Der König Hat Eselsohren

12日目その10(Jazzfäst in Eupen)

しばらくして落ち着いたところで、セキュリティを通って場内へ。
さすがに最前列に行こうという気にはならないけれど、一番前のエリアの後方はかなり余裕があったので、そこでゆっくりと見ることにする。
それでも、どうしても他の人に阻まれて、ステージは見えたり見えなかったりだけど。
向こうの空に、満月が昇りかけている。




Floが言った通り、背景の照明を駆使して、かなり華やかだ。
しかも、ベスト盤2種類と最新盤を持ってるだけに、ファン歴がごく短いとはいっても、知らない曲は2曲くらい。
歌詞はうろ覚えだけれども、聴いていると適当に口をついて出てくるものだ。

とはいえ、さっきステージの袖で観ていた時ほどには、ライブに集中できていない。
場所の問題というよりも、みんないなくなってしまったという喪失感が大きくて、なんとなく楽しめずにいる。

そうはいっても、die ärzteは観客に色んなことをさせるんで、一緒になってやってるけどf(^ー^;
特に"Deine Freundin"の「Pflegeleicht」のくだりは、何度も練習させられた挙げ句、ライブの間中、何度も出てきた(笑)
さらに"Unrockbar"はずっとしゃがまされていて、「Unrockbar!」で飛び上がれとか。
可笑しかったのは、客に座るように言っている時に、突然Farinが「どうぞ座って下さい」と日本語で言ったことだ。
誰に言ってるんだ?!誰が理解できるというんだ?!(笑)

途中でトイレに行こうと思って、バックステージに戻る時には、「もうSportfreunde Stillerは帰ったから」と咎められないかと、一瞬冷や冷やした。
もちろんそんなことはなく、にこやかに通してくれたので、あらためてバックステージ・パスって偉大だ、と思った。
何しろ、観客席の方には移動型の簡易トイレしか設置してなくて、そこには人が常に列を作っているというのに、バックステージには、プレハブ小屋とはいえ、ちゃんとしたトイレがあって、混み合ってすらいないのだ。

ただでさえ日本とは全く気候が違う上に、だだっ広い原っぱなので、夜が更けて行くにつれて寒くなってきた。

それなのに。

最前列の女の子達が、ブラを外してステージに投げている(笑)
die ärzteのメンバーもそれを拾い集めて、マイクに掛けたりするし。
しかも、カメラに向かって、服をまくり上げて、胸を丸出しにする女の子までいる。
ステージ両脇の画面に、乳首ピアスまではっきりと映る(笑)

楽しいんだけど、最後まで集中しきれないまま、予定の0時より20分ほど早くライブ終了。
再びバックステージに戻る。
セキュリティのところで何かを指し示しつつも、頑として通して貰えない人がいるのを横目に見つつ、またもやあっさりと通して貰う。
やっぱバックステージ・パスってすげぇ。

die ärzteのメンバーがいたらいいな、と思わなくもなかったけれど、なんだか1人残ってうろちょろしているというのもどうかと思うので、そっちではなく、さっきホテルまで送ってくれたスタッフがいないかな、と探してみた。
が、残念ながら見つからず。
もしいたら、また送ってくれないか訊こうと思ったのに(笑)
さすがに別の人に事情を話してまで、ホテルに送り届けて貰うわけにはいかない。
仕方がないので表通りに向けて歩き出す。

通りまで出てみて、まかり間違って、街の中心までのシャトルバスが出てないかな、などと思って探してみたものの、それらしきものは全く見あたらない。
中心部に向かって歩いていく人も沢山いるけれど、おそらく途中の駐車場へ向かうんだろうし。
やはりタクシーを呼ぶしかない。
さっきのタクシーでおばちゃんがくれたカードを見ながら電話すると、10分ほどで行くという。

が。

通りが次第に渋滞し始めた。
とくにアリーナから来る道が大通りと交差するところは、信号がなくロータリーになっているので、アリーナへ向かうらしき大型の輸送トラックが頭を突っ込んだきり身動きが出来ず、どの方向の車もにっちもさっちもいかなくなった。

さらには事故か何かがあったらしく、タクシーが迎えに来るはずの10分後には、完全に交通がストップ。
団体でバスを仕立ててきた人達が、当分動かないと観念して外に出てきたりしている。

しかも運悪く、ここへ来てぱらぱらと小雨まで落ちてくる。
だからといって、タクシーが来ない限りホテルに帰る術はない。
なにしろここから5キロほどあるので、歩いても1時間は掛かる上に、道は大体の感じしかわからない。
この時間では、道を尋ねることもままならない。

しかたなくその場で待つこと1時間。
ようやく車が動き出した。
アーヘン行きの直行バスを待っていた人達が、ようやくやってきたバスめがけて走り出す。

アーヘン泊にしなくて良かった、とつくづく思った。
この時間から行ってチェックインする、なんてほぼ不可能だよ。
ホテル探しには苦労したけれど、オイペンにホテルを取っておいて正解だ。

ただ、すっかり車が動いたというのに、タクシーは現れない。
こっちの様子を見て近づいてきたタクシーに、ホテルの住所を言っても、そこは知らない、とか言いやがるし。
警察ですら帰り始めたので、もう一度電話すると、またもや10分待てって…f(^ー^;

それでも今度は、10分も待たないうちに迎えに来てくれた。
おばちゃんではなく、おっちゃんだけど。
やっとホテルに帰れるぜ。

ホテルに辿り着いてタクシー代を払うと、残りはミュンヘンを出る直前に念のために下ろしておいた100EURだけだった。
下ろしておいて良かった、とホッとする。
もちろん、このホテルだったら、明日の朝、日本円を換金して貰えるだろうけれど、もしダメだと言われたが途方に暮れるところだ。

夜遅くに帰る場合には、鍵を持っていって下さい、と言われていたので、部屋の鍵でホテルの玄関を開ける。
あ~、やっと帰ってきた!
部屋に戻って早速湯船にお湯を張る。
とにかく暖まりたい。
風呂場で聴くべく、Walkmanにスピーカーを付け、再生ボタンを押すと、ちょうどライブ盤が始まるところだった。
Sportfreunde Stillerの曲、というより、あ、3人の声がする!と思った(笑)
ちょっと懐かしく思いながら、風呂上がりもそのまま聴き続け、"Wunderbaren Jahren"を聴き終えてから寝た。


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