Der König Hat Eselsohren

メタボリズムの未来都市展@森美術館



「メタボリズム」なんて、つい最近まで知らなかったんですけどね。

60年代から70年代にかけての運動で、日本の建築界のそうそうたるメンバーが名を連ねてる、ってだけでかなり興味津々。

しかも、この展覧会の企画自体は、当然、随分前から進んでいたはずだけれど、なんだこの、震災とか津波とか台風とか、ってタイミング。
元からその予定だったのか、あるいは変更したのかわからないけれど、まずは広島の原爆資料館や住宅、伊勢湾台風から始まるって辺りも、なにやら暗示的。

実際、被災地の復興はもちろん、それ以外の都市に関しても、もっと誰かグランドデザインを描くべきだろう、という気持ちはある。
それは政治や行政といった立場ばかりではなく、環境や建築といった視点ももちろん重要なわけで、メタボリズムはそれをやろうとしていたということなんだろう。

ただ、実際に実現したものと、そうでないものとを比較すると、やはり、高度経済成長期という時代背景と、単発の公共建築が多い、ということに、問題点が見え隠れしている気がする。

確かに、色んな機能を集約しているのかも知れないけれど、なんだか「生活」というものに対する視点がとても画一的・一面的で、もし自分がここに住むとなったら、とてもイヤだろうな、と感じてしまう。

もし本当に60年代に、こんな大プロジェクトが成功していたとしても、きっと住居部分は、今頃すっかり高齢化して、下手したらゴーストタウン化してるんじゃないかな、とか。
それこそ震災や何かを考えたら、個々の住居は大丈夫だったとしても、その後の生活が大変だろうな、とか。

それに、実現した建物についても、既に現存していないものが結構あるというのも気になる。
特に、建物の様々なパーツを部品として交換できる、という風に作られたはずなのに、老朽化を理由として取り壊されたりしてるって、どうなんだ?


めちゃくちゃ個人的には、「こどもの国」もメタボリズムの建築だったということにビックリ。
こどもの頃、散々行ったよ~!!
その代わり、普通にジェットコースターとかの遊具のある遊園地には、あまり連れて行ってもらえなかった…(ノД`)
そんな育ち方をしたからって、いい影響があったとは到底思えないんだがf(^_^;



と、まぁ、ついつい批判的に見てしまったりしたけれど、現在進行中のものもあるというし、今後、どう影響を与え続けていくのか、興味深い。
しっかし、思った以上に見るのに時間が掛かって、マジ疲れました…orz
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