、暑くて体力が消耗する。
むしろどこかでゆっくり座って休みたい。

ということで意見が一致したので、BTS(モノレール)に乗って、中心街の方へ。
これに乗っていると、車内から、こないだ燃やされたところも見えるって言うし(笑)

マチコの友達や妹が遊びに来ると、みんな海に行きたがるらしい。
私も海は好きだけど、むしろガチャガチャとしたところを見て回るのが好きな私には、到底理解できない。
海外でのんびりするとか、あんまり興味ないもんな。

電車を降りて、駅から延びる歩道から見下ろすところに、派手な祠がある。



町中には、いくつもこうした仏教施設があるけれど、ここは特にいつも賑わっているらしい。
マチコの友達にも、バンコクに来るたびに、ここに立ち寄る人がいたり(笑)
そんなに御利益あるんだろうか?

見ていると、奥の方でタイ舞踊が始まった。
衣装は綺麗なんだけど、踊り子さん達が、イマイチやる気がないような…。



そんなに長くないので、何回か繰り返し見ているうちに気が付いた。
どうもこれ、舞台の前に腰を下ろしている人が、お金を払って踊ってもらっているらしい。
それも、必ず背を向けているので、自分が見るためではなく、踊りを奉納しているようだ。
奉納の依頼は、ほとんど途切れることなく続いている。

なるほどね~。
日本でいったら、お経を上げてもらうとか、護摩を焚いてもらうとか、そういった感じなんだろう。


道の反対側には、さっき電車の中からも見えた、デモ隊に燃やされたZENビル。



ここは妹さんのお気に入りだったので、ニュースを見て、日本から「私のZENが燃えてる!」と電話が掛かってきたとか(笑)

それにしてもデモの時は、かえって日本の報道内容にびっくりしたらしい。
確かにこの辺りはデモ隊に占拠されてはいたけれど、それ以外の生活はいつも通りで、別段危険なわけではなかったという。
デモ隊も、この辺りでお祭り騒ぎをしている、という感じの方が強かったと。

さらに驚いたのは、日本の報道が、どちらかというと赤組(デモ隊)寄りだったとこだとか。
実際のタイでは、ほとんどの人が黄色組派で、農村から1日500バーツで雇われている赤組に、早く出ていって欲しかったんだそうだ。
タイ国外での報道がデモ隊寄りだったことについて、実は元首相が世界中のメディアを買収している、という噂も出ているらしい。

しっかし、南アもそうだけど、日本の報道って、何でもかんでも不安感を煽りすぎなんじゃないの?
テポドンなんかもほんとにその典型例だし。
不安を煽ることで利益誘導している部分が、絶対にあるよね、誰の利益かはそれぞれだけど。

しばらく歩いて行ったデパートの地下のフードコートで、しばし休憩。
もろに日本の店なんかも入っている。
大戸屋とか、北海道ソフトクリームとか(笑)

このデパートを出る前に、もう一度、空港とは別の銀行のATMにチャレンジしてみたら、今度はうまくお金を引き出せた。
これで安心だ。

ゆっくり休んで体力が回復したところで、マチコおすすめの怪しげなショッピングモールへ(笑)
さっきのマーケットと違って、全部がビルに入っているんだけど、これがまた、入った瞬間に昭和の香りがする(笑)
天井の低さとか、通路に出ている表示の感じとか、私が子供の頃に見たことのある世界だ。
しかも、並んでいるモノの怪しさも、昭和の頃の日本だぜ(笑)

うぉ~、あやし~!と喜んでいたら、「そっちの奥の方はもっと凄いですよ」
うははは!!全部明らかにバッタモン!
しかも、通路がそれまでの2/3くらいに狭まって、まさに、さっきのマーケットがビルになった感じだ。

どう見てもバッタモンのTシャツ、バッタモンのスポーツウェア、いかにもな感じの土産物屋。
そんな店が、右を向いても左を向いても、ずっと続いている。
それどころか、階が違っても並んでいる。
だからといって、客がそんなにいるわけでもなく、見ている人もそんなに買っているようでもなく、いったいどうやって儲けているんだろうか??

「携帯電話売り場が、また、凄いですよ」
というので、携帯電話のフロアへ。
ホントに、全部の店が、ごちゃっっっと携帯を売っている。
なにしろ、ずらっっっっっっっっっ!と並べた中に、iPhoneもBlackberryも一緒に並んでいるんだから(笑)
すげー!!iPhoneとBlackberryが同じ店で売られてる!!
しかも、どっちも、本物か偽物かわかんない!!(笑)

ゲラゲラ笑いながら歩いていたら、さらに凄いモノを発見!!



iPhoneのデコケース!!
しかも、オリジナルのデコケースを売ってる店が、何軒もある!!(笑)
ただでさえオヤジサイズで、デカくて片手じゃ使えないiPhoneに、こ~んな派手派手でめちゃくちゃ立体的なデコケースなんかつけたら、絶対使えないだろ(爆)
それどころか、アップル信者とデコ好きって、ものっ凄く対極的な存在なんじゃないかと思ってたんだけど、バンコクでは両立しているらしい…f(^_^;

もう、笑い死にするかと思った!!
最高です、バンコク!

他にも、絶対に怪しいルートで仕入れている化粧品屋とか、偽のIDカードまで作れちゃう名刺屋とか、建物全体が抱腹絶倒!!

…かと、思ったら、このビルに入っているフードコートは実に綺麗で、超穴場。
まさかあんな物凄い店が並んでいる奥に、こんなきちんとしたフードコートがあるなんて…状態。
なので、ここで昼食。
せっかくなのでトム・ヤム・クンと、豚肉の炒め物のセットにする。
マチコは香菜が嫌いなので、普段タイ料理はあまり食べないらしい。
う~ん、香菜嫌いだと、タイは難しいよね。


食後は、水上タクシーでミニクルーズ。
これで寝釈迦のいるワット・ポーの辺りまで行く。
ま、クルーズというよりも、まさに乗り合い水上バスなので、かなり混んでいる。
しかも興味があるのは、水辺の壊れかけた建物だったり(笑)



寺院なんかも、まぁ、一応立ち並ぶ中、しばらくすると、左手前方に、ガイドブックで見覚えのあるものが見えてきた。



ワット・アルンだ。
船を下りるのは、ちょうど対岸の辺り。
いかにも、バンコクで一番の観光地といった風情で、土産物屋や干物の店が並んでいる。

そして、寝釈迦の待っている、ワット・ポーへ。
ちょうど空が晴れてきたのと相俟って、建物群の派手派手が目にまぶしい。
ついでに、屋内だから眩しくはないけれど、寝釈迦も派手派手。







普段あまり見ることのない、寝釈迦の背中(笑)


庭の方も一通り見て回ったけれど、ちょうど工事をしているところもあって、寝釈迦以外にはそれほど見るところはない。
何よりも、外にいると暑い(笑)

どうせまだ時間もたっぷりあるので、少し離れている王宮の方にも行ってみることにした。

外に出て、タクシーを拾おうとしていると、目の前をトゥクトゥク(三輪タクシー)が何台か走っていった。
「トゥクトゥク、乗ります?」
「乗りた~い!」 ←反応がほぼコドモ。
というわけで、トゥクトゥク乗車!!



トゥクトゥクだってそれなりの幅があるのに、バスと乗用車の間をすり抜けたりして、かなりスリルがあります(笑)

そして、ワット・プラケオと王宮へ。
ここは、袖無しや、短めのズボンなどで入ってはいけないので、入り口のところで長い巻きスカートを借りる。
ますます暑い(笑)

そして、ますます眩しい!!





しっかし、なんでこんなにギラギラしてるんだろう?
近付いてみてみると、金箔や何かではなく、どうやら無数の鏡が張ってあるようだ。
なぜ寺院をこんなに金ぴかにしなければならないのか、日本人には理解しがたい。

メインのエメラルト寺院に入ってみたが、これから何かあるらしく、人がそこら中に座っていて暑い。
とても耐えきれないので、さっさと出てきてしまった。
日が当たり始めたので、ホントに猛烈な暑さになりつつある。

外の仏舎利塔も、眩しくて見ていられない。

多少は涼しいかと、周りの回廊に逃げ込んだが、ここもそんなに涼しくはない。
ただ、内容は全く理解できないものの、壁画が物凄いので、見られる限りぐるっと見て回る。

暑い~!

見落としはないか、一応地図で全体像を確認して、今度は王宮に向かう。

これがまた、変な建物。



これを素晴らしいと思うか、可笑しいと思うか、微妙なところだ。

しかも、入り口にある彫像は、ライオンでも、狛犬でもなく、ゾウf(^_^;



タイ、計り知れない…。


またそろそろ体力が消耗してきたので、今度は、マチコおすすめのマンゴ・デザートの店へ行くことに。

が、場所が思いっきり中心のところなので、タクシーを止めて交渉しても、法外な値段をふっかけてくるという。
しかも、道路も、王宮に来る側にはタクシーが次々に来るけれど、反対側は意外と難しい。

バスも時々通るけれど、今日は路線図をおいてきてしまったので無理だという。
しかし、バスも見ていると面白い。
なぜか窓が全開になっているおんぼろバスには人がたくさん乗っているのに、窓のきちんと閉まっている綺麗なバスにはほとんど人が乗っていない。
同じ路線でも、値段が違うんだそうな(笑)

方針を変更して、中心部のやや手前で降りて歩くことにする。
しかも、どういう訳か、バイタクのおっちゃんが代わりにタクシーを止めてくれる。
よほど見かねたのか?(笑)

で、たどり着いたんだけど。

建物の入り口がない?

全部工事中になっていて、どこからも入れない。
どうやらここも、デモ隊に燃やされてしまったようなのだ。
一日500バーツで喜んで雇われてくるよそ者にとっては、どこを燃やしても心が痛まないということか。

仕方なく、別のところを探す。

日曜の午後でもあるし、なにぶん、人気のお店が入っていた建物が丸ごとなくなっているので、他のところはかなり満員だ。
それでもなんとか、良さげな店を見つけて落ち着く。

ホントに暑くて疲れるし、こうしてちょこまかと水分をとらないと、きっと熱中症になるだろう。
こういう時こそビール!とかいうような輩は、きっとホントに熱中症で倒れる(笑) ←利尿効果が高いので、かえって脱水症状を起こします。


存分に涼んだところで、マッサージを受けに、マチコの家の近くへ。
この一ヶ月弱ですっかり疲れのたまった足を、すっきりと揉んでもらいに行く。
しかも、足のマッサージ1時間で100バーツ(=約300円)だって!!
安すぎる!!日本だったら、0がもう一つ多いだろ!!

というわけで、再びBTSに乗って、マーケットとは反対側の終点へ。

まだ18時前なので、18時ちょうどに国歌が流れるときに、町中みんなが直立不動になるという光景を見られないのが、ちょっと残念である。

マッサージは、まさに痛気持ちいい。
なにしろ、もう、とんでもなくむくんでたんですよ。
しかも、ガイドブックや雑誌に載ってるようなラグジュアリ~☆なんて感じじゃなく、地元の人も来るようなマッサージ屋。
まさに東南アジア!


マッサージでリラックスした後は、すぐ近くの屋台村で夕食!
この屋台村の中で一番美味しい手羽中の揚げ物と、青パパイヤのサラダ(冒頭の写真)、5種類の春巻きを買い、ピッチャーでビールを注文。

最高っす!!

ビールはまあまあだけど、食べ物はどれもうまい!
足りなかったら買い足そう、なんていってたけれど、結局、3品でおなかいっぱい。

ビバ、バンコク!!
トランジットが20時間近くもあって、大いに得したよ(笑)
しかも、こんなにいいガイドがいてくれて、最高に楽しい一日だった。
大体において、15も歳が離れているのに、一日中話すネタが尽きないって凄いよ。


食後には、すぐ近くのスーパーで、お土産のドリアンチップとタイ製のプリッツを買い、タクシーで空港へ。

ありがとう、ありがとう!
本当にいい一日だった。

これで飛行機に乗って、寝て起きたら、もう日本か。
帰りたくないなぁ。
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