ブログ“愛里跨の部屋(ありかのへや)”

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愛里跨の恋愛スイッチ小説  (蒼ちゃん編 34)

2011-10-07 15:02:57 | Weblog
34、悲憤慷慨(ひふんこうがい)



(スタジオアルマンド5階、東のオフィス)

東さんはキッチンからマグカップを2つ持って出てきた。
東 「はい。蒼さん、コーヒー入ったよ(カップを渡す)」
蒼 「ありがとうございます」

東さんは私の横に座ると、コーヒーを飲みながら話し出した。
東 「一色くんと仲直りしたんだね」
蒼 「はい…」
東 「そう…(コーヒーを飲む)
   それで僕とは仕事のパートナーとして望んでるの」
蒼 「東さん…すみません…」
東 「何で謝るの?
   僕がこのモデルの話をした時に君に言ったことだ。
   蒼さんが謝ることはないよ」
蒼 「でも、神道社長が…」
東 「生の言ったことは気にしなくていい。
   あいつは僕や蒼さんを思って言ったんだ。
   あの言い方じゃそうは取れないかもしれないが、
   この間の蒼さんをあいつも見てるから悔しいんだよ。
   正直言って、僕も一色くんは許せないんだよね」
蒼 「東さん…」
東 「すまない。でも、ダイアナの撮影の時とは違う、
   蒼さんの痛々しい姿が、僕も生も記憶に焼き付いちゃってね。
   あまりにショックを受けたんで、
   生はあんなにムキに君に言ったんだと思う」
蒼 「でも今回のことは…茜も協力するって…
   私が断ることで茜の仕事にも迷惑がかかるかもしれない」
東 「それは心配ない。そうなっても僕が生を説得するから」
蒼 「でも…」
東 「僕は、蒼さんから彼と上手くいってると聞いてしまった以上、
   君達を裂くことは出来ないからね。
   いくら君を彼に渡したくないって思ってても。
   嫌ならモデルの話断っていいんだよ」
蒼 「え!?そんな…それじゃ、契約が…。
   私のせいでお二人に大きな損失が出ちゃうじゃないですか」
東 「そんな事は僕らが考える事だ。君が心配しなくていい。
   それに君はまだ契約書を交わしてないから契約成立じゃない。
   まだ日にちはあるから、今からでもモデルを探せばいいことだ。
   モデルを目指してる子は全国にごまんといるんだから、
   その気になればすぐ見つかる」
蒼 「でも…伯社長に私はお会いしてご挨拶もしたし…」
東 「蒼さん、そういうこともどうにでもなるから。
   ファインダーから覗く相手が、
   真剣に仕事をする気持ちがないのに、
   ただ契約の為だけに無理矢理進めても、
   いい仕事もいい作品も生まれないんだよ。
   キャメラは機械だけど、素直にその人の心まで写し出す。
   ごまかしは効かない。
   『ツイン・ビクトリア』の撮影の時から、
   君はもともとこの世界では輝けないって僕は思ってた。
   それは、一色くんがいないと君の輝きは消えてしまうから。
   写真が出来上がった時、僕は生にそれを言ったんだよ。
   だから、君は自分の望む幸せを偽らずに求めて決めればいい。
   誰もそれを咎めないよ」
蒼 「東さん…」

東さんは、私の甘えを責めることなく優しく受け止めて、
自分のことよりも私のことを考えてくれる…

蒼 「東さん。私…モデルは遣ります。
   東さんや神道社長にご迷惑かけないように、
   奏士との事も二度とあんな事のないように、
   もっと強くなって自分をコントロール出来るようにします。
   ですからモデルのお仕事の件は宜しくお願いします」
東 「でも、一色くんはこの仕事の事知ってる?」
蒼 「いえ…まだ話していません」
東 「だっったら今夜、一色くんに仕事の事を話しなさい。
   話をして、彼が何と言うかで今後を決めればいい」
蒼 「東さん…」
東 「蒼さん、一色くんの事も、
   自分の今後の生活も、どちらも避けては通れないよ」
蒼 「はい…」
東 「とにかく家まで送るから、
   一色くんと話してどうなったか聞かせてくれる?
   仕事のことはそれからだ」
蒼 「はい…」

東さんは優しくそう言うと、私を車庫まで連れて行き、
車で自宅まで送ってくれた。
東 「僕は自宅にいるから、どうなったか結果を教えてくれるかな。
   夜遅くなっても構わないから」
蒼 「分かりました。必ずお電話します」
東 「じゃあね」
東さんは窓を閉めると、車を走らせて帰っていった。



私は自宅に戻ると、奏士くんの携帯に電話した。
奏士『もしもし、蒼?』
蒼 「奏士。今話せる?」
奏士『うん。今自宅だから話せるよ』
蒼 「今から奏士んち行ってもいい?直接逢って話したいの」
奏士『うん、いいよ。迎えに行こうか?』
蒼 「ううん、大丈夫。タクシーで行くからお家で待ってて」
奏士『うん、分かった。じゃあ、後でね』
蒼 「うん(切る)」
私は家を出て駅に向かうと、
タクシーに乗って奏士くんの自宅に向かった。



私は奏士くんの自宅マンションに着いて、ドアをノックした。

コンコン。

奏士「はい(ドアをかけて)いらっしゃい。どうぞ(笑)」
蒼「うん(笑)お邪魔します(ドアを閉めて部屋に入る)」

(奏士の部屋)
蒼 「奏士。絵を描いてたの?」
奏士「うん。絵画コンテストに間に合わさないといけないからね」
私はソファーに座わって、
奏士くんがキャンバスを真剣に見つめて、
絵の具で色づけしているのをみていた。

蒼 「真剣な顔(笑)」
奏士「ん?んー(笑)もう少し待っててねー。
   (筆で色を塗りながらを)切りのいいところでやめるから…
   そしたらコーヒー入れるからね」
蒼 「うん。…あっ、奏士。ご飯は食べた?」
奏士「ううん。まだ食べてないけど」
蒼 「そう…よし。じゃあ、今日は私が夕食作る!」
奏士「え!?蒼、料理作れるの?(・_・;)」
蒼 「(-_-#)失礼ね。作れるわよ。
   来る途中で材料買ってきたの。
   オムレツでいい?後は何か食べたいものある?」
奏士「うん、オムレツ大好き。後は蒼に任せるよ」
蒼 「そう、分かった。じゃあキッチン借りるわね(o^∀^o)
   奏士は食事が出来るまで、絵を描いてていいからね」
奏士「う、うん。何か張り切ってるなぁ(笑)」

私はキッチンに材料の入った袋を持って行き、
エプロンをして料理を作り始めた。
蒼 「さーて。フフフ~ン♪(鼻歌を歌いながら)」
トントントントン…(玉ねぎを刻む音)
(蒼は材料を刻んで、フライパンを熱してバターを入れる)
ジューッ…(野菜とミンチを炒める音)
蒼 「うん!いい感じだよ。蒼ちゃん!フフフ~ン♪」
奏士くんはキッチンで上機嫌の私を見ながら、絵を描いていた。
奏士「んー。何か変なんだよな…。今日の蒼」


一時間が経過してやっと料理が出来て、
私はトレイにオムレツとバスケット、
コーンスープをのせてテーブルに運んだ。
蒼 「奏士、出来たわよ。少し休んで先に食事しない?」
奏士「うん…。よしっ!(筆を置いて)ここで一段落かな。
   おーっ、何か旨そうな匂いがするなぁ。
   無茶腹へったから…(・_・)エッ..?
   (テーブルを見て)蒼、オムレツ作るって言ってなかった?」
蒼 「うん。蒼ちゃん特製オムレツよ(^O^)」
奏士「そ、そう…。僕にはもんじゃ焼きに見えるんだけど(・_・;)」
蒼 「え!?(゜∀゜;ノ)ノ…そう?」
奏士「いいよ(苦笑)蒼がオムレツって言うならオムレツだ。
   (椅子に座る)匂いはオムレツだし」
蒼 「あははははっ(焦)ど、どうぞ」
奏士「いただきまーす。(スプーンですくって)」

ドローン…

奏士「えっ…(゜∇゜)ドローンって何入れたの…(汗)パクッ(一口食べて)」
蒼 「奏士…ど、どう?」
奏士「ん?…旨い!いけるよ。これ」
蒼 「本当!?あー良かったぁ」
奏士「(パンをちぎって)このパンにつけて食べたらサイコーかも。
   蒼も座って食べたら?」
蒼 「うん(椅子に座る)いただきます。(オムレツ食べる)
   うん。我ながらいけるかも(笑)」
奏士「蒼、あんまり料理したことないでしょ」
蒼 「え!?…あははっ(汗)うん。いつも茜が作ってくれてるから」
奏士「そう。だろうね(笑)…ねぇ、蒼は出身はどこ?」
蒼 「えっ、何でいきなりその質問?」
奏士「いや、時々言葉が、
   こっちの言葉と違う時や発音が違う時あるからさ」
蒼 「そっか、気がつかなかったな。
   私は岡山。玉島湾が見える海沿いの奇島っていう町に生まれて、
   いつも海を見て育ったの」
奏士「そっか。だからどこかおっとりしてるんだ(笑)」
蒼 「え?私っておっとりかな」
奏士「茜さんはしっかりしてるから、土地柄ではないか(笑)」
蒼 「えっ。それどういう意味よ( ̄3 ̄)」
奏士「いや(笑)ご両親は健在?」
蒼 「うん。二人ともピンピン!バリバリの現役で働いてるわ。
   父は地元の工場で働いてるし、母もパン屋さんで仕事してるの」
奏士「そう。娘二人も東京出ちゃったら、ご両親寂しいんじゃない?」
蒼 「でも、地元にお兄ちゃんが居てお嫁さんも子供もいるからね。
   孫の面倒もあるし寂しくないんじゃないかな」
奏士「え?蒼、お兄さんいるんだ」
蒼 「うん。全く会ってないし、話もここ何ヶ月としてないけど」
奏士「そうかぁ。意外だったな」
蒼 「そう?奏士は何処の出身?親御さんやご兄弟は?」
奏士「僕は横浜。兄弟は兄貴と姉貴の三人兄弟。
   少し年が離れてるし、二人とも結婚してるからね。
   僕もめったに会うことはないな」
蒼 「そうなんだ。ご両親は?」
奏士「うん、元気だよ。
   両親は今は海外にいて、送金だけはしてくれてるけどね。
   僕はおばあちゃんっ子だったから、
   中学、高校はおばあちゃんの家にいた。
   それでバイトしてお金貯めてバイク買ったんだ。
   今もその時と変わらずに、バイト3つ遣ってるもんね」
蒼 「そうなんだ。奏士は凄いな。偉いよ」
奏士「え?そうかな」
蒼 「ねぇ、奏士は将来何になりたいの?やっぱり画家?」
奏士「うん、なりたいね。
   今回のコンテストは足掛かりで、それで賞を貰えば、
   またコンクールや展覧会に出展する。
   そうやってどんどん描いて賞を取ったり、
   個人で個展を開いたりして、
   評価が高くなって才能を認められると、
   画商に見初められたり、
   画壇に入れたら画家の道は開けてくるんだ。
   だけど、実際は絵だけでは食べてはいけない。
   有名画家なら一枚の絵画だけで、
   数百万以上売ることが出来るけど、
   奇跡が起きない限り、そんなの僕らには夢のまた夢だ。
   だから仕事しながら絵を描いて、
   地道にやっていくしかないんだよ」
蒼 「そうなんだ。厳しい世界なんだね」
奏士「うん。来年は就職活動しなきゃいけないし、
   デザイン関係でも仕事ないか探してるんだけどね」
蒼 「そうなんだ」
奏士「だから僕は、蒼のこと尊敬するよ。
   何年も同じ会社で働いて、ちゃんと自分で生活遣れてるしね」
蒼 「そんなぁ、私は何もとりえがなかったから、
   他にすることがなかっただけで…」

奏士に言わなきゃ…

蒼 「奏士、あの…」
奏士「蒼、美味しかったよ。ご馳走。蒼はもう食べた?」
蒼 「うん、食べた」
奏士「そう。よし、片付けようか(立ち上がる)」
蒼 「ああ、私が片付けするわよ」
奏士「いいよ。蒼は料理作ってくれたんだから座ってて。
   僕が片付ける。すぐコーヒー入れるから待っててね」
蒼 「う、うん」
奏士くんは機嫌よく食器を下げて、鼻歌を歌いながら片付けてる。

このままじゃ、タイミング逃しちゃう。
蒼、早く言わなきゃ…

私は待ってる間も心臓がドキドキして、そわそわ落ち着かず、
洗面所に行き自分の顔を鏡で見ながら、
どういう風に話せばいいか考えていた。

奏士「蒼ー。コーヒー入ったからおいでよ」
蒼 「うん、今行く!」
私が部屋に戻ると、
奏士くんはリクライニングソファーに座って手招きした。
私が横に座ると、奏士くんは私を抱き締めてkissをした。
奏士「来てくれてありがとう。嬉しかったよ。
   これからもこうやって二人で食事したり話したり、
   蒼に触れる事ができるから、僕はサイコーに幸せだな」
蒼 「奏士…うん、私もよ」
奏士くんは力強くkissをすると、
抱き締めてソファーの上で私を優しく愛してくれた。
お互いを激しく求めあい…そして…私たちは同時にのぼりつめた。


奏士くんは乱れた息遣いが少しおさまると、私に優しくkissをした。
私は心も体も彼の愛を実感して幸せを噛み締めているのに、
これから話す現実が邪魔をして、堪らなく切なくなり涙が潤む。

奏士「(蒼の顔を見て)ん?…蒼、どうした?
   (蒼の頬に両手を当て親指の腹で涙を拭う)
   何で泣いてるの?もしかして何かあった?」
蒼 「奏士、私…。ずっと一緒に奏士の傍に居たい…」
奏士「うん。もちろん、僕は一緒に居るよ。
   これからもずっと一緒居る」
蒼 「でも…居られない…」
奏士「え?居られないって…どうして。
   蒼、何だか変だよ。
   来た時からいつもと違うとは思ってたけど。
   そういえば、電話で話があるって言ってたよね。
   何か僕に話したいことがあるの?」
奏士くんは私を優しく見ている。
蒼 「奏士…(首を横に何度も振る)」
奏士「いいから何かあるなら話して。何故泣いてるの?」

私が話すまで、奏士くんは黙って私を見つめている。
蒼 「私…12月に…ドイツに行くの(目を潤ませて)」
奏士「え!?…ドイツって。12月ってまさか今年!?」
蒼 「うん(泣きながら)モデルの仕事で…ドイツに」
奏士「モデル!?…期間はいつまで!?」
蒼 「半年間…」
奏士「半年も…。それって茜さんの会社の仕事だよね」
蒼 「うん…」
奏士「それは蒼一人で行くの?
   それとも誰かと一緒?茜さんと一緒とか」

私は涙が止まらなくて、エプロンで顔を覆い隠した。
優しく見つめられるのが苦しくて辛いから…
奏士「蒼!(蒼のエプロンをどけて)ちゃんと話してくれよ!
   ねぇ、僕を見て。誰と行くの?」
蒼 「私…(泣)東さんと…行くの」
奏士「え!?…東光世と!?…それって二人で!?
   他にスタッフは同行するんじゃないの?」
蒼 「分からない…でも、話では多分、二人…」
奏士「何で…。その話が決まったのは何時?」
蒼 「……」
奏士「蒼!いつ決まったの!」
蒼 「KATARAIで、敦美さんとのことを聞いた日。
   奏士と…奏士と敦美さんがバイト先でキスしてた日…(泣)
   池袋で偶然に東さんと神道社長に会って…それで…」
奏士「あの日…。だからか…
   それであいつ…僕が行った時、えらく強気だったんだ」
蒼 「奏士…痛いよ」
奏士くんは私の両手首を力強く握ってた。
握った手が怒りで震えている…

沈黙の後、手を離して奏士くんは強い口調で言った。
奏士「蒼、その話し断って!」
蒼 「奏士」
奏士「茜さんが一緒なら我慢する。仕事だからと割り切る。
   でもあいつだけは、東光世と行くのだけは許せない…
   蒼、お願いだから断ってくれ」
蒼 「でも、私が断ったら、茜の会社に莫大な損害を与えてしまって、
   茜にも迷惑をかけることになるかもしれない」
奏士「損害って、その仕事で幾ら貰うんだよ!
   蒼は東光世に、あいつに自分を幾らで売ったんだ!」
蒼 「そんな言い方…奏士、ひどいよ…そんなんじゃない!」
奏士「じゃ、断れない理由って何!それとも…
   これは、蒼がその仕事を受けたのは僕に対するあてつけ?」
蒼 「え!?」
奏士「僕が敦美を抱いた過去を知って、キスしたのを見たから、
   それで僕に仕返しをするつもりでいたの?」
蒼 「奏士…違うよ!」
奏士「だから!僕よりあいつを!
   東光世を選んでドイツに行くって決めたの!?」
蒼 「違う!(泣)…ショックだったのよ。
   目の前で奏士が敦美さんとキスしていたことが…
   私を抱くように彼女を抱いたんだって知った時、
   もうどうなってもいいと思った。
   いっそ遠くに行って、何もかも忘れてしまいたいって、
   できることなら、この世から消えてしまいたいって思った…
   あの日の私は、奏士を失ったと思って絶望に浸ってたの。
   そんな時に東さんと神道社長が現れて、
   そのうち12月のドイツ行きの話が浮上したの…
   私はその時瞬間、この苦しみから解放されるかもって思った。
   私さえ居なかったら、奏士は敦美さんと幸せになれるって、
   そう思ったら、後先考えずにモデルの仕事を受けてた…」
奏士「ふっ(失笑)なんで。なんで敦美と僕が…
   どこで、どう考えたらそういう発想になるんだよ。
   なんで蒼は…勝手にそう思えるんだよ。
   僕の気持ちは!?(胸を叩いて)
   いつも僕から逃げて、気持ちも確かめようともしないで!
   何でそんな勝手な憶測で、僕の幸せを考えるんだよっ!!」
蒼 「奏士…ごめんなさい…(泣)」
奏士「蒼…(泣)僕を愛してるなら…その話は断ってくれ。
   それで僕らは一緒に、また一緒に楽しく居られる…」
蒼 「奏士…もし断らなかったら!?…私たちどうなるの…」
奏士「蒼がドイツに行くなら…東光世のところに行くなら、
   僕は…僕は、蒼を愛する自信がない。
   その時は終わりにしよう…」
蒼 「奏士!?…(泣)」
奏士「…(泣)くそぉ…蒼…何で…
   何であいつなんかに…何で…」

奏士くんは力無くその場に跪き前屈みになり、
床に握り拳を何度も何度も叩きつけて、肩を震わせて泣いていた。
私はそんな奏士くんの悲憤慷慨する背中を見て、
ただ黙ってその場に立ち尽くすしかなかった。
冷たく静まりかえった部屋に私の携帯が鳴り響いた。
まるで二人の距離を裂くように…
(続く)


この物語はフィクションです。

   
   
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