Der König Hat Eselsohren

菱田春草展@東京国立近代美術館



ねこ~!!
と叫びながら行ってきました(嘘)

いやはや。
相当早い時期からチェックしていたんですが、すっかり出遅れました。
しかも忙しかったもんだから、猫チケット買いそびれちゃいましたよ。
猫チケット=2枚組なんで、前期・後期全部見られてお得、ってヤツね。
や、猫に関しては、「白き猫」はイマイチ好みじゃないんで、どうでも良かったんだけど、「落葉」全部見たかったんだよね。
残念!

それにしても、あれだね。

今の人間の目から見ると、別にどうってことないんだけど、当時としては新しくて受け入れられなかった、というのが往々にしてある。
代表的なところとしては、印象派。
朦朧体も、ホントにそうなんだよなあ。
今見たら、何がそんなに問題なの?と。

で、春草も、次第に朦朧体から離れてしまう。
かといって、最初に戻ったわけではないんだな。
でも、なんて言うんだろう、春草の絵の「端正さ」みたいなものがずっとあるんで、受け入れられなさ加減が、全くわからないんだ。

その点、大観って、あ~、これは受け入れて貰えなかったろうなぁ、という感じがするんだが(笑)
なので、春草と大観が一緒に描いている作品を見ると、一目瞭然で、どっちが描いたかがわかっちゃうよね。

あ、もしかして、大観嫌いなのか?自分…f(^_^;
あの何か妙な豪快さは、嫌いじゃないこともないんだけどな~。

春草の、端正で澄明な感じ、やはり「落葉」を並べてみてると、重文になってる「落葉」だけが見られなかったのが実に残念だ。
試行錯誤の果てに、なんだかのっぺりした描き方なのに、そのまま木立の中に入って行けちゃいそうな、何とも言えない空間が現れてくる。
これ、ごってり、みっちり、写実的に緻密に…なんて描き方をしたら、きっとこの空気感はないだろう。
そう、落ち葉や林を描いているというより、空気を描いているように見えるんだよな。

そして、お待ちかねの黒猫!!
おぉ!行列になってる!!
と思ったら、違ってたf(^_^;
「四季山水」だったかな、これを見る行列。

そして、いろんな猫や動物が並んで、ようやく会えたよ!
「黒き猫」。
今回、さんざんもうTVで紹介されちゃってて、その時点で「ふおぉぉぉぉ!!かわえぇぇぇぇ!!」と叫んでいたんで、もはや実物を見たら、そこまで思わなかったりして…。

なんぞというのは杞憂に過ぎず、やはり本物は本物で、違う感興を呼び起こすもんだね。

のっぺりとした木の幹にたたずむ、ほわっほわの黒猫。
ただひたすら黒いのに、黒光りしてそう。

というのは、TVでも感じたけど。
実物から感じたのは、むしろ猫の緊張感。
特に前足の筋肉が緊張している様が伝わってくる。
じっとこちらを見据えて、もう、今にも逃げ出さんばかり。
この、猫の息づかいまで伝わってくる、ってのが、なおさら背景の木とのコントラストで倍増されてるんだろうな。

モデルに借りてきても、すぐに逃げちゃう、焼き芋屋さんとこの黒猫。

も、まんまです(笑)


ホントに、若くして亡くなったのが、実にもったいない。
長生きしてたら、もっとスゴイ作品を残してただろうなぁ。

…と感銘しつつ、これは図録を買いたい、表紙のデザインも可愛いし。
と思ったものの、物販が長蛇の列。
やってられん!と、結局買わずに帰りました。
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