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杏の読書日記プラス

本が好き。お昼寝が好き。こどもが好き。
読書日記から写真日記へリニューアル♪

夏が僕を抱く

2009-10-22 22:51:37 | 
夏が僕を抱く
豊島 ミホ
祥伝社

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豊島ミホの新作短編集。

変身少女  らくだとモノレール  あさなぎ
遠回りもまだ途中  夏が僕を抱く  ストロベリーホープ

それぞれの作品に共通するのは、幼なじみという関係。
中学生になったばかりの菊南と毬男。高校生のいるかとらくだ。
大学生の有里と浪人生の岬~。
友達以上、恋人未満の関係は、そのままだったり、変わっていったり。
そんな六つの物語。

さすが豊島ミホ。10代から20代へ、この世代の女子の描き方は、ウマいな~。
豊島ミホの分身のように、生き生きと描かれてます。
でも、ちょっと作品が似てるかな。
幼なじみというと、展開がある程度読めてくるからかも。

好きだったのは、後半の2作品。どちらも20代の話です。
今後、大人女子を豊島ミホの作品で読みたい、と期待してます。

おすすめ度、★★★★☆

短劇

2009-10-12 11:10:08 | 
短劇
坂木 司
光文社

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坂木司の新作は、26の短編集。
何の情報も持たないまま、本を開いて、「しまった!」と思いました。
短編は、やや苦手。しかも、この作品数。
「ショートショートなんて、読みなれてないよ。」とほほ。

☆あらすじ☆
満員電車の中で、会社の流し台の前で、クラブ帰りのエレベーターで、
フレンチレストランの一角で、映画の試写会の会場で、とある地方のとある村で~
起きた不思議な出来事の数々。
いい話あり、ビターな話あり。
これまでの坂木司の作品とは、かなり趣の異なる作品集。

「カフェラテのない日」「雨やどり」「幸福な密室」「物件案内」などは、坂木司らしい作品で良かったです。

「いい話」の連載だったはずが、どんどんブラックになっていってしまった。
~と、作者があとがきに記したほど、ブラックな作品が多く、読んでいる私も困りました
この本の再読は、なさそうです。

おすすめ度、★★☆☆☆


博士の愛した数式(再読)

2009-10-10 20:35:20 | 
博士の愛した数式 (新潮文庫)
小川 洋子
新潮社

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10月12日に、青年劇場の舞台『博士の愛した数式』を見るので、再読しました。
私が持っている文庫本の帯には、映画の写真が使われていて、寺尾聰と深津絵里が載ってます。
なので、読んでいる間中、博士と家政婦は、二人に変換?されていました。
さらに、夕方の再放送のドラマが、木村拓哉主演の『チェンジ』で、二人が出演していたりして~
ここ数日間は、二人にどっぷりはまってました

この温かい物語が、どんな舞台劇になっているのか、とても楽しみです。

以前読んだときの感想は、こちら
映画の感想は、こちら

ステップ

2009-09-18 11:28:55 | 
ステップ
重松 清
中央公論新社

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☆あらすじ☆

結婚3年目、まだ「ママ」という言葉もはっきりとは言えない一歳半の娘・美紀を残し、三十歳と言う若さで、妻・朋子は逝った。
風邪をこじらせ、髄膜炎だと診断された直後に昏睡状態に陥り、そのまま亡くなった。
残された健一と美紀、ふたりの物語。保育園入園から、小学校卒業までが描かれている。

「ケロ先生」「ライカでハロー・グッドバイ」「あじさい」
「キュウリの馬に乗って」「サンタ・グランパ」「彼岸過ぎまで」
「バトン」「ホップ、ステップ」「ジャンプ」の9編。

~重松作品は、父子ものが多いなあ、と思いながら読み始めました。
(あだち充かよ、とツッコミたくなる・・・)
美紀が出会う保育園のケロ先生、七五三の写真を撮ったカメラマンの礼香さん。
亡くなった妻・朋子の同級生たち。朋子の父母などなど。
登場人物がやさしくて、ふたりに起こる出来事があたたかくて、重松節炸裂です。
中でも「サンタ・グランパ」には、泣かされます号泣しますやだなあ、もう。

おすすめ度、★★★★★

お知らせ:13日の公演の様子は、こちらです→やあっ!のあしあと



植物図鑑

2009-08-30 21:56:17 | 
植物図鑑
有川 浩
角川書店(角川グループパブリッシング)

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☆あらすじ☆

20代後半のOL・さやかは、冬のおわりかけの休日前夜、自宅マンション前で、行き倒れたイケメン・イツキを拾ってしまう。
翌朝、彼は死亡直前の卵とタマネギを使って朝食を作り、さやかの胃袋をわしづかみにしてしまう。
そして、さやかは「もし、行く先ないんなら~ここにいない?」と提案し、二人の共同生活が始まる。
イツキは、住環境を保障される代わりに、生活費の管理を引き受け、料理・洗濯を引き受ける。
イツキの作る料理は、外食とコンビニ弁当とスーパーの惣菜に慣れてしまったさやかには、涙がでるほどおいしかった。
さらに、植物に詳しい彼は、二人で野草を摘んできて料理する、という楽しみをさやかに体験させる。
この生活が、ずっと続けばいいのに~と願うきもちと、いつか別れがくるかもという予感におびえるさやかの心。
二人の日々は、どうなるのだろう・・・。

~って、有川浩だもの。ハッピーエンドしかないでしょ(笑)
ストーリー展開もミエミエだし、超がつくほどベタ甘だけど、全然イヤじゃない。
イツキとさやかの幸せが、本当にうれしい。
できれば、この話の続編も読みたいくらい。

有川浩ワールド全開の一冊。大満足です、★★★★★