新美南吉さんの
あめだま
という短いお話の全文を記載しました、
当たり前ですが
このお話はとてもよく考えられていて
渡し舟という
そこから逃げ出すことのできない空間を共有している
という大きな場面設定がされています。
お母さんの心情が
緊張感
起きてしまったら大変という心配
さむらいを起こさせないようにしなければという張り詰めた気持ち
静かにしていてくれという子ども達へのすがるような願い
子ども達への怒りたいけど大声を出せないストレス
どうして少しだけの我慢ができないのかと子どもを責める気持ち
あめだまが一つしかない状況への自責の念
しかし
お母さんの願いは叶わずに
子ども達の声がどんどんと大きくなっていき
ついに目をぱっちりと開いてしまい
刀までぬき近づいてくるお侍
お母さんの様々な思いが頂点に達します
そして
子どもをかばい
自分の命をかけても子どもを守ろうとするのです
しかし
あめだまを受け取ったお侍の行動は
お母さんは勿論
読者である
わたしたちの頭の中に思い描いた姿を
見事にひっくり返すのです
多くの読者の方が
新美南吉さんの
巧妙というか絶妙なしかけに
コロっと騙されてしまったと思います。
つづく
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