goo blog サービス終了のお知らせ 

杏の読書日記プラス

本が好き。お昼寝が好き。こどもが好き。
読書日記から写真日記へリニューアル♪

誘拐ラプソディ

2009-08-25 11:25:24 | 
誘拐ラプソディー (双葉文庫)
荻原 浩
双葉社

このアイテムの詳細を見る


☆あらすじ☆

伊達秀吉は、金なし家なし女なし、あるのは借金と前科だけのダメ人間。
金持ちのガキ・伝助との出会いを「人生一発逆転のチャンス?」とばかりに張り切ったものの、誘拐に成功はなし。
警察はおろか、ヤクザやチャイニーズマフィアにまで追われる羽目に。
しかも伝助との間に友情まで芽生えてしまう・・・。
はたして、史上最低の誘拐犯・秀吉に明日はあるのか?
(文庫・紹介文より)

この紹介文を読めば、物語の展開は想像できるのですが~秀吉のダメっぷりが、想像以上で笑えます。
伝助との会話もおもしろくて、ぐんぐん読めます。
ヤクザも、チャイニーズマフィアも出てきますが、もちろんハードな場面は全くなくて、ラストまで安心して読めます。

421P。あ~、おもしろかった!! 満足度、★★★★☆


永遠の0

2009-08-06 21:19:42 | 
永遠の0 (講談社文庫)
百田 尚樹
講談社

このアイテムの詳細を見る


『BOX』が好評の百田尚樹。どんな作品を書くのか、気になる作家さんでした。
その彼のデビュー作が、文庫になったので、内容も確かめずに購入しました。
本の帯には~
涙を流さずにはいられない、男の絆、家族の絆~と書かれています。

う~ん、どんな話なんだろう。なんか、わくわくするぅ♪

☆あらすじ☆

「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」
そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。
終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。
天才だが臆病者。
想像と違う人物像に戸惑いつつも、一つの謎が浮かんでくる。
記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。
(文庫本、裏表紙の紹介文より)

~えっ、戦争の話だったの?知らずに読み始めてしまいました。
辛いから、さっさと読んでしまおう。
そう思っていたのだけど、読み飛ばすことはできませんでした。

宮部久蔵、大正八年東京生まれ。昭和九年、海軍に入隊。昭和二十年、南西諸島沖で戦死。

彼の人生に引き込まれてしまいました。

60年以上も前、戦争で、たくさんの命が失われたことを、忘れてはいけない。
あの戦争で、何があったのか、今生きている私たちは、知っていなければならない。
この作品は、そう語っていました。

読んでよかったです。
たくさんの人に読んでほしい、そう思います。

おすすめ度、★★★★★。

奇しくも、今日は広島に原爆が投下された日。テレビで記念式典を観ました。
こどもたちの誓いが胸に響きました。
核のない世界はもちろん、争いのない世界にしなければ、と強く願う一日でした。





木洩れ日に泳ぐ魚

2009-06-21 12:17:18 | 
木洩れ日に泳ぐ魚
恩田 陸
中央公論新社

このアイテムの詳細を見る


荷物の運び出された2DKのアパートで、一夜をすごす男女の物語。
朝が来ると、二人は、別の場所へと出て行くことになっている。
缶ビールを飲みながら、惣菜をつまみながら、他愛のない会話を交わしながら、二人は待っている。
あの旅の真実を彼が、彼女が語ってくれるのを。
さあ、椅子取りゲームのような夜の始まりだ。

ヒロとアキ、二人が交互に語ることで、ひとつの事実が、二つの側面から浮かび上がってくる。
別離へとつながるきっかけになった旅、それ以前の出会い、蘇る過去の記憶、事件。
この心理描写は、さすが恩田陸だなあ。

まるで舞台劇を観ているような作品でした。
おすすめ度、★★★☆☆

☆おしらせ☆
6月17日の絵本の時間の記事を書きました。
Sさんと私が読んだ絵本のリストがあります。こちら→やあっ!のあしあと


1Q84 BOOK1・BOOK2

2009-06-08 19:59:03 | 
1Q84 BOOK 1
村上春樹
新潮社

このアイテムの詳細を見る


BOOK1・BOOK2、本日読了。でも終わらなかった
これ、話は終わってないよね?BOOK3、あるよね?~って、誰に聞けばいいんだろう。はあ~。

このもやもやを解消すべく、ネットでいろんな人のレビューを読ませてもらいました。
続きがありそうだ、という意見と、この終わりかたもあり、とする意見の両方があって、すっきりはしませんでした。はあ~。


予備校の講師をしながら小説家を志している天吾と、スポーツクラブでインストラクターをしている青豆、二人の視点で交互に物語が綴られていく。
時は、1984年。世界では、イラン・イラク戦争が続き、日本のバブルは、まだ始まっていない。
ふかえり、という少女が応募した小説『空気さなぎ』をきっかけに、天吾の生活が変わり始める。
そして、高速道路の階段を下りたことをきっかけに、青豆の生活も変わり始める。
そのことに気がついた青豆は、ここは1984年ではなく、1Q84年なのだと呼ぶことを決める。

宗教団体や農業コミューン、家庭内暴力のためのシェルター、二人が関わる組織に漂う狂気。善と悪が絡み合い、夢と現が交錯する世界は、どこへ向かうのか。

その答えは、まだない。

~BOOK1・2を読み終えて、そう感じました。

いままで、村上春樹の作品を好きだと思っていたけれど。
なんにも理解していなかったのかもしれない。
『1Q84』で村上春樹を感じることはできるんだけど。
好きな作品なのか、嫌いな作品なのかすら、判断できない。
このあやふやな気持ちをどう静めればいいのだろう。はあ~。

BOOK3への期待を込めて、★★★★☆

Over the Wind

2009-06-01 23:40:45 | 
Over the Wind―青春スポーツ小説アンソロジー
川島 誠,小路 幸也,須藤 靖貴,松樹 剛史,誉田 哲也,川西 蘭
ジャイブ

このアイテムの詳細を見る


『競馬場のメサイア』 松樹剛史
19歳のフリーター・啓と、女性騎手・奈津ので出会いが、競馬場を舞台に綴られる。

『peacemaker サウンド・オブ・サイレンス』 小路幸也
伝統ある赤星中学校の新入生・林田良平は、かつて「ピースメーカー」と呼ばれていた姉の名を継ぐ者として、放送部に入部する。友人のケンちゃんとともに取材に訪れた剣道部で、八百長騒ぎに遭遇してしまう。

『アップセット』 須藤靖貴
アメフト選手で、大学生の真佐夫と、児童相談所に通う小学生の優毅のひと夏の交流が描かれる。

『内緒だよ』 川島誠
飯場と呼ばれる場所で暮らした子ども時代。
リョウと呼ばれる青年が教えてくれたバスケットボールの思い出。

『見守るしかできなくて』 誉田哲也
小学4年生で出会ったフィギュアスケートと、スケートリンクで出会った同学年のユウナ。その彼女との再会を待ち望む少年は・・。

『ワンデイレース』 川西蘭
高3の南雲真一は、祖父の命を受け、受験勉強を休み、「金剛ヶ峰自転車ロードレース大会」を存続させるために、立ち上がる。そして、そのレースは、彼の最後の自転車レースだった。

この中で好きな作品は、誉田(ほんだ)さんの『見守るしかできなくて』~思わず、ほろっとする作品でした。
誉田さんの作品を読むのは初めてだったので、他の作品を読むのが楽しみです。

小路さんの『peacemaker』も、小路さんらしい作品でよかったです。
川西さんの『ワンデイレース』は、『セカンドウィンド』のスピンオフのようでした。これも、読まなくちゃ。

おすすめ度、★★★☆☆。