もう自然消滅させようかと思っていた、ドラマ「アオイホノオ」の感想シリーズですが、
岡田斗司夫の第6話解説ツイッターがとても面白かったので、
なんとなく、ずるずると、6話の感想アップです。
見たのが、かなり前なので、記憶はかなり曖昧です
(場面の前後や細部は間違っていると思います)。
まず驚いたのが、タイトルにもしましたが、
次回、教習所に行く、ということ。
まあ、教習所に行くのは次回の話なので、タイトルにするのもいかがなものかと思いますが。
それにしても、これだけ尺が足りない中で、まさか教習所に行くとは、
思いませんでした。
教習所編は、原作では、5巻の全体に渡るエピソードですが、
丸々カットしても、ほぼ問題の無い話です。
原作の島本和彦ですら、5巻の29章では、
主役を庵野たちに引き渡したかのような、扉文を書いています。
(「この物語は- 「エヴァンゲリオン」や「王立宇宙軍」、「不思議の海のナディア」
「プリンセスメーカー」シリーズなどで有名な(株)ガイナックスを作り上げた
男たちの涙の物語である。」)
スターウォーズを見に行くエピソードを削ってまで、
ムテキングのヒーローショーのエピソードを削ってまで、
入れなければいけなかったのか?教習所。予算もかかりそうだし。
三原順子似の美人を用意する予算があるなら、
タムタムとか、ジョウとか、もっと重要な人物を出せなかったのか?
福田さんにも困ったもんだ・・・。
教習所に行くくらいなら、
空手を習いに行くエピソードの方が、どう考えても重要だろうに。
ちなみに、どれだけ尺が足りないかというと、
ドラマのキャストでは、すでにワンダーマスミが登場することが、
予告されているので、12巻+αまで行くことは分かっています
(12巻では、ワンダーマスミと仲良くなるエピソードは存在しないので、
仲良くなるなら+αです)。
ドラマは、大体1話、1巻ペースで進んでいますが(それも無茶なペースですが・・・)、
6話の時点で、大体、4巻(山賀の妹が来るエピソードだけ、5巻の28章から)までしか
進んでいません。
7話を教習所に使うということは、残り4話(全11話)です。
ホノオが投稿用の学園漫画を描くのに1話、ダイコンⅢの作業に1話、
ワンダーマスミが出てくる、ホノオの初のアニメ作品上映の、
痛すぎる話が1話として(「ダイコンⅢ」の上映とか、タッチ開始とか、
他にも色々ありますが)、残り1話しかありません。
ラストの11話で、一気にワンダーマスミと仲良くなるんでしょうか
(ならないのかな?)。
何にしても、あまりにギリギリで、ホノオの帰省のエピソードや、
トンコさんとの、出会いのエピソードなどが、削られていきそうです。
教習所を飛ばして、一気に6巻に行っていれば、
もう少し余裕のあるスケジュールだったのに・・・。
まさかとは思うが、「ドラえもん」のOPの解説や、宮下あきらの漫画の解説とかも
入れてしまうのだろうか?と、不安です。
今回も、尺が無いって言ってんのに、トンコさんと津田ヒロミとの三角関係とか、
原作にない要素を入れてくるし・・・(そんな、落とし所のない話を入れられても・・・)。
では、本編の感想、前半から
まず、珍しく、トンコさんに正直に結果を打ち明けるホノオ。
原作から若干アレンジが入って(原作では、嘘をついていることに
気付いていないホノオ。嘘というか、誤魔化しですが)、ドラマでは、
ホノオも、嘘をついていたのを、わりと素直に認めています。
原作より自然な感じになっているアレンジです。
トンコさんは、劇中、初のシリアスな演技をしています。
そして、ホノオのミューズ、トンコさんが、
大きな戦いの方が向いている、と島本和彦ばりの論法で
励ましてくれます。
で、矢野健太郎が、ジョウと差し替えで登場(やはり)、
ホノオ、きっちゃんを追いこみます。
しかし、この場面、ジョウが追いこむなら、ドングリの背比べ感が出ていて、別にいいのですが、
矢野健太郎に差し替えてしまうと、
矢野健太郎って、こんなに小物だったっけ?という雰囲気に・・・。
これで、よかったんでしょうか?
学園漫画ー!
で、問題のシーン。
素晴らしい名シーンに仕上がっていました。
泥にまみれて、とか、セリフを足しているのも、プラスに働いて、
「学園漫画ー!」と叫ぶだけ、というのも、ナイスアレンジでした。
線路の絵も、どう処理するのかと思ったら、スムーズなCG(?)になってましたし
(違和感のない、ベストの選択だったと思います)。
ただ、欲を言えば、構成。
やはり、原作通り、学園漫画というコンセプトに気付いたところで、
ヒキ終わりで終わってほしかったです。
どうもこのドラマは、終わるタイミングが半分くらいずれているというか、
毎回、いい所で、終われていない気がします。
で、学食のシーン。原作では、
学園漫画を描くのがいかに簡単か、というホノオの具体的な解説が
(学園漫画をなめきった)入りますが、ドラマではカットされています。
そして、そこをわざわざ切った代わりに、
福田アレンジによる、三角関係の話が入ってきます(いるのか?)。
ちなみにこの福田オリジナルシーンで、普通にホノオが頭の中で思考している、
というのは、ずるいんじゃないのか、福田?と思います
(原作では、頭の中で思考していた、数々のセリフが、ドラマ版では、
口に出してしゃべられています。全部ではありませんが、かなり
置き変えられています。
それだけ不自然な、原作者の意向を無視した演出を通して置いて、
自分の考えた場面は、自然なナレーション処理って、
そりゃないだろう、という気がします。だったら第1話で、ホノオを、
バスの中で独り言を言う変な奴にせずに、
ナレーション処理でいいだろう、と)。
一方、庵野たちの下宿には、山賀妹がきます。
そして、「ガンダム接待」。
のちに、「むしろ、イデオン」につながる、
わりと重要なシーンなような、そうでないような・・・
(カットしても、特に問題が無いような・・・)。
気になったのは、赤井に関しての
「あいつはダメな奴なんですよ!」
「いきなり友達をダメな奴 呼ばわり!」
というところ、
あだち充のアニメとかにありがちですが、
活字で読んで違和感の無いセリフと、音として聞いて違和感の無いセリフは別物なわけで、
ここはさすがに、もうちょっと自然に流れるセリフに変えてほしかったですね
(必要のないところは、やたら変えてる癖に、福田は・・・)。
ちなみに、今回、福田雄一のツイッターを始めて覗きましたが、
色々とエピソードが紹介されています。 リンク
テレビシリーズの機動戦士ガンダムを、第一話から順にぜんぶ見せる!もちろん庵野自身が隣に座って、見どころ解説を副音声でやってくれる。
これ、別に庵野だけじゃなくて赤井も同じ事をしていた。赤井の場合はNHK人形劇版「三国志」だけど。
このように、当時のオタクはありあまる熱量で「全話解説」など当たり前のようにこなしたのだ。
僕なんか、いまだにやってるよ、コレ。
赤井孝美もやっていたというのが、おもしろいです。
赤井孝美といえば、岡田斗司夫の「遺言」でも紹介されていた、
光栄の「三国志」の訓練パートが好きすぎで、訓練パートのみを取り出して
「プリンセスメーカー」という(育成ゲームという新しいジャンルの?)
ゲームを作った人。人形劇「三国志」がそこまで好きだったんですね。
「王立」のシロツグの声が森本レオ(代表作は人形劇「三国志」の孔明の声)なのも、
まさか、そのせい?
そして、庵野が回をまたいで、ようやくアニメを完成させ
(ホノオの漫画の時にまたいでいれば・・・)、
ファーストピクチャーズショーに出品。
ここで、庵野の動くアニメが見れるのは嬉しいです。
「バス停にて」は、ラストだけで、ほとんどありませんでしたが。
岡田斗司夫のツイッターによると、
「それだけは避けたい」は、当時の庵野の口癖だそうです。
あと、庵野がお風呂に入らない、というエピソードはとても面白いのですが、
>聞いたか、島本和彦!風呂とかトンコさんとか、お前は学生時代にリア充すぎるんだよ!
一方のホノオはといえば恋人もおらず、欲しいものが何一つ
手に入らないくらい貧乏(5巻25章)で、才能も有るのか無いのか分からず
(少なくとも、ほぼ誰にも褒められず)、
先輩たちが入った後の、垢だらけの風呂に入ったり、
先輩の恋人に、悶々とするだけの日々を送っているだけで、
なにがリア充なものか、という状態です。
で、ファーストピクチャーズショーの後、
原作であった、津田ヒロミと「金八先生」を見て、
重たい気分になり、学園漫画を描きたくなくなるホノオ、というエピソードがカットされ、
学食で、津田ヒロミたちに付き合い、「金八」の話に巻き込まれるホノオと、
隣で、庵野のアニメの話をする高橋たち(そっちに、混ざりたい)、という場面
(よくある葛藤です)。
ここで、驕れるガミラスの、デスラー総統が(今回は手短に)、登場します。
福田監督のツイッターから引用
>沖田艦長の声は山寺宏一さん!僕はおはスタの構成作家をしていたことがあり、山ちゃんは僕を覚えていてくれました!来週以降も山ちゃんがいろいろな声を担当してくれますっ!お楽しみにっ!
エンドロールに名前が出ていたけど、初見ではどこに出ていたのか分からなかった、
山寺宏一は、沖田艦長役だそうです(見直さないと)。
「ヤマト2199」では、デスラー総統をやっていましたけどね。
豪華だけど、無駄にややこしいですね。
といったところで、
庵野が「へたな鉄砲~」の方は、すでに、去年、描いていた、という話に、
相変わらず、山賀の心の声だけは聞こえる、という演出。
最後に、教習所に行くことに決めて、終り。
原作とは微妙に変えて、庵野に対抗するため、となっています
(原作では、バイトのワクが増えるかも、という理由で)。
こういう微妙な変え方をして、記憶を上書きしてこようとするので、
ドラマ版は、イマイチ信用ができません。
原作でも、50CCの原付バイクにも乗れるはず、と、微妙に
バイクについて触れていますが、
ドラマ版だと、バイクにまたがっていたエピソードを受けて、
バイクにも乗れる、という部分の扱いが、やや大きくなっていたと思います。
福田雄一は、こういう、こじつけ伏線を作る腕は、たしかに一流です
(さすがは、「大洗にも星は降るなり」を書いた人です)。
庵野の、「それだけは避けたかった」も(岡田解釈とは変わりますが、
福田雄一は、そもそも、その話を知らなかったと思うので)、
津田ヒロミが、ホノオに話した、「ヤマト」の話を受けた形になっています
(作らないホノオと、「避けたい」けど作ってしまう庵野との対比に)。
最後に、ツイッターから
岡田ツイッターの、
>「学園マンガだからさ!」
これは監督・福田雄一自身の心の叫び。「トンコさんと津田さん、どっちが好きか?」とかチンタラやってたほうが、よっぽど楽だし視聴率も取れる。それはわかってる!
でもオレ(福田)はヒットするとわかり切ってるその学園ラブコメに、あえてアクションやSFやわけわかんないクリエイターの葛藤を乗っけてメガヒットさせてみせる!
アオイホノオを福田雄一作品として見ると、監督のこういう気概が伝わってくる。
>最終回を編集中っ!8分オーバーっ!か、身体が引き裂かれる思いだっっっ!!や、やはり、なんとしてでもディレクターズカットを作らねばっっ!
(8月24日)
と、最終回、編集中の様です。
そして、あまり関係ないですが、
>島本先生の青春を綴っている今、自らの青春の象徴である「朝日のような夕日をつれて」を観劇。はからずも、ラストで号泣する始末っ!もう、最初にジエンドオブエイジアが流れた時からヤバく、ほとんどのセリフを覚えている自分に驚愕っ!
と、福田監督のことはほとんど知らなかったので、意外な一面です。
あの、超大変そうな、全員での長セリフを、ほとんど覚えているとは・・・。
そして、
>最終回を編集しながら涙が自然とこぼれるT^T昨日「朝日のような夕日をつれて」と大人の新感線の「ラストフラワーズ」を観て、僕の青春のすべてだった大 高さん、小須田さんに続き、古田新太さんの姿など観てしまったもんで、タイミング良過ぎたかもしれん。成志さん観れたらパーフェクトだったな。
福田監督は、劇団も主催しているので、
第三舞台や、新感線が、青春だったようです。
て、ことは、山本美月トンコさんって、やっぱり、羽野晶紀?
(大阪芸大で作られた、劇団・新感線の看板女優で、天然)。
本人のツイッターで聞こうかと思いましたが、
大高洋夫とかが、リツイートしていて、
さすがにおこがましいので、やめておきました。
大高洋夫が第三舞台の情報を書きこんでいるのに、
新感線の話をするのは、さすがに失礼すぎるので、無理。
ということで、次回は、教習所編。
まあ、次々回以降を、どうするつもりなのかを、期待して見てみたいと思います。
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